43話 ある意味最強なお姫様
翌朝。
目が覚めた時には私は自分の部屋のベッドで寝ていた。
そして体を起こしてゆっくり昨夜のことを思い出し‥‥
‥‥‥‥あの後の記憶がないってことはリヒトが部屋まで運んでくれたんだよね‥‥?
‥‥‥‥ああ‥‥お酒恐い‥‥どんな顔して父様達に会えばいいんだろ‥‥
リヒトが一番気まずい‥‥‥思い出すだけで恥ずかし過ぎる‥‥
と考えていると、マリー達が部屋に入ってきた。
「あら?姫様、もうお目覚めだったのですね。勝手に入ってしまい申し訳ありません。」
「ううん。マリー達ならいいよ。‥‥ちなみにリヒトが私を部屋に運んでくれたんだよね?」
「はい。そうですよ。ここまで運んで下さって、私達に「あとはお願いしますね。」と言って出ていかれました。」
「やっぱりか‥‥‥マリー‥‥お酒って恐いね‥‥。」
「ふふっ。そうですね。」
「姫様、お身体大丈夫ですか?」
「うん。結局一杯しか飲んでないしね。なんともないよ。」
「それは良かったです。では、朝食の時間になりますので着替えましょうか。姫様。」
「‥‥‥‥気まずい‥‥‥。」
「大丈夫ですわ。昨夜の姫様はいつにも増して可愛らしかっただけでしたから。」
「一番はリヒトが気まずいんだよ‥‥‥。」
と、話ながらも一応着替え終わっていた。
ちなみにドレスではない。
王女だからって毎日ドレスなんて疲れるからやだとマリー達に言ってみたら、姉様もその類いらしく問題ないと。
でもそれなりの格好はしないといけないけど。
それでも素晴らしい限りだ!
コンコン
「出てくれる?クロエ。」
「はい。」
ガチャ
「おはよう。ルリ。」
「!!!」
気まずいって言っていた本人のリヒトが来てしまった。
「ルリ?」
「お、おはよう‥‥‥。」
「なんでこっち見ないんだ?」
「姫様は昨夜のことを覚えてらっしゃるので、気まずいそうですよ。」
「あ、アンヌ!」
「へぇ~。覚えてるのか~。」
「な、なんでそんなに嬉しそうなの?」
「ルリに「大好き」って言われたからな。嬉しいに決まってるだろ?」
「あ。私も聞きました。あの時の姫様は今迄で一番可愛らしかったですわ~。」
「ま、マリー!?‥‥‥‥二人共、恥ずかしいからもう勘弁してください‥‥‥。」
「はは!分かった。ルリ、用意ができてるなら食堂行こうか。」
「う‥‥‥うん。」
「どうした?」
「お姉ちゃんって言っちゃった‥‥‥敬語もなくなってた‥‥。」
「むしろそっちの方が喜びそうな気がするぞ?」
そして二人で食堂に行くと既に全員集まっていて、
「うん。気にしないよ?でも立場上私達二人共公衆の面前では駄目だからね?‥‥‥二人だけの時なら確かに昨日みたいな話し方の方が嬉しいかな。」
「ほらな。」
「‥‥‥‥本当だね。」
「二人共、突っ立ってないで座ったらどうだ?」
「「はい。」」
そして私達も席に着き、朝食を食べ終わった後。
「で、ルリ。昨日の疑問はもういいの?」
「あ。いえ、聞きたいです。」
「ん?なんだ?」
「父様。ルリはラフィネ様が敵わないと言った意味が分からないそうですよ?」
「そうなのか?」
「はい。どう見てもラフィネ様の方が淑女でしょう?初対面で敵わないと言われても分からないですよ。」
「あ、そう考えてたのね。」
「ふふっ。ルリ、あの時のあなたは立派な王女だったのよ。」
「え?繕えてたんですか?私。」
「繕えてたって‥‥。」
「普段の私に王女らしさなんてないでしょう?」
『‥‥‥。』
『これは意識改善からなのか‥‥?』
※全員の心の声(ルリ以外。)
「?」
「ルリ。教育を受けて、色々な知識と立ち居振舞いなどを学んでるだろ?」
「はい。父様。」
「その成果は出始めてるんだよ。普段からな。」
「つまり?」
「つまり、少しずつだが王女らしい淑女になってきてるんだよ。」
「‥‥‥‥え?」
「この2ヶ月弱でルリが思っている以上に周囲のルリを見る目は変わってるんだよ。」
「昨日はその成果がちゃんと出ていて、ルリの努力を感じたからラフィネ様は敵わないって言ったんだと思うわよ?しかもリヒトのルリを見る目が明らかに他と違うしね。」
「「え?」」
「リヒト‥‥‥自覚してなかったの?」
「はい‥‥。」
「ふふっ。リヒトはルリしか見てないからね。」
「「‥‥‥。」」
やっぱり気まずくなった!
「ふふっ。そういう訳よ。ルリ。」
「‥‥‥‥納得するのも恥ずかしいのですが‥‥。」
「じゃあ仕事始めるか~。」
「父様?」
「な、なんだ?」
「なんだ?じゃありません。私の疑問はもう一つありましたよね?」
「‥‥‥。」
「フローライト公国の方々のことはいつ話して頂けるんでしょう?話辛いことというのは時間を置くと、"更に"、"どんどん"、話辛さは増すものですよ?父様。」
『‥‥‥‥。』
また全員だんまりだ。
「‥‥‥そうですか。話して頂けないなら私はオリジンに会いに行きますね。多分大聖堂にいるでしょうし。」
「え?なんでだ?」
「ん?オリジンなら扉の場所も知ってそうだから聞いて、日本に帰ろうかなと思って。」
『え!?』
「父様。王女に戻っても日本に行っていいと仰いましたよね?なら止めませんよね?日本から帰ってくるかは保証しかねますが。」
「いや確かに行っていいと言ったが、帰ってこないのは困る!」
「私がいなくなると困るのですか?」
『勿論!』
「では何故隠し事が存在するんですか?」
私がジトッと父様を睨むと、遂に観念した様で。
「‥‥‥確かにルリの言った通りだな。後で時間ができたら呼ぶから来てくれるか?」
「はい。はぁ~やっと話して頂けるんですね。ちなみに扉のある場所は王族のみが知ってるんでしょうか?」
「ああ。三国の王族のみに伝えられている。」
「ではやっぱり扉の場所を知ってる自分達が話さなければ私が本気で帰るなんてできないと判断してましたね、皆さん。まあ、帰れなくても旅して優人さんに匿ってもらうっていう手もありますけどね。」
「ルリ。ゆうとって誰?」
「今の魔王陛下ですよ。姉様。」
『え!?』
リヒト以外の全員の声。
「あ~。その手もあったか‥‥‥。」
「ふふっ。でも、こうは言いましたがちゃんと話して頂けるなら私はどこにも逃げませんよ。やるべきことがありますから。」
『(ホッ)』
「明らかにホッとしすぎですよ?それによっぽどのことがない限り私がリヒトを置いて消えるなんてしませんよ。」
「よっぽどのことがあったら置いてかれるのか?俺。」
「かもね。」
「本気で生きていけないからやめてくれ‥‥‥。」
「じゃあよっぽどを作らないでね。皆さんも。」
『はい‥‥‥。』
何度も秘密作られてその度に聞き出すの面倒くさいんだもん!




