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私、産まれ故郷ではチートでした。  作者: 霜月満月
第四章 精霊術と破魔の力
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96話 解決と空からの出会い

怒りに燃えるセピオライトの王女姉妹はラズライト城の中庭に着いた。

そして待っててくれているのか、三人共王の執務室に集まってくれている。


「姉様。お三方共、執務室にいらっしゃるみたいです。」

「そう。じゃあ、行きましょうか。」

「はい。」


ちなみに姉妹はお互いの顔を見て話したため、黒い笑顔の自覚ありだ。


そして、執務室の扉をノックして許可を得てから中に入る。

そこには国王夫妻と、若干青ざめてる様に見えなくもないリヒトがいた。


「伯父様、伯母様。お待たせ致しました。参りましょうか。」

「ああ。ルリ、まだ怒ってるか?」

「一旦は冷静になりましたが、先程フローライトで同様の光景を見せられまして。怒りが再燃している状況ですわ。伯父様。」

「「「え?」」」

「フローライトって、スヴェートさんが!?」

「ええ。そうですよ?王太子殿下。」

「‥‥‥‥壁を感じる‥‥。」

「気まずい様でしたら無理せずともよろしいんですよ?殿下。」

「いえ‥‥行かせてください‥‥。」

「‥‥‥仕方ありませんね‥‥。」


「ルリが恐い‥‥」

「何か仰いましたか?伯父様。」

「いや、なんでもない。」

「そうですか?では、そろそろ参りますか?」

「ああ。頼む。」


そしてセピオライト城の中庭に全員で戻ってくると、何故かまだフローライトの人達がいて、セピオライトの国王夫妻もいた。


「あら?父様、母様。何故ここに?フローライトの皆様も移動して頂いて良かったのですよ?」

「ルリ。今、フローライトでのことも聞いた。ルリ達を待つと動かなかったんだ。主にスヴェートが。」

「ユリ、ルリ。スヴェート君とリヒト君を見限るなら今よ。」

「そうですわね、母様。私は生涯独身で、ルリの婿にルクスに来てもらえば、二人の子供がセピオライトの後を継いでくれるでしょうしね。」

「それもいいわね!」


とユリとナノカが話してる側で、「そういえば、それもあり得たんだな‥‥」と呟き、どんどん青ざめていくリヒトとスヴェート。

それを見かねたルクスが助け舟を出した。


「ユリ姉。それは冗談が過ぎます。俺とルリの意思を無視してます。それに、ユリ姉とルリ。よく考えてみてください。兄上とリヒトさんは二人を口説き落とすのに苦労していたのでしょう?今更裏切る様な人達ですか?」

「「‥‥‥」」


分かってる‥‥

リヒトはそんな人じゃないってことぐらい。

でも、余計なこと言わないでよ!怒り辛くなるじゃない!


