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私、産まれ故郷ではチートでした。  作者: 霜月満月
第四章 精霊術と破魔の力
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75話 破魔の力の本領発揮

さて私達は、魔素溜まりのある森へと向かっている訳ですが、現地の領民に聞かずとも場所は分かる為、道案内なしで森へと向かってます。


「ところで、ルリ。腰の剣はどうしたんだ?」

元子爵家の屋敷を出る前に装備していた剣のことだ。


「え?異空間収納に入れていた私の剣ですよ?」

「‥‥‥。」

殿下が無言でイリス達を見た。「ほんとにルリの剣なのか?」って意味だろう。


「事実ですよ。更に申し上げますと、近衛ではないですが、騎士達の訓練に姫様は混ざってます。」

「そ、そうか。ルリ、魔物を倒した経験は?」

「ありますよ。セピオライトに帰ってくる旅の間にちょこちょこ倒してました。その間、リヒトに剣術を教わってましたね。」

「‥‥‥勇敢な姫だな。ルリは。」

「そうですか?‥‥旅の間は自分が一国の王女だなんて知らなかったですから。リヒトの足手纏いになるのが嫌だったので、頼み込んで教えてもらいました。」

「そうか。」

「はい。なので普通に戦力に入れて構いませんよ?」

「駄目です。姫様。姫様には姫様でないとできないことがある筈です。それまでは我々でお守り致します。」

「え~。イリス~フローライトに着く前の時は戦わせてくれたのに~!」

「だ・め・で・す!」

「むぅ~。」

《そうだぞ?ルリ。体力を温存しとけ。腰の剣は非常用ぐらいに思え。》


「オリジンまで言うか!」

『え?』


《おう。言うぞ。もうすぐ森だ。中に入ったらすぐに魔物がいる。気をつけろよ。目的地は更に奥なんだからな。奥に進む程魔物の数は増える。さっき言ったセピオライトから出た時に現れた魔物の集団、あれぐらいのが待ち構えてる。場合によっては破魔の力を何回も使う羽目になるぞ。》


「え!?そんなことになってるの!?‥‥‥昨日、そのまま突っ込まなくて正解だったんだ‥‥。」


《そういうことだ。》


「えっと、姫様。オリジンは何と‥‥?」


今の会話を伝えると。


『‥‥‥。』

「‥‥‥どうやらその通りみたいだな。」

と言ったルクスの視線の先には森の入り口。そこには魔物がいた。今にも出てきて襲い掛かろうとしてそうだ。


「‥‥‥オリジン。この領地の人達や、ここを守る騎士達の為にも目の前の一団を消しておいた方がいいよね?」


《ああ。ルリ達が通りやすくもなるしな。だが、ほどほどにな。あとでまだ使わないといけないんだからな。》


「うん。勿論。‥‥殿下。騎士達。まずは私が目の前の魔物達を消します。その後、すぐに分かれて進みますよ。」

「ああ。分かった。残る騎士達はラウルの指示に従ってくれ。この地域の者達を頼むな。」

『は!』

「では、早速。ー我が身に宿りし、破魔の力よ。我らに害をなす彼の物達を討ち滅ぼせ!ー」


そして目の前の魔物の一団は光の中に消えていった。


『‥‥すごい‥‥。』


《ルリ。もう大丈夫だ。行くぞ。》


「うん。皆さん、行きますよ。」

「‥‥っ!あ、ああ!」

『は!』


そして森の中を歩くということで、ルリ、ルクスに加え、イリス、団長二人と数名の騎士達の少数精鋭で向かっていった。


「‥‥‥今更ながら殿下。殿下が残って指揮した方が良かったのではないですか?次期公王が危なくないですか?」

「確かに今更だな。そう言うルリだって次期ラズライト王妃だろ?‥‥それに本来、客人である筈のルリがフローライトの為に動いてくれるのに、公子たる俺が動かなかったら自分が許せない。ルリにもしもがあった時に側にいなくて守れなかったら特にな。」

「もしもは無いですよ。いざとなったらラウム呼びますから。すぐに逃げられますよ。しかも城に。」

「ははは!確かにそうだな!‥‥っと。おでましだ。」

話ながら進んでいると、再び魔物達の一団が現れたのだ。


「みたいですね。」

「姫様は動かないでくださいよ?」

「はいはい。分かったよ。」

「殿下もです。」

「え?俺もか?」

『当然です!』

「ぷっ。い、言われてますよ。殿下。しかもイリスにまで。」

「‥‥‥はぁ~‥‥とりあえず俺はルリを守ることに専念するから騎士達、頼む。」

『は!』


そして現れた魔物達を騎士達が順調に倒していった。

‥‥‥護衛の筈のイリスや団長達も参戦して。

なのでルリとルクスは「おいおい‥‥」と呆れ混じりにその様子を見ていた。


それを何度か繰り返し、段々暗くなる森を奥に進んだところで。


「うわ~‥‥すごいな‥‥これは‥‥。」


目の前に広がるのは明るい時間の筈なのに、夜の様な暗さ。ここに漂っているのは魔素による暗闇。その中に見える複数の魔物の光る目。


「オリジン。これが魔素溜まり?」


《ああ。まだ軽い方だがな。》


「これで軽いの!?」


《ああ。もっと濃くなると、ルリが言っていた例の魔素の塊ができるんだ。》


「‥‥‥ここをほっといたら塊ができてたかもしれない?」


《ああ。》


「うわ~‥‥‥良かった‥‥。」


《だな。‥‥ルリ。今度は思いっきりやっていいぞ。むしろやってくれ。》


「う、うん。分かった。」

「ルリ?」

「殿下。ここが目的地だったみたいです。オリジンが思いっきりやれと。」

「そ、そうか。なら、すまないが頼む。」

「はい。‥‥‥オリジン。魔物を消すのとやり方同じでいいの?」


《いや。魔素溜まりを消しつつ、魔物も消してくれ。違う詠唱がある。》


「‥‥‥簡単に言うね。相変わらず。」


《できるだろ?》


「‥‥‥‥はぁ~‥‥やってみる。」


《おう。》


魔素溜まりを消しつつ、魔物を消す。ね‥‥何が違うんだろ?

‥‥‥‥あ。魔物は元は普通の動物達か。なら。


「ー我が身に宿りし、破魔の力よ。この地に産まれし命に救済を。害するものに裁きの光を撃ち落とせ!ー」


そして魔素が作り出した暗闇に一筋の光が撃ち降ろされた。光は徐々に広がり、周辺を覆った。

そしてその光は魔素溜まりができていた場所だけではなく、ルリ達を超えて通ってきた道、果ては森全体を覆い、魔素溜まりだけではなく、魔物達も光の中に消えていった。


《さすがだな。ルリ。》


未だ破魔の力の行使に集中しているルリを見てオリジンは呟いていた。

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