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私、産まれ故郷ではチートでした。  作者: 霜月満月
第四章 精霊術と破魔の力
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92話 探知訓練

さて、父様のところに行こうかな。

と思っていたら後ろから聞こえてきた声。

その声の主は。


「あれ?姉様、どうされたんですか?」

「ルリが空を飛んでるのが見えて、追いかけてきたのよ。それよりその黄色い髪の男性、誰よ?浮気?ルリ。」

「え?あ、この人‥‥人?は雷の精霊ですよ。姉様。」

「え?雷の精霊?」


そして再び上位精霊の話。


「なんだ‥‥手を繋いでるからてっきり浮気かと‥‥。」

「ふふっ。そんな訳ないじゃないですか。姉様。」

「それもそうね。‥‥ということは、この前フローライトで見せてくれたのは水の派生じゃなかったのね。」

「はい。この雷の精霊ヴォルトの力を借りてたんです。ってそういえば、ヴォルトはあの時どこにいたの?」


《ん?ルリがさっきまでいた山にいたぞ?》


「あ。だから分からなかったんだ。」


《そういうことだ。》


「‥‥‥眼光鋭いけど、話しやすい精霊なのね。雷の精霊って。」

「ふふっ。そうですね。で、ヴォルトはまだここにいる?」


《ああ。気まぐれで山とここを行き来してるから、勝手に帰る。俺のことはほっといていいぞ。》


「‥‥オリジンみたい。」


《まあ‥‥否定はしない。というか、精霊はみんな基本的に自由に行動してるぞ?》


「みたいだね。じゃあ、私は父様達のところに行くからまたね。」


《おう。》


そしてヴォルトの手を離して、姉様と二人で父様の執務室へと向かった。

ノックをして、入室の許可を得てから中に入ると何故か母様までいた。

普段、あまり政務に口を出さないので母様は滅多にここに来ない。


「あれ?母様、珍しいですね。」

「ふふっ。ちょっと暇だったから話に来てたのよ。ルリ達はどうしたの?」

「先程、御神木のある裏山に登ってきまして。ちょっと報告しておこうかと思いまして。」

「「報告?」」

「私はルリについて来ただけです。」


そして再び上位精霊の話や、私が空を飛べる様になったことを話すと。


「「‥‥‥。」」


恐らく情報を頭の中で整理している‥‥と思う。


「なるほど‥‥いきなり空を飛んで行かれたら混乱するところだな‥‥。」

「だと思いまして、先にお伝えに参りました。騎士達は空から戻ってきた私を見てますし、上位精霊の話もしてきたので問題ないと思います。」

「そうか。確かに先に聞けて助かった‥‥しかし、すごいな。ルリ。精霊に名前を付けるとは。」

「そうですか?」

「ああ。」

「あ。ちなみにラズライトの方にも行きまして、リヒトや伯父様、伯母様にも空を飛べるのと上位精霊の話はしてきました。あとはフローライトですね。ですが、ちょっと飛び回ったので後日にしようと思います。」

「そうか。フローライトの方はまあ、急ぐ必要もないだろうからそれでいいだろ。」

「はい。では、これ以上お二人の邪魔をするつもりはないのでさっさと出ますね。失礼します。」

「「!!」」

「じゃ、邪魔じゃないわよ!?」

「そうだぞ!?」

「ふふっ。いいんですよ。お話は終わりましたし。行きましょう?姉様。」

「ふふっ。そうね。」

と言いながら姉様と二人でニヤニヤしながら執務室を出る時に聞こえたのは、


「「邪魔じゃないって~!」」

と言う両親の声だった。



数日後。

レッスンとかが一切ない、休みの日の午後。

私はゲートで再び裏山に来た。


《あら?ルリだわ。》

《お。ルリ、どうした?》

《私にご用なんじゃないですか?ルリ様。》


「うん。ラウムに気配を探知するやり方を教えてもらおうと思って。いいかな?」


《あ。そういえばそんな事言ってたな。》

《やっぱり。構いませんよ。では、ルリ様。ここでは練習になりませんので、城に戻りましょうか。》


「え?そうなの?分かった。」


ということで再びゲートで城に戻ってきた私達は中庭に移動した。


《さて、ルリ様。気配を探知するにあたってまずは、誰か特定の人を探すことから練習してみましょうか。》


「うん。近くにいる筈の人がいいんだよね?」


《ええ。最初は一人。そこから人数を増やして、慣れたら広域に範囲を広げて色々探っていきましょうか。慣れれば先日申し上げた様に、魔素溜まりも発見できる様になるかと。》


「うん。頑張る。どうしたらいい?」


《まずは誰を探しますか?》


「イリスかな。多分訓練中だろうから正解かも分かるし。」


《そうですね。では、この城の敷地を一つの空間に入れたつもりで、その中から一人を探すイメージでやってみてください。》


「うん。‥‥‥‥ー探知の標を我が身に宿せ【サーチ】ー」


えっと‥‥イリスの気配とかまだ分からないから、ヴォルトの力を追ってみるかな。


「‥‥‥‥ラウム。イリスの気配は分からないからヴォルトを探ってみたんだけど、この何かの塊にある点がイリスかな?場所的に訓練場みたいだし。」


《ええ。それなら正解かと。ちなみにヴォルトとは?》


「あ、雷の精霊の名前。」


《ああ。なるほど。なら間違いなく正解です。塊は人が密集しているからでしょう。》


「やった!次は人数を増やすんだっけ?」


《ええ。イリス殿はヴォルトという分かりやすい目標がありましたが、他の方はそうはいきません。頑張ってください。》


「うん。ちなみにラウム。私は探しやすいと思うけど、父様達とかはどんな風に場所を特定してるの?」


《えっと‥‥説明が難しいですが‥‥まず、確かにルリ様は一番分かりやすいです。私の力を含め、全ての大精霊の力をその身に宿しているのはルリ様だけですから。他の方は一度、お見かけしたらその方特有の性質?と言えばいいんでしょうか?があるのでそれで探せます。》


「えっと‥‥力に個性があるとか?」


《そんな感じです。》


「へ~。‥‥って、また感覚かぁ。」


《です。他の精霊がどうかは知りませんが、私はそんな感じで探ってます。ちなみにルリ様が誘拐された時はフローライト国内を範囲に、ルリ様の力を探りました。》


「で、フローライトのその場所にいるっていうのが分かったと。」


《はい。》


「へ~!」


《‥‥‥ルリ様の場合は特定の個人を探すより、広域をみてサーチの中でどれがどんな反応を見せるかを覚えて頂いた方が早いかもしれませんね。》


「今みたいに城の敷地内を範囲にどれぐらいの人がいるかとか?」


《ええ。その中でこの反応は父君だなとか確認した方が分かりやすいかなと。》


「あ。確かに。ついでに徐々に歩きながらに変えたら集中力も鍛えられそうだよね。」


《いいですね。危ない様でしたら私がお声掛けすればいいんですしね。》


「それはラウムの気が向いたらでいいからこれからも様子見でお願いしていい?私も毎日訓練できる訳じゃないし。」


《勿論ですよ。》


「ありがとう。よし。今日はもう少しやってみる。」


《はい。お付き合い致しますよ。》


「ありがとう。」


そして私の訓練はまた一つ増えた。

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