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私、産まれ故郷ではチートでした。  作者: 霜月満月
第三章 決意とこれから
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64話 勇ましいお姫様

アスカが自分で戻っていったあと。


《じゃあ、ルリ。俺も戻るな。今のところ魔素溜まりもないし、あとはおいおい説明するな。》


「え?うん。分かった。」


《じゃあな。》


と言ってオリジンも消えた。


「ルリ、オリジン達?」

「はい。二人共帰っちゃいました。」

「あ。そうなのね。」

「最後、何を言われたんだ?」

「私はまだ知らないといけないことがあるので、おいおい説明してくれると。」

「そうか。‥‥‥さて、兄上達やフローライトの方にも今回のことを伝えておかないとな。」

「そうね。突然大地が光輝いたから驚いてるでしょうしね。」

「それはオリジンのせいですね。」

『え?』

「私の部屋に突然来て、ついて来てくれと言われて行ったら豊穣の祈りですからね。オリジンはいつも突然なんです。」

『‥‥‥‥。』

「えっと‥‥‥そのオリジンの要望に答えきれてるルリがすごいと思うよ?」

「そうですか?」

「「「うん。」」」

「えっと、とりあえず父様。お知らせ、お願いしますね。」

「ああ。後で詳しく教えてくれるか?」

「はい。‥‥あ、父様。もういいかなと思うので伺いたいことがあるのですが。」

「なんだ?」

「実はここに帰ってくる旅の間、リヒトや魔族の人達に剣術を教わったんです。折角教わったので騎士達に混ざって訓練を再開したいなと思うのですが、駄目でしょうか?」

『え!?』

「リヒトはともかく、魔族にも教わったのか?」

「はい。今の魔王陛下に会ったと申し上げたことがあったでしょう?あの時に陛下と共に護衛の方に教わったんです。しかも宰相様は剣をくださったんです。」

『え!?』

「そのお陰か、旅の途中から私は自分で魔物を倒したりできましたし。」

「そうなのか!?この3ヶ月勿体ないことしたな‥‥。再開していいぞ。ただし、無茶はするなよ。」

「そこはリアンと、帰ってきたらイリスも見ててくれますよ。」

「そうだな。リアン、頼むぞ。」

「え!?陛下、本気ですか?ルリ姫様が剣を取る必要はないでしょう?」

「確かにその必要はない。だが、折角の努力が無駄になるのは勿体ないだろ?それに、なにもお前達程まで鍛えろとは言ってない。魔物を倒せる程だったならそこまでの実力を維持させるに留めればいいだろ?」

「‥‥‥‥‥畏まりました。」

「納得いかない?リアン。」

「はい‥‥。」

「なら一定の期間を設けて、私が訓練についていけなかったらやめる。もしくは私の実力を示すでもいいけど、それならどう?」

「‥‥‥‥両方でも構いませんか?」

「ん?最初に今の実力見て、訓練内容決める?」

「はい。」

「いいよ。ただ、ここに帰ってきてから一度も剣を握ってないからそこは鑑みてよ?」

「はい。勿論です。‥‥‥お仕えさせて頂いてる身で我が儘を‥‥申し訳ありません。」

「ううん。当然の反応だと思うよ。むしろ父様があっさりお許しくださったから拍子抜けなぐらい。」

「そうか?」

「はい。‥‥あと私はまだ王女教育が残ってるから、真面目に訓練してる騎士達には失礼だけど、とりあえずその合間に訓練に参加させてもらうね。」

「はい。畏まりました。あと、失礼ではありませんよ。姫様が関心を持ってくれただけで嬉しく思います。」

「じゃあ明日は夕方前までお稽古で埋まってるから、それが終わったあとで訓練場に行っていい?団長にも他の騎士達にも自分で話したいから。」

「はい。勿論です。お迎えに参りますか?」

「城の敷地内だから大丈夫だよ。」

「畏まりました。」


「ふふっ。ルリは勇ましいお姫様ね~。」

「ふふっ。そうですね。」

「そうですか?‥‥あ、父様。お仕事中でしたよね?」

「まあな。」

「すみません!長々と居座ってしまって。失礼しますね。」

「ああ。」

「あら。そういえばそうね。私も失礼しますね、あなた。」

「私も。失礼しますね、父様。」

「ああ。‥‥あ、リアン。」

「はい。なんでしょうか?」


と、ここで国王とリアンの2人以外の女性陣3人共執務室から出ていった。


「ルリがすまんな。」

「いえ。先程も申し上げましたが、私としては嬉しいですから。ただ、立場上反対もしないとなりませんからね。」

「そうだな。頼むな、リアン。」

「は!」


そしてリアンも「失礼します。」と言って退室していった。


「本当に我が娘ながら勇ましい限りだな。」


と国王は一人呟き、仕事に戻るのであった。


そしてその日の夕食後。

ルリは豊穣の祈りのことを簡潔に説明した。

御神木のある山に精霊達がいることを含めて。



翌日の夕方。

ルリは宣言通り騎士団の訓練場に来ていた。


「‥‥‥本当にいらしたんですね。姫様。」

「勿論!自分で言い出したんだから!」

「それで、ルリ姫様。我々がリアンから聞いたのは姫様から話があるとだけだったのですが、なんでしょうか?」

「団長。簡潔に申し上げますと、私も訓練に参加させてほしいということです。」

『え!?』

「‥‥‥‥リアン?」

「えっと‥‥陛下があっさり許可してしまいまして‥‥。」

「‥‥‥‥。」

「団長。リアンを責めないでくださいね。ちゃんと私のために反対してくれましたから。」

「反対して当然です。それでもリアンを納得させてこうしてお越しくださったことを説明して頂けるのですか?」

「勿論です。」


そして父様との会話を話すと。


『‥‥‥‥。』

「‥‥‥‥姫様。本当に魔物を?」

「はい。さすがに一体ずつですが、倒してました。リヒトの足手纏いがいやだったんです。」

「‥‥‥分かりました。陛下がお認めになっているなら私ももう何も申しません。ですが、リアンとの約束は守って頂きます。」

「はい。勿論です。あと、訓練をしながら徐々に皆さんのご要望に答えていける様に、そっちも努力します。」

『え?』

「えっと‥‥‥敬語を使わなくていいよってやつです。この間、仰ってたでしょう?」

「ああ!‥‥それは嬉しいですね。ありがとうございます。姫様。」

「いえ。皆様、改めてよろしくお願いします。」

『はい!』

「一先ず、姫様の実力をお見せ頂くのは明日以降にしましょうか。」

「はい。今日はそう言われると思って説明だけしにきましたので、自室に戻りますね。」

『はい。』

「では、失礼します。」


とルリが去ったあと。


「姫様はすごいことをお考えになるな。」

「ええ。我々、騎士団の最高峰である近衛の訓練に参加したいとは‥‥。」

「だな。」

「いやいや!団長、副団長も。いきなり近衛の訓練に参加する訳ないですよ!」

「そうですよ!姫様もご自身の実力は分かってらっしゃる筈ですから、いきなり近衛の訓練に参加するつもりではない筈ですよ!」

「「あ。」」

「それもそうか。」

「ですね。」


団長と副団長が揃って珍しく天然を炸裂させていた。

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