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私、産まれ故郷ではチートでした。  作者: 霜月満月
第四章 精霊術と破魔の力
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72話 頼まれたこと

犯人達があっさり投降した為、すんなり建物内に入ることができたイリス達は。


「あ、あれ?あっさり入れましたね。」

「だな‥‥どういうことだ?」

とイリスとルクスが話していると、先に突入していたフローライトの騎士が近付いてきた。


「殿下。どうやらルリ姫様がいらっしゃるのは地下の様です。それと、地上にいる犯人達は誰一人抵抗することなく投降しました。」

「「「「「え!?」」」」」

「と、とりあえずルリのところに行くぞ!」

『は!』


そしてセピオライト、フローライトの団長、副団長、ルクスと端から見るとすごい面子がルリの待つ地下へと向かった。


「‥‥‥どれだ?」


地下に来たはいいが、真ん中に伸びる廊下を挟んで左右に部屋がいくつもあった。なのでルクスのこの呟きが出たのである。


「えっと‥‥‥」

「あ、騎士さん。姫さんならここっすよ。」

と連行されながらあっさり教えてくれた犯人の一人。


『‥‥‥‥。』

「‥‥‥だ、そうです。殿下。」

「あ、ああ‥‥行くか。」

『はい‥‥。』


そしてさっきの犯人の一人が言った通り、そこにはルリと犯人一味の3人がいた。素早く犯人一味を騎士達が取り押さえるのを横目にイリスはまっすぐルリに近付き、思わず抱き締めた。


「ルリ姫様!!」

「イリス!」

「良かった‥‥姫様がご無事で‥‥。」

「うん。心配掛けてごめんね。イリス。」

「いえ。私がちょっとでも姫様から離れたばかりに‥‥申し訳ありません‥‥‥。」

「イリス。こうして無事だから謝らなくていいよ。それより、まだ手は拘束されたままだから解いてくれない?さっきから痛み始めてたんだ。」

「え?は、はい。」

そしてイリスが私の後ろに回り、拘束を解いてくれてる間に。


「ルクス殿下。団長達もありがとうございます。」

「いや。ルリのお陰ですんなりこれたからな。助けてもらったし、当然だ。だから感謝するのは私の方だ。」

「我々も当然のことをしたまでです。」

「そうですよ。」


《皆様がいらしたなら私はいなくても、もう大丈夫ですね。失礼します、ルリ様。》

「うん。ありがとう、ラウム。」

と、返事するとラウムは消えた。


『え?』

「ふふっ。犯人さん。分からなかったと思いますが、ずっと空間の精霊がいたんですよ。」

「「「‥‥‥。」」」

「私が動じなかったのはいざというとき、逃げようと思えば逃げられたからです。」

「‥‥‥殿下もその精霊の力で?」

「はい。そうですよ。」

「姫様。割り込みすみません。そろそろ連行しようと思いますが、よろしいでしょうか?」

「あ。いえ、騎士さん達。まだ連行しないでください。」

『え?』

「ルリ、どういうことだ?」

「犯人達は私に頼みたいことがあっただけだそうなので、頼みを聞くから投降してと申し上げたんです。なので、これから頼まれたことをしに行きます。」

『え?』


「姫様。解けましたよ。」

「ありがと、イリス。」

「いえ‥‥‥痛みますか?」

「うん。ちょっとね。足はなんともないけど‥‥手首に跡ついてるな‥‥‥あ。自分で治せたりするかな?」

「さ、さあ‥‥?」

「やってみる。」


と言って両手首にそれぞれ治癒を掛けると。


「お。治った。自分でも治せるんだ。新たな発見だ。それで、殿下は大丈夫でしたか?」

「へ?‥‥‥あ、ああ‥‥‥いや‥‥」

「どっちですか?」

「‥‥ちょっと痛むぐらいだ。」

「では診せてください。」


そして同じくルクスの手首や足の拘束跡を治すと。


「ん?皆さん、さっきからなんですか?」

『へ!?』

「なんかずっと視線を感じたんですが、気のせいですか?」

『はい!』

「?‥‥そうですか?」


ルリが治癒をしている間、呆気にとられてルリを見ていたその場の一同だった。


「そ、それより姫様。頼まれたというのは何ですか?」

「ん?この区域の近くにある森に行って、魔素や魔物達を消すの。魔素溜まりがあるんだよね?オリジン。」

『え!?』

《‥‥今回は分かったんだな。》

「分かったんじゃなくて、来そうだなって思っただけ。で、あるの?」

《ああ。ある。ちょっと奥の方に行ってもらうし、俺もついていくが気を付けろよ。》

「分かった。‥‥さて、初めての魔素溜まり調整。巫女の役目をやりに行きますか!イリス、ついてきてくれる?」

「勿論です。お望みとあらば、どこへでも。」

「ふふっ。ありがとう。‥‥殿下、森の奥の方に行かないとならないみたいなのですが、どうしますか?魔物達がその間、こちらに出てくる可能性もありますので、戦力の分担をした方がいいかと思いますが。」

「そうだな‥‥一先ず、犯人達を連行するのはいいか?」

「う~ん。実はもう一つ頼まれてるんですよね‥‥先にそっちやります?」

「姫さんの好きにしてくれ。頼みを聞いてもらえたらあとは大人しく従うからよ。」

「分かりました。えっと‥‥とりあえずお頭さんとお呼びしたらよろしいでしょうか?」

「ああ。なんでもいいさ。」

「では、お頭さん。案内してください。」

「おう。‥‥騎士達、俺とその細身のやつ以外は連行してくれて構わない。」

『え?』

「‥‥いいんだよな?ルリ。」

「はい。お二方以外は連れて行ってください。私が戻るまで勝手に罪に問わないで下さいね。」

「あ、ああ。」

「では私が犯人一味の連行に付き添いますので、団長や殿下は姫様達について差し上げてください。我々が戻ってくる前に森に入らないで下さいよ?」

「ああ。頼むなラウル。」

「は!‥‥ところで、姫様。我々は戻ってきた時にどちらに参ればよろしいでしょうか?」

「えっと、この辺からあまり動かないですよね?お頭さん。」

「おう。近所だ。」

「分かりました。ではまた後程。」


そう言ってラウルさんは騎士達と共に犯人一味を連行していった。


そして誘拐された建物から全員で出ると。


「やっと外だ~!」と思わず言ってしまった私。


そして既に夕方に近付いていた。


「やば!早く行かないと!お頭さん、どっちですか?」

「こっちだ。」


と言って案内された場所は、また別の建物だった。

そして中に入ると、そこには数多くのベッドが並べられていた。そしてそれと同じぐらい怪我人が多くいる、病院の様な場所だった。今も医師達が治療に走り回っていた。


「ひどい‥‥。」

「おい、どうなってる。私は何も聞いてないぞ!」

「私共の方にもこんな報告は上がってません。」

「そりゃそうだろうな。こうなったのは今日の昼頃だからな。」

『え?』

「私達が街を歩いてる時にはもう‥‥?」

「ああ‥‥。」

「だったら尚更何故すぐに言ってくださらないんですか!!!!」


目の前に怪我人がいるなら治す術がある私が動かないと。


でも、私は重傷者を治したことがない。


ールリ、私を呼んで。ー

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