65話 やっと!!
そして翌日の午後。
ルリは再び騎士団の訓練場にいた。
怪我しない様にしっかり柔軟をしてから剣術の腕試し。
相手はリアンが務めた。結果は。
「リアン。お前から見て、姫様の実力はどうだ?」
「‥‥‥‥正直、驚きました。お立場を考えなければ本当に3ヶ月、剣を握らなかったのが勿体なく思います。旅をしながら殿下に教わっていたというのも頷けます。」
「じゃあ、リアン。結果は‥‥‥?」
「姫様。姫様が怪我をなさらない様に見守らせて頂きます。」
「だ、団長!これ、リアンの許可も得られたってことですよね!?」
「はい。その様です。」
「団長も反対じゃないですか?」
「ええ。リアンと戦っているところを見ておりましたが、私も姫様が旅の間、剣術の訓練に真面目に取り組んでらしたことは分かりましたからね。」
「やった!!では、私は何からしますか?」
「まずは基礎鍛練ですね。今使った訓練用の剣ですら重く感じる様ですからね。」
「気付かれてましたか‥‥‥。」
「我々の方で姫様に無理のない程度に鍛練等、監修させて頂きますのでご安心ください。」
「ありがとうございます!よろしくお願いします。」
*****
2週間後。
ラズライトの王族一家の護衛を終えてセピオライトに帰ってきたイリス。
彼女が国王に報告を終え、あの大地が光輝いた時のことを聞くと、ルリが騎士団の訓練場にいる筈だからルリに聞いてくれと。
そして何故訓練場にいるのかを疑問に思いつつイリスが言われた通り、騎士団訓練場に着くとそこには目を疑う光景が広がっていた。
守るべき自国の第二王女が騎士達に混ざって訓練用の剣を振っていたからである。
「ルリ姫様!?」
「あ!イリスだ!おかえり。」
イリスが驚いて声をあげると、すぐに気付いたルリがいつも通りの笑顔で「おかえり」と。
これは一体どういうことだ。
団長‥‥‥いる。リアン‥‥‥もいる。
二人がいながら何故こうなった?
と一瞬で剣呑な雰囲気を漂わせたイリスは団長達に問いただすべく近付いていった。
*****
あ。やば。イリス、なんか怒ってる?
も、もしかして私が訓練に参加してるから?
もしかしなくてもそうだよね‥‥?
団長とリアンに剣呑な雰囲気を漂わせたまま近付いていくイリスを見て、まずいと思った私は。
「い、イリス!団長とリアンは悪くないから!私から頼んだのを渋々受けてくれただけだから!」
「‥‥‥‥‥え?」
あ。とりあえず、話は聞いてくれそう。
そう思った私は父様とした話や団長とリアンとした約束を二人は悪くないことを強調しつつ話した。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥分かりました。」
長かった!沈黙というか考える時間が。
「では、姫様は自ら望んで訓練に参加しているのですね?」
「うん。」
「分かりました。では、私も姫様を見守らせて頂くことにします。」
「うん。ありがとう。」
これでようやくイリスから剣呑な雰囲気が霧散し、ホッとした団長やリアン、騎士達であった。
「そういえば姫様。ラズライト王家の方々を護衛の途中で大地が光輝いた時がありましたが、あれはなんだったのですか?陛下が姫様に聞いてくれと仰ったのですが。」
「あれ?聞かずに帰ってきたんだ。父様がラズライトとフローライトにもお知らせしてくれたんだけど‥‥。」
「はい。聞いてないです‥‥‥。」
「ふふっ。そっか。実はね‥‥」
と父様に話したことと同じ様にイリスにも話した。
「‥‥‥‥‥すごいですね‥‥姫様。」
「そう?」
「はい。あ、遅くなりましたが。‥‥ルリ姫様、護衛任務を遂行致しまして、只今戻りました。」
「ふふっ。うん、ありがとう。ご苦労様でした、イリス。」
「はい!」
その後は真面目に訓練を再開した。
*****
そして1ヶ月後のとある日。
父様に呼ばれた私は執務室に向かった。
そして聞かされたことは。
「え?全員で行くんですか?」
「ああ。ルリはフローライトに行ったことがないから行きたいかなと思ってな。」
「はい!行ってみたいです!」
フローライトに家族全員で行こうかという話だ。
「じゃあ、将来の兄様にも会えるんですよね!?」
「ああ。勿論。」
「やった!!それで、いつ行くんですか?」
「3日後に出るよ。」
「‥‥‥随分急ですね。」
「調整してたらこの日からしかなかったんだ。」
「そうですか。国王がそう簡単に国を出たりできませんしね。」
「そういうことだ。」
という訳で私達がフローライトに向かうことが決まった。
3日後。
私は念の為にガリアさんからもらった細剣を異空間収納に入れて旅装に着替えた。
この1ヶ月の間にオリジンから改めて異空間収納のやり方と、魔素溜まりの探し方とかを教わっていたのである。魔素溜まりに関しては本当に見つけ方だけだ。
実際の魔素溜まりにはまだ遭遇していない。
「それじゃ、行ってくるね。マリー、クロエ、アンヌ。」
「はい!行ってらっしゃいませ!」
「お気をつけて。」
「姫様のお帰りをお待ちしております。」
「うん。」
そして私が城の入り口に行くと、既に父様達は揃っていた。その側でイリスをはじめ、騎士達が準備に追われている。
「父様、母様、姉様。お待たせしました!」
「お。来たか、ルリ。そろそろ出発するぞ。」
「はい!」
そして私達が馬車に乗り込むと、ゆっくりと出発した。
いざ、フローライトへ!




