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私、産まれ故郷ではチートでした。  作者: 霜月満月
第三章 決意とこれから
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39話 洗礼後

ルリが突然気を失った。


リヒトはルリを横抱きにして顔を覗き込むが、その目は閉じられたままだった。

やがて、二人の家族も集まってきた。


『ルリ!?』

「リヒト君、ルリは!?」

「気を失っただけだと思います。」

「確かに力が暴走してる様ではないな。」


そこでようやく、安堵の空気が流れる。


「リヒト君。服が所々切れて血がついてるけど、怪我したの?」

「はい。ルリの体から溢れていた力に攻撃性があった様です。でも当のルリが治してくれたので大丈夫ですよ。」

『え!?』

「え?もう、そんなにあっさり魔法使える様になったの?」

「治癒魔法は初めて使った訳ではないので、恐らく感覚で使ったのではないかと思います。」

『‥‥‥。』

「と、とりあえず部屋に運んで念のために医師に診てもらおう。」

『はい。』


そしてそのままリヒトがルリの部屋に運び、医師に診てもらったが、特に異常なし。気を失った理由が不明なぐらいだと。

リヒトも魔法による治療後とはいえ、念のために診てもらったが、ルリの治癒魔法は完璧でこちらも問題なし。


ただ。


「このままルリが目覚めないなら、今夜のパーティーは中止にしないといけないな。」

「ええ‥‥。」


と数時間経っても目覚めないことで、ルリの部屋に暗い雰囲気が漂った時。


「父様‥‥‥中止しなくて大丈夫ですよ。」

『ルリ!?』


暗い雰囲気を察知した様にルリが目覚めた。


「大丈夫なのか?」

「はい。ちょっと体がだるい気がしますが、大丈夫です。」


と言いながらルリは体を起こし、ベッドから降りた。


「で、リヒト。お望みだった母様と同じ髪色になったけど、感想は?」

「勿論、思った通りすごく可愛い!」

「ふふっ。ありがとう。‥‥‥さっきのこと、謝るのはもう聞きたくない?」

「ああ。傷は治してくれたからそれでいい。」

「分かった。‥‥‥伯父様、伯母様。また私のせいでリヒトに怪我させてしまって申し訳ありませんでした。」


私が二人に頭を下げながら謝ると。


「ルリ。頭を上げてくれ。」

「はい‥‥‥。」


私が頭を上げると二人は笑っていた。


「気にするな。また治してくれたしな。それにルリは近付くなって注意しただろ?それを無視したリヒトの自業自得だ。」

「そうよ?だから、私達にももう謝らなくていいわ。」

「ありがとうございます。」

「それより私とも同じ髪色ね。ルリ。」

「そうですね。マリー、クロエ、アンヌ。どう?」

「「「可愛らしいです!」」」

「ふふっ。ありがとう。」


ルリはこの2ヶ月弱の間で三人の専属メイド達にも呼び捨て敬語なしで話す様になっていた。


「姫様の髪を結うのが楽しみですわ。」

「そういえば髪伸びたよな。ルリ。」

「うん。丁度伸ばしてみようかなって思ってた時に旅に出たからね。伸ばしてみた。」


私は日本にいる間、肩につかないぐらいの長さだった。

で、今は胸辺りぐらい。


「長い方が可愛いからこれからは短くしないでくれ。」

「‥‥‥。」

「どうした?」

「いや、こうしてサラッと言う言葉を受け止められる様にならないといけないのかなって思っただけ。」

「ふふっ。そうよ?ルリ。ラズライトの男に惚れられた者の宿命よ。」

「そうよ~ルリ。私達姉妹も通った道だもの、ルリなら大丈夫よ。」

「「「‥‥‥。」」」

ラズライトの男性陣三人が気まずそうだ。


「分かりました。」

「「「納得するのか‥‥。」」」

「はい。」

「「「‥‥‥。」」」

「こほん!‥‥ところで、話は変わるがルリ。」

「はい?」

「体は何ともないか?」

「はい。大丈夫ですよ。」

「では何故気を失ったかは分かるか?」

「う~ん‥‥‥今まで封印で抑えてたものが急に出てきたので体が驚いたとかじゃないですか?」

「聞いてるのは俺なんだが‥‥。」

「えっと、詳しくは分からないです。でもとりあえず体は何ともないですよ。中で何かが蠢いてる感じはありますが、不快なものじゃないですし。」

『え!?』

「え?何ですか?」

「何が蠢いてるかは?」

「分かりません。」

「だよな。」

「分かったら話しますね。」

「ああ。頼む。」


「さて、とりあえずルリが大丈夫なら準備しましょ?」

「はい。」

「ルリ。」

「はい?なんでしょうか?姉様。」

「今日はルリが主役なのは分かってるよね?」

「?はい。」

「貴族達に囲まれるから頑張ってね。」

「え‥‥‥助けてくれないんですか?姉様。」

「うん。むしろ助けちゃ駄目なのよ。」

「‥‥‥‥あ。私がその程度だと見られるからですか?」

「正解よ。いい?貴族達に対応する時は一人よ。」

「は、はい。分かりました。頑張ります。」

「本当に目に余る程だったら助けてあげるわ。」

「はい。」


こうしてちょっと脅されつつ成人のパーティー準備に取り掛かった。

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