36話 驚き。そして急展開
ルリとユリが精霊と話した後の別の日。
この日、ルリは副団長のイリスと共に庭園に来ていた。
先日副団長と精霊とはまた今度話に来ようと話していた為だ。
そして差し出したルリの手の上にフワッと水の精霊が降り立つと。
「こんにちは。水の精霊さん。」
《ルリ、こんにちは。一緒にいるのって前にルリ達を呼びにきた人だよね?》
「うん。そうだよ。副団長。精霊さん、見えてますか?」
「は、はい。見えてますし、声も聞こえます。」
《あなた、名前は?》
「イリスと申します。」
《イリス?‥‥イリスは何してる人?》
「王族の方、今はルリ姫様をお守りすることですよ。」
《今はルリの護衛?》
「はい。そうです。」
《へ~。ん?姫様ってことはルリは王女?》
「うん。そうだよ。」
《へ~!だからここにも堂々と来れたんだね。》
「そういうこと。」
《なら、ルリ。王女なら何でイリスを名前で呼ばないの?》
「私も出来れば名前で呼んで頂きたいんですけどね。」
「え?そうなんですか?」
《敬語?》
「そうなんです。姫様は敬語も無くして下さらないんですよ。」
「え!?」
《ルリ。イリスは呼び捨てで敬語無くして欲しいみたいだね。》
「みたいね‥‥‥。」
「ひ、姫様。無理強いはしませんので、お気になさらず。」
「いえ。聞いてしまったので、変える努力はします。」
「本当ですか!?」
「はい。」
《良かったね~。イリス。》
「はい。ありがとうございます。」
《ふふっ。どういたしまして。》
「イリス?あなた、ルリと一緒にさぼっててどうするのよ?」
「!!‥‥姉様。」「!!‥‥ユリ姫様。」
私達が振り返ると、呆れ顔の姉様がいた。
《私と悩み相談してたんだよ。》
「そうなの?」
《うん。でも解決しそうだから大丈夫。》
「そうなの?ルリ。」
「はい。私次第みたいなので。」
「ふ~ん。それは戻りながら聞くわ。ルリ、ダンス講師の方がお待ちよ。」
「え?あ。ありがとうございます。姉様。」
「申し訳ありません。ユリ姫様。」
「ふふっ。いいわよ。精霊さん。またね。」
「またね。」
「また。」
《みんなまたね~!》
そしてルリは自身の学びの時間へと戻った。
それから日々は過ぎていき、ルリの洗礼3日前。
この日、リヒトが両親である国王夫妻と共にセピオライトへと到着した。
そして馬車から三人が降りてくると、ルリがカーテシーをして。
「お待ちしておりました。ラズライト王国国王陛下、妃殿下、王太子殿下。セピオライトへ、ようこそおいでくださいました。」
「「「‥‥‥。」」」
あ、あれ?
「兄上~?」
「姉様~?」
「リヒト~?」
「「「は!」」」
「‥‥‥こほん。失礼した。お招きありがとう。ルリ姫。」
「数日間お世話になりますね。」
「お招きにあずかり、光栄にごさいます。ルリ姫様。」
「はい!」
「‥‥で、どうでした?兄上。」
「驚いた。」
「良かったわよ。ルリ。」
「本当ですか!?」
「ああ。俺も驚いた。」
「良かった~。三人揃って固まるから何か間違えたかと思った。」
「間違えてないよ。俺達が驚いただけ。」
「とりあえず、ここで話しててもしょうがないから中に入ろう?」
「ああ。」
そして全員で歩き始めると。
「ふふっ。ルリったら今日姉様達が来るって知ってからずっとそわそわしてたんですよ?」
「あら。でも会いたかったのは私達じゃなくてリヒトなんでしょ?」
「だと思います。」
「母様!!」
「ふふっ。事実でしょ?」
「うっ‥‥‥いじわるです‥‥。」
「な、ナノカ。」
「なんですか?姉様。」
「ルリが更に可愛くなってるんだけど!‥‥それに、母様って呼んでくれる様になったのね。」
「!!!‥‥‥はい。やっと呼んでもらえました。」
「良かったわね。ナノカ。」
「はい。姉様。」
「で、ルリ。俺に会いたかったのか?」
「む‥‥‥そうだよ‥‥。」
「うわっ‥‥可愛い‥‥嬉しい‥‥。」
「ルリ、リヒト。このままみんなで客室じゃなくてルエルの執務室に行くからな。ちゃんとついてくるんだぞ。」
「「え?」」
「父様、私聞いてませんよ?」
「言ってないからな。」
「え!?」
「まあまあ、大丈夫よ。ルリ。」
「はあ‥‥。」
そして国王である、ルエルの執務室。
最初に話し出したのはシエルだった。
「さて、みんなに集まってもらったのはルリとリヒトのことだ。」
「「え?」」
「二人に確認だが、結婚するなら誰がいい?」
「ルリです。」
「リヒトです。」
「なら問題ないな。」
「ええ。まあ、すぐにではありませんし。」
「ルリ、リヒト君。」
「「はい。」」
「二人を婚約させようって話よ。」
「「え!?」」
「本当ですか‥‥?父上。」
「ああ。」
「私でいいのですか?」
「むしろ俺達もルリがいいんだよ。」
「!!!」
「やった‥‥!」
「あ、あの。私、陛下と妃殿下を伯父様、伯母様と呼ばせて頂けるよう、許可をもらうつもりだったのですが‥‥。」
「あら、勿論いいわよ。むしろそう呼んでくれると嬉しいわ。」
「ああ。俺もだよ。それにさっきルエルが言っただろ?すぐにじゃない。あくまでも婚約者だ。結婚する時までは俺のことも伯父と呼んでいいぞ。」
「え?じゃあいつルリと結婚できるんですか?」
「リヒトが20歳になってからだな。だから三年後だ。ルリは今年帰ってきたばかりだから、すぐに家族と離したら可哀想だろ?」
「それもそうですね。」
「えっ‥‥と‥‥私は18歳で王太子妃になる‥‥‥ということですか?」
「「ああ。」」「「ええ。」」
「‥‥‥‥。」
「ルリ?」
「ちょっと待って、急展開に頭が真っ白‥‥‥。」
「そ、そうか。」
え?私、18で結婚するの?早くない?
いや‥‥でもここは異世界だし‥‥‥
15歳で成人だし、おかしくないのかな‥‥‥?
「ルリ~?大丈夫?」
「ね、姉様‥‥あまり大丈夫じゃありません‥‥。」
「「「「「「え!?」」」」」」
「日本は20歳で成人でした。18歳でも結婚はできましたが、周りにいなかったので私には全く現実味がないんです‥‥‥。」
「そうなの!?」
「はい‥‥と、父様。この世界では18歳で結婚って当たり前なんですか?」
「あ、ああ。特に女性は20歳になると遅いと言われる様になる。」
「え!?そうなんですか?日本では20歳でも早いって言われますよ?」
「「「「「「‥‥‥‥。」」」」」」
「まさかここで異世界の認識の違いが出るとはな‥‥。」
「あ、でも。それがこっちで一般的ならいいです。結婚相手がリヒトなら尚更大丈夫です。」
「無理してないか?」
「はい。」
「ならいいが‥‥。」
という会話がなされ、リヒトとルリの婚約が決まった。




