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私、産まれ故郷ではチートでした。  作者: 霜月満月
第四章 精霊術と破魔の力
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73話 本領発揮?

ールリ。私を呼んで。力を貸してあげるわ。ー


「うん。ー光を司りし精霊アスカ。巫女ルリの名の元にその姿を現せー」

『え!?』

「‥‥アスカ。私、ここの人達を助けたいんだけど、できる?」

《ええ。私とルリなら。命があるなら傷は治せるわ。》

「じゃあ、どうやったらいいか教えて。」

《ええ。勿論。》


「あ、あの。ルクス殿下。」

「ん?ここの責任者か?」

「はい、そうです。一つお伺いしたいのですが、あの方はもしや‥‥」

「ああ。セピオライトの第二王女であるルリ姫だ。」

『え!?』

と建物内の全員が驚いていた。


「えっと‥‥姫様は一体何を?」

「ルリ姫は治癒が使える上に巫女だ。任せて大丈夫だろう。」

「え!?‥‥‥殿下がそう仰るなら‥‥。」


《ルリ。一人ずつ治癒していると、あなたが倒れてしまうかもしれないわ。だからこの部屋全体を範囲に治癒を掛けるわよ。》


「え?それで治せるの?怪我の具合、みんな違うよ?」


《大丈夫よ。傷を治すだけだから、治った人に掛かったままでも害はないもの。》


「そうなんだ‥‥。じゃあやる。」


《とりあえず、部屋の中央に移動してくれる?ルリを中心に術を使ってもらうから。》


「分かった。」

そして私が部屋の中央に移動すると。


《じゃあ落ち着いて‥‥私の力を感じる?》

と言いながらアスカの手が私の肩に触れた。


「‥‥うん。」


《じゃあ、詠唱できそう?》


「‥‥‥‥‥うん。やってみる。」


《頑張って。ルリ。》


「ありがとう、アスカ。‥‥ーこの地に集いし光の眷属達よ、彼の者達に命の祝福を。【リザレクション】ー」


するとルリを中心に、部屋全体に広がる魔法陣が床に浮かび上がった。

そして魔法陣から光が溢れていくと‥‥


「え?傷が‥‥」


「足‥‥折れてた筈なのに‥‥痛みが‥‥?」


「んっ‥‥‥あれ?俺‥‥生きて‥‥?」

「あなた!!!」


とあちこちから様々な声が聞こえてきた。


「えっと、成功‥‥だよね?アスカ。」


《ええ。でももう少し頑張って。まだ治癒しきれてない人もいるから。》


「あ。う、うん。」

と再び魔法陣に意識を向けた。


やがて、部屋にいる全員の治癒が終わると。


《ルリ。もういいわよ。》


「え?あ、うん。」

と言って気を緩めた瞬間、ルリは一瞬フラッと倒れそうになったが、すぐに足に力を入れバランスを取ったため、なんとか倒れずに済んだ。

と、同時に床の魔法陣も消えた。


「ルリ!?」『姫様!!』

と入り口近くにまだいた、ルクス殿下を含めたみんなの声が聞こえた。


《ルリ、平気!?》


「うん。ちょっとフラッとしただけ。」


《じゃあ私は戻るけど、あまり無理せずちゃんと休むのよ?》


「うん。手伝ってくれてありがとう、アスカ。」


《ふふっ。いいのよ。またね、ルリ。》

そう言ってアスカはあっさり帰っていった。


そしてそこにイリスが近付いてきた。

「姫様!」

「イリス。」

「大丈夫ですか?」

「うん。ちょっとフラッとしただけ。一気に治療するの初めてだったから、体が驚いたのかも。」

「無理はしてないですか?」

「うん。」


「あ、あの。ルリ姫様。」

「はい?」

「私はここの責任者を任されている者です。ここにいる人達は近くの森から出てきた魔物達と戦って傷付いた者達でした。治療して頂き、感謝を申し上げます。」

『ありがとうございました!!!』

部屋にいた元怪我人の人達からも一斉にお礼がきた。


