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私、産まれ故郷ではチートでした。  作者: 霜月満月
第三章 決意とこれから
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51話 歴史

オリジンに歴史を教えてもらっているのだが。


「‥‥‥えっと、それは魔族も元を辿れば人間で、使ってた術も魔術じゃなくて精霊術ってこと?」


《そうなる。その後も続いて長寿であり、魔術を使ってる点でいうと、もう呪いは関係なく別の種族として受け継がれてしまったんだろう。》


「へ~。で、結局は元を辿れば人間なら私達もある意味人間だよね?」


《ああ。》


「でも魔族として別の種族を作り上げた人達の血も受け継いでると。その魔族も元を辿れば精霊術を使っていた人達‥‥‥魔術と精霊術ってやっぱり似てるよね。魔素も発生してるのは自然の中でだし、精霊術を使うのも自然にあるものだし。両方共自然の中のもの。種類が違うだけ。魔族は魔素に順応して、人間達はそのまま自然にあるもの。で、私達は両方を無意識に取り込んで多分精霊術を主に使ってる。この認識で合ってる?」


《ああ。ルリ達は魔素が無くても平気なんだが、この大陸にも魔族から一部、移り住んでるのもいるからそいつらの為に魔素を残してるんだ。魔族はもう魔素で魔術を使うしかできないからな。》


「じゃあやっぱり私達が主に使ってるのは精霊術なんだね。」


《ああ。そうなる。で、次は俺達が向こうの大陸の奴らを見捨てた理由だな。》


「うん。」



西側の奴らが魔族を名乗り、建国した後。

東側でも人間達の暮らしは豊かになりつつあったことからこちらも建国し、国名はアンスロスとした。

そして精霊に頼らずとも生活に困ることはなくなってきていた。

その為、徐々に精霊達と契約する者達が減っていき、堂々と精霊術を使う者も減っていた。

そしてオリジンの契約者もまた視認して話せる者。後継者がいなくなってきていた。


この大陸。現在のシュハイト大陸で最後のオリジンの契約者は女性だった。最初にオリジンと契約した者の末裔。その女性は精霊達の居場所がなくなりつつある現状を憂いて、志を同じくする者達を束ねて西へと向かった。

国境付近にいる魔族の中にも現状を憂いている者達がいると知ったからだ。

そして国境付近に到着した時、そこには魔族と人間とその間に産まれた者達が村を作って生活していた。

だが、両方の国から蔑まれていた為生活環境は最悪だった。

だからこそこの環境から出ないかと。南下して海の向こうを目指してみないかと提案してみた。海の向こうに何かあるという確信はなかった。だが、このままここで怯えながら生活するよりマシだと賛同する者は多かった。


そして村を捨て、大陸を南下し海を渡った。

しばらく海の上を漂っていると、陸地が見えた。それが現在セピオライト、ラズライト、フローライトの三国がある大陸。後にエヴァンジル大陸と呼ばれる大陸だった。


この大陸に渡った誰もが歓喜した。もう怯えて暮らす必要がない。魔素も何故かあるし、精霊達も一緒だ。協力し合っていけると。

そして大陸を進み、中央に着くと一際高い山があった。

そこで建国しようということになり、早速動き出した。


そして一先ず生活が安定する様になってきた頃、言われ始めたのが。

シャドウとクロノスは復活するならいつ、どこでだ?

この質問は原初の精霊であるオリジンに向けられたものだった。

シャドウとクロノスだけではない。他の精霊達も力尽きて消えることが何度かあった。だが、その度に復活していた。ただその復活の時期や場所はまちまちで正確に特定するのは難しかった。それはオリジンであろうと同じだ。

それでも人々は聞かずにはいられなかった。シャドウとクロノスが消えてから大分経つのに復活していないからだ。そしてその二体の精霊は魔族という別の種族を作り上げてしまった原因の一つ。なんなら自分達で見守った方がいいんじゃないかと。

またよからぬ者と契約して世界に影響を与えるのはやめてほしいからと。

その意見は誰もが思っていた共通認識だった。


そこでオリジンは自らの力を使って道標を作った。

ここに復活してくれという合図の光。

そしてしばらくの年月が経った頃。その道標の光からシャドウとクロノスが産まれた。復活したのである。

これでもう世界に妙な影響を与えることもないだろうとは思うが、見守る存在はいた方がいいだろうということになった。


そしてオリジンの契約者としてエヴァンジル大陸に渡った女性の娘。この娘も母親の意志を継ぎ、オリジンと契約を交わしていた。

そして見守る立場の者。巫女という立場になったのは彼女だった。彼女はオリジン以外の精霊達からも愛されていた為、他に適任者がいない程の精霊術の使い手だった。そしてこれが初代巫女誕生の瞬間だった。


《ここから先は知ってるな?》


「うん。ちなみに私が聞いた歴史では、オリジンの契約者が精霊術と言わず、法術って言い始めたってなってたけど、本当?」


《ん?‥‥‥あ~。あれか、精霊と契約してるやつが減りだした辺りでそんなことを言っていた様な‥‥言ってなかった様な‥‥?》


「忘れた?」


《ああ。特に気にしてなかったからな。俺達精霊が向こうの大陸からこっちに移動したのはまあ、見捨てたのも確かだが、一番は契約者についてきただけだ。呼び方とかどうでもいい。》


「そっか。」


《それより、一気に話したが大丈夫か?》


「う~ん。正直少し混乱してるから整理する時間がほしいかな。」


《おう。基本ここにいるからいつでも来ていいぞ。》


「うん。じゃあ、今日のところは帰るね。また来る。」


《ああ。》


そしてルリが大聖堂から出てくると、そこにはイリスが待っていた。

実はここまで護衛としてイリスがついてきてくれていた。


「イリス。お待たせ。」

「いえ。話せましたか?」

「うん。色々聞いたからちょっと混乱してる。だから今日は切りのいいところで聞くの止めて帰ることにした。」

「そうでしたか。では、参りましょうか。」

「うん。」


そして城に戻ったルリはその夜、疲れからかすんなり眠りに落ちた。

一先ず歴史語り終了です。

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