姉様も同じ事を思ったのか、私達はルクスを睨んだ。

なのに、ルクスはふっと笑って


「やっぱりな。」と。続いて


「ユリ姉、ルリ。分かってるなら許してあげてください。兄上達が可哀想なぐらい青ざめてますよ。」

「むぅ‥‥ルクスの馬鹿。怒り辛くなったじゃない!私の怒り、どうしてくれる!」

「そうよ!フローライトの時みたいに発散場所なんて近くにないわよ!?」

「それは俺にじゃなく、兄上とリヒトさんに言ってください。」

「「え!?」」

「それもそうね‥‥」

「ええ。そもそもリヒト達が怒りの原因ですしね‥‥」

ゆらりとそれぞれの婚約者の前に立つ姉妹。


「「!!!」」


そして何が起こるのかと恐怖を感じる婚約者達。

二人は思わず目を閉じてしまった。


ニヤリ


と黒い笑顔を浮かべた姉妹は婚約者達に両手を伸ばして‥‥


「「い、いひゃい!」」


頬を思いっきり引っ張った。


「考えることは同じだったみたいですね。姉様。」

「ふふっ。そうね、ルリ。‥‥さあ、スヴェン。覚悟なさい。思いっきりやってやるわ!」

「!!!」

「リヒトもね。」

「!!!」

「「これぐらいで済ましてあげることに感謝しなさい。」」

「「ひゃい‥‥。」」


そしてそれは姉妹が満足するまでしばらく続いた。


「「い、痛かった‥‥。」」

「「自業自得よ。」」

「「はい‥‥。」」


「「「ぷっ。」」」

と吹き出す王妃の三人。


「面白かったわね。ナノカ。」

「ええ。そうですわね。姉様。」

「ふふっ。スヴェート達は二人に頭が上がらなくなっちゃいましたわね。」

「ふふっ。ルナリア様。ユリとルリに惚れた時点で二人の負けですよ。」

「そうですわね。」

「‥‥マノカ、怒ってなかったか‥‥?」

「怒ってましたよ?あの、リニス様は公爵令嬢としての自覚が足りないことがありましたからちょうど良かっただけです。」

「アルマ様もですね。私はまだ彼女に怒ってませんけど。」

「‥‥‥その辺りの話は移動してからにしないか?」

「そうですね、伯父様。」


とようやく雰囲気が変わったと思ったら。


《ルリ~!!》《ルリさん~!!》


「え?」

「どうしたの?ルリ。」

「今、声が‥‥‥ってうわっ!」


空からの飛来物二つがルリに直撃した。


『ルリ!?』

端から見たら突然ルリが一人(・・)で倒れた様に見えた為、周囲にいた全員が驚いた。


飛来物は「物」ではなく‥‥


《ルリ!やっと会えたね!》

《ルリさん!皆さんに聞いてた通り、可愛いです!》


二人の精霊だった。


「‥‥姉様、私の上の二人見えます?」

「‥‥見えない。」

「ですよね‥‥そんな気がしました‥‥‥精霊ですよね?」


まず、オレンジ髪の男の子

《あ。自己紹介してなかったね。僕は太陽の大精霊のソルっていうんだ。呼び捨てで敬語とかいらないよ。》


次にブロンドの髪の可愛い女の子

《私は月の大精霊のルナです。私も呼び捨てで敬語もなくていいです。》


「‥‥‥えっと‥‥とりあえず、自己紹介してくれてありがとう。それはいいんだけど‥‥」


《《ん?》》


「退いてくれないの?」


《《あ。》》

と言ってやっと私の上から降りてくれたので、立ち上がる。


「で、えっとソルとルナはなんで空から落ちてきたの?」


《やだな~落ちたんじゃなくて、降りたんだよ~。》

《ソル。話したいのはそこじゃないです!》

《あ。ねぇねぇ、ルリ。明日、扉の向こうに行っちゃうって本当?》


「え?うん。あ、他のみんなから聞いたの?」


《はい。それで、折角巫女になってくださったのに何故ですかと伺いに来ました。》


「え?戻ってくるよ?」


《《え?》》


「私、用があって行くだけだからここに帰ってくるつもりだよ?みんなにもそう言ったけど、聞いてない?」


《《‥‥‥。》》

《‥‥そういえば、話半分で来てしまった気がします‥‥。》

《‥‥‥ごめん、ルリ。僕達、早とちりしちゃったみたいだ‥‥。》


「ふふっ。そっか。でも私は二人と話せて嬉しかったよ?ちょっと驚いただけだから謝らなくていいよ。」


《《!!!》》

《やっぱり優しい人でした。ルリさん。》

《うん。みんなが、特にアスカさんが言ってた通り、笑顔が可愛くて優しい人だ。》


「‥‥‥アスカ、そんな事言ったの?」


《うん。》《はい。》

《とりあえず、帰って来てくれるならいいや。そうだ!誕生日おめでとう、ルリ。》

《突然押し掛けてごめんなさい。それと私も。お誕生日おめでとうございます。ルリさん。》


「ふふっ。ありがとう。ソル、ルナ。」


《じゃあまたね、ルリ。》

《ルリさん、また。》


「うん。またね、二人共。」


そして二人は揃ってどこかに行ってしまった。


「‥‥‥ルリ。もしかして、行っちゃった?」

「はい。」

「精霊だったのか?」

「はい。まだ会ったことがなかった大精霊でした。」

『え!?』

「ルリ、結局会ったことがある大精霊はどれぐらいいるんだ?」

「四大、光、闇、時、空間、創造。で、今来たのが太陽と月でした。」

『‥‥‥。』

「‥‥‥その精霊達全員の力を借りれるんだよな?」

「はい。」

『‥‥‥。』

先程から呆気にとられる一同。


「それより父様。移動しようとしてませんでした?」

「あ。そうだな。だが‥‥」

「ええ。ルリは着替えてからいらっしゃい。応接室にいるから。」

「あ、そうですね。そうします。」

先程ソルとルナに倒されたので、背中や髪とかに土が付いてしまっていた。


それからルリは自室に他は応接室にそれぞれ向かった。


そしてルリは自室に着いてすぐ、マリー達に事情を話すと備え付けのお風呂に連行された。

去年より更に伸びた髪に砂が付いてしまったからだ。


お風呂に入り綺麗になった所で部屋に戻ると、やっぱりマリー達が待ち構えていた。マリー達にとって我が儘を言わず、手の掛からないルリの身だしなみを整えるのはやりがいを感じる一つらしい。髪を整えたり、服を選んだりが楽しくてしょうがないと。