「!!‥‥‥はい。私はできることをしたまでです。‥‥今度は自分の役目を果たしに行ってきます。」

『え?』

「皆さんをこんな目に合わせた魔物達を、魔素を消してきます。これは私にしかできないことですから。」

『!!!』

「姫さん。まさかこのまますぐに行くつもりか?」

「はい。早くしないと夜になってしまい、危険です。そしたら行くのが明日になってしまいます。夜の間にまた魔物が襲ってきたら今度は死者が出るかもしれません。なのでなるべく早く行くべきです。」

「確かにルリの言う通りだが、既に夕方だ。帰る頃には夜になる。今から行くのは許可できない。」

「殿下!?」

「森に入るのは許可できないと、このまま帰るのは落ち着かないか?」

「はい。勿論。」

「なら、この辺のどこかで待機するか?」

「え?」

「許可しないと言ったのはこの国の公子として、ルリを危険だと分かってるのに行かせる訳にはいかないからだ。何故かは分かるな?」

「‥‥‥私は客人でセピオライトの第二王女だからですね。」

「そうだ。‥‥ルリ、ちゃんと冷静だな。」

「はい。」

「ルリ。私も本当なら今すぐにでも民の危険の目は摘んでおきたい。でも、そのためにルリに無茶させる訳にはいかない。だから明日、すぐに行こう。」

「!!!‥‥‥はい!」

「いい返事だ。‥‥‥という訳だが、良かったか?イリス、シュタル団長。」

「姫様の意志を無視できません。それに姫様が無茶しない様にして下さいましたから。」

「ええ。我々は姫様や殿下の指示に従います。」

「イリス。私もこの辺で待機していいってことだよね?」

「ええ。そうですよ。」

「やった!お頭さん。この辺に私達が休めそうな広さの建物あります?」

「王族を泊める程立派なやつなんてあるか!」

「いや、そんなことは気にしませんよ。寝る場所が確保できればいいんです。私は野営も経験してるので問題ありません。」

「‥‥‥見た目に寄らず、すげぇな‥‥姫さん。」

「で、どこかありません?‥‥‥あ、私達が捕まってた場所は?」

「ああ。あそこは空き家だから好きに使ってくれ。」

「なら、使わせてもらうか。」

「ところで、お頭さん。」

「なんだ?」

「魔素溜まりのところまでついてくるんですか?」

「いや、姫さん見てたら信用できる人ってのは分かったからな。見届けなくても何とかしてくれるんだろ?」

「はい。勿論。」

「なら、俺は大人しく牢屋で姫さん達を待ってることにするさ。」

「では、今度は私が連行に付き添います。途中でラウルに会うかもしれませんが、一旦城に戻り陛下への報告や泊まりの用意をして参ります。」

「頼むな。グロス団長。」

「は!‥‥シュタル団長とイリス殿はこのまま姫様の警護を。ついでにうちの殿下もお願いいたします。」

「ついでとは何だ!」

「ははは!これは失礼しました。では、行って参ります。」

と言って去っていった団長を見送っていたのだが‥‥


殿下を弄るの、家族だけじゃなかったんですね‥‥!


「「「ぷっ。」」」

「ルリ、シュタル団長、イリス‥‥。」

「す、すみません。耐えようとしたんですが‥‥。」

「「同じく‥‥。」」

「‥‥‥とりあえず、移動するぞ。」

「はい。」

と殿下と一緒に出ようとしたが、その前に。


「あ、皆さん。怪我は治しましたが、まだ安静に。流した血までは戻せてませんし、体力も消耗している筈ですので。」

『え?』

「分かりました。私の方でしっかり診ておきます。」

「お願いしますね。‥‥皆さん、お大事に。」

そう言ってルリは再び入り口に向かって歩き出した。


『‥‥‥。』

そしてあっさり出ていったルリ達の後ろ姿を呆然と見送る元怪我人達だった。

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