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私、産まれ故郷ではチートでした。  作者: 霜月満月
第四章 精霊術と破魔の力
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76話 その後

魔素溜まりに到着し、ルリが放った破魔の力による光の一撃。それが森全体へと範囲を広げて魔物と魔素溜まりを消していく‥‥


《ルリ。もう終わっていいぞ。》


「もう魔素溜まり、消えた?」


《ああ。魔物達も消えてる。成功だ。よくやったな、ルリ。》


「!!‥‥うん。」


そして破魔の力の行使を止めて光が消えると、ルリは力が抜けた様にフラッと倒れた。


「ルリ!!」『姫様!!』


咄嗟に側にいたルクスがルリの体を支えた為、地面に体を打ち付けることはなかったが、ルリに呼び掛けても返事がない。

辺りに焦る空気が漂うが、当のルリは力を使って疲れているだけだ。

オリジンはその場にいる者達に伝えようにも、自分の姿を見て会話できるのは当のルリだけ。どうしたもんかと思っていると、ルリが目を開けた。


《ルリ。力を使って疲れてるだけだから大丈夫だと伝えてやれ。》


「うん。‥‥‥殿下、イリス。皆さん。力を使って疲れてるだけなので大丈夫です。ただ、動けないので運んで頂ければと‥‥。」


ルリがそう言うと、周囲の者達に安堵の空気が流れた。


《ルリ。ゆっくり休めよ。俺は帰るな。》


「うん。分かった。またね、オリジン。」


《おう。》

そう軽く返事してオリジンは消えた。


「オリジンは帰ったのか?」

「はい。自由な精霊ですからね。」

「そうか。」

「殿下。申し訳ありませんが、姫様を運ぶのをお任せしてよろしいでしょうか?」

「え!?」

「え?我々の誰かが姫様を抱えると、お守りし辛いですので。」

「あ、ああ。そうだな‥‥そうだよな。うん。」

「殿下‥‥?」

私が腕の中からジトンとした目を向けると。


「‥‥‥大丈夫だ。抱えきれるぞ?俺はそんな貧弱じゃないからな。」

「ほう‥‥?それは私が重いと思ってるってことですか?」

「いやいや!‥‥そんな訳ないだろ!」

「‥‥わっ!」

といきなり横抱きに抱えあげられた。


「‥‥‥軽すぎないか?ルリ。」

「‥‥‥本当にそう思ってます?」

「‥‥‥思ってるが、さっきはこうすると顔が近くなるから恥ずかしいなって思っただけだ。」

「なっ!‥‥‥私が恥ずかしくなるじゃないですか‥‥。」

「とりあえず、俺がこのまま運んでやるから大人しくしててくれ。」

「‥‥‥はい。」

「ふふっ。では、参りましょうか。」

「ああ。」「うん‥‥。」


そしてルクス達が来た道を戻っていると、ルリがルクスの腕の中でいつの間にか眠っていた。


「‥‥‥大人しくなったと思ったら‥‥。」

「ええ。」


ルリの寝顔を見てほっこりした一同だった。


‥‥‥‥‥のだが。


ルリのお陰でその後、魔物に会うこともなく安全に森を出ることができた。最初はルクスの腕の中で眠るルリに周囲が焦ったが、「疲れただけだそうだから、直に目覚める筈だ」と言うと、周囲も安堵した。

しかし森を出ても、城に着いても一向にルリは目覚めなかった。


そして公王の執務室に二国の王とルクスが集まって話していた。


「どうなってる?ルリは何故目覚めないんだろうか?」

「私にもそれは‥‥ルリ本人が疲れただけだと言っていただけなので‥‥。」

「‥‥‥オリジンに聞くことができればいいが、話せるのは当のルリだけ‥‥。ルリが起きるのを待つしかないのか‥‥。」

「申し訳ありません。陛下。」

「ルクスが謝ることではない。運んでくれたし、ありがとな。ルクス。」

「いえ。当然のことです。ルリは本来、客人にも関わらず当たり前の様に民を助けてくれたのですから。」

「その結果が今です。3日(・・)‥‥このまま起きなかったらと思うと‥‥」


と、そこへ扉をノックする音が。


「誰だ?」

「私です!ユリです。」

「入っていいぞ。」


そしてユリが入ってくるなり、


「父様!陛下!ルリが目覚めました!」

「本当か!?」

「はい。今はイリスがついてますが、先程。ルリが父様達を呼んでます。」

「達?」

「はい。王家全員です。公王陛下とルクスも。」

「分かった。」


そして全員でルリが泊まる客室に急ぐと。


「あ。父様、陛下、ルクス殿下。ご心配をお掛けしました。申し訳ありません。」

とルリはベッドの上にいるものの、上半身を起こして座っており、そのままペコッと頭を下げた。


「ルリ‥‥起きて平気なのか?」

「はい。父様。私の中にある破魔の力を使いすぎただけなので大丈夫です。体力と破魔の力の回復の為に眠っていただけですから。まさか3日も眠っていたとは自分でも驚きですが。」

「そうか‥‥‥。」

「ルクス殿下。運んで頂いてありがとうございました。」

「いや。当然だ。むしろこちらこそありがとな。」

「ふふっ。いえ。民を助けるのも、守るのも王族の務め。国は関係ありません。巫女である私は尚更。それに今回のことは私にしかできないことでしたから。‥‥ですから陛下、そんな顔なさらないで下さい。」

「あ、ああ‥‥。」

と返事してくれたが、公王陛下は物凄く申し訳なさそうな顔のままだ。


「‥‥‥公王陛下、伺ってもよろしいでしょうか?」

「?‥‥なんだ?」

「私とルクス殿下を誘拐した人達はどうするおつもりですか?」

「ルリが自分が戻るまで勝手に断罪するなと言ったと聞いて、保留のままだが?」

「陛下ご自身ではどうするおつもりでいらっしゃいますか?」

「それは‥‥公子と王女を誘拐したんだ。それなりの刑に処するつもりだが。」

「そうですか‥‥‥陛下、ルクス殿下。私の我が儘を聞いて頂けますか?」

「なんだ?」「?」

「誘拐犯全員、無罪放免でお願いします。」

『はあ!?』


この場に揃ったセピオライトの王族、フローライトの公族、二国の団長・副団長。全員の声が揃った瞬間だった。

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