そこまで言われると、任せるのが三人の為だな。とルリは早々に抵抗するのを諦めている。


そして着替え終わったルリが応接室に行くと、何故かリヒトとスヴェートが再び顔を青ざめさせていた。

聞いてみると、二人は改めて三国の王族全員に事情聴取されていたそうだ。


「ルリ。リニス様は小さい頃、公爵に連れられて何回か登城してたのよ。その時にリヒトに一目惚れしたらしくてね、何度も会わせてくれと公爵はせがまれていたらしいの。それを公爵が私達に言ってきててね、公爵家だから家格的には問題ないからちょっと困ってたの。」


「公爵もな、リヒトには他に想ってる者がいるから諦めろとリニスに何度も言ったらしいが、聞く耳を持たなかったらしい。しょうがないから仮の候補程度に名前を上げてやったのがルリが帰ってくる二年前だ。そしたら増長してリヒトの婚約者候補だと触れ回る様になってな。すぐに目に余ると取り下げた。」

「へ~‥‥やっぱりモテるんじゃない‥‥リヒト。」

「うっ。」

「アルマも似た様な感じだ。」

「だから姉様はスヴェート殿下をまた睨んでるんですね。」

「ええ。そうよ。私もさっきルリと同じ事をスヴェンに言ったわ。」

「でも、リヒト君、スヴェート君。二人が面倒な人に好かれただけなのは分かったけど、二人共ルリ達に見られたその時に婚約者がいるってあしらえなくてどうするのよ?」

「「‥‥‥」」

「そうね。リヒト、リニス様を登城させたのはちゃんと振ってやってくれって公爵に言われたからだったでしょ?」

「あら。スヴェートもですよ。アルマ様を振ってやってほしいと公爵様が。」

「はい‥‥俺にしても、リニス様のあの行動は予想外だったので‥‥」

「俺もです‥‥」

「リヒト、リニス様が好きってことは?」

「欠片程もない!ルリだけだ!」

「俺もだ!アルマ様を想う気持ちは欠片程もない!ユリだけだ!」

「「‥‥‥」」

「‥‥姉様。」

「‥‥ええ。」

頷き合う姉妹。


やがて姉妹はリヒトとスヴェートに向けて笑った。

黒い笑顔ではなくリヒトとスヴェートの心を掴んでやまない可愛い笑顔だ。


「しょうがないから許してあげるよ、リヒト。」

「私も。怒るの疲れたし。」

「「本当か!?」」

「ルリ。明日、俺を置いていかないか?」

「うん。日本に一緒に行こ、リヒト。」

「やっと戻ってくれた~!」

「ふふっ。‥‥ちょっといじめ過ぎたね。ごめんね、リヒト。」

「いや、元通りにしてくれたからいいよ。」

「スヴェンもごめん。無視とか睨んだりとか感じ悪かったよね。」

「俺もユリが元通りに話してくれるならそれでいいよ。」

「ふふっ。やっと元通りね。やっぱりユリとルリから笑顔が無くなると寂しいもの。」

「ああ。そうだな。この数日、二人の心からの笑顔が消えて城内が暗くなってたからな。」

「「え?」」

「えっと‥‥‥父様、母様。申し訳ありません‥‥。」

「私も心配掛けて申し訳ありません‥‥。」

「ふふっ。いいわよ。」

「ああ。」


ようやく和やかな雰囲気が戻ってきたところで、扉をノックする音が。


「マリー、入ってきていいよ。」

『え?』


ガチャ


「ご歓談中、失礼致します。皆様、晩餐のご用意が整いました。‥‥‥ところでルリ姫様、何故私だとお分かりに?」

「ん?探知訓練の成果。」

「あ、もしかして伯父様達が執務室に集まってるとか分かったのも?」

「はい。そうですよ。姉様。」

「マリー達まで把握したの!?」

「マリー達は私の一番近くにいてくれる人達ですよ?すぐに分かる様になりました。今のは合ってるか試しただけです。さすがに常時、探知をし続けるのは疲れますし、意味もないのでやってませんけどね。」

「それでもすごいわ!」

「ふふっ。ここにいる全員も分かりますよ?なので、誰が誘拐されても見つけて助けに行けます。」

『おお~!』

「私が誘拐された場合は自分で逃げられますし、問題無しです!」


うん。私、ここではチートだ。


そう。「ここでは」だ。


「でも、日本は精霊いないんだよな?」

「うん。だからそれもあって騎士達に鍛えてもらったんだよ。あ。一度来てるから知ってるだろうけど、日本は帯剣しただけで捕まるからやめてね、リヒト。」

『え?』

「ルリ。とりあえず、話は後だ。マリーが言ってただろ?晩餐の用意が出来たと。移動するぞ。」

「あ。そうでした。」


そして今度は食堂に移動していった。

長引かせても二人が可哀想なので、一気に書きました。

次回、やっと日本に行きます。

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