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私、産まれ故郷ではチートでした。  作者: 霜月満月
第二章 たどり着いた故郷
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31話 迷い続ける日々

翌日。

朝食後、ひょっこり客室にやってきたリヒトに連れられ、まずは城内の散歩をしているとやっぱりすれ違う人達全員に挨拶や一礼された。


‥‥‥慣れない。


「ルリ?」

「いや、王女に戻るならこの一礼されることにも慣れないといけないのかなって思ってただけ。」

「ああ。慣れないとな。」

「難しい‥‥。」

「おや?殿下と‥‥もしやセピオライトのルリ姫様でいらっしゃいますか?」

「ああ。そうだ。」

「私のことご存知なんですか?」

「勿論ですとも。幼い頃から殿下が‥‥」

団長(・・)!」

「こほんっ!‥‥失礼致しました。私はラズライト王国の近衛騎士団長を仰せつかっております、スパーダ・ブークリエと申します。」

「団長さんだったんだ‥‥‥ん?リヒト。セピオライトでも聞いたけど、そんなにいろんなところで私の話してたの?」

「うっ。」

「ははは!それはもう会う度に‥‥」

「団長?」

「ふふっ。止めておいた方がいい様です。申し訳ありません。ルリ姫様。」

「では、団長。別の時に聞かせて下さいね。」

「ええ。勿論。」

「ちょっと!?」

「ふふっ。私は自分の小さい頃を知ってる人がいないから気楽だな。逆にリヒトはいっぱいいて楽しいね。」

「「!!」」

「ルリ‥‥。」

「あ。悲観してるんじゃないからね。」

「なら、良かったです。では、何かご用があればお申し付けください。勿論、ルリ姫様もですよ。」

「はい。ありがとうございます。」

「では、失礼します。」



「ねぇ。リヒト。」

「ん?」

「私、国防の要ばっかり会うんだけど。」

「そりゃ城だからな。近衛の主な業務は王族の護衛だぞ?」

「は!そっか‥‥私も護衛対象?」

「ああ。そうだよ。」

「そっか‥‥‥リヒト。」

「ん?」

「私は王女に戻って、近衛の人達に守ってもらうに値する人物になれるのかな?」

「なれるよ。ルリなら。」

「そうかな?」

「ああ。」

「自信ないなあ‥‥。」

「後からついてくるよ。」

「そうなのかな~?」


と話ながら散歩は続いた。


そしてまた翌日。

今日はリヒトと城下の街に降りた。

するとここでも。


「あの、ルリ姫様でいらっしゃいますか?」

「はい。」

「やっぱりそうなのですね!王太子殿下と一緒でしたし、王妃様そっくりだったのでもしやと思いましたが。」

「えっと‥‥隣国なのに私のことご存知なんですね。」

「勿論です。」

「そ、そうですか。」


勿論なんだ‥‥‥どれだけ広がってるんだ?私の情報。


「姫様は何故城下に?」

「散歩してみようかと思いまして。」

「まあ!王族の方が降りてきて下さるなんて嬉しいです!こうしてお話しさせて頂いたことも。」

「やっぱり本来は私達の方から話し掛けないと話せないんですか?」

「はい‥‥‥いきなりお声掛けして申し訳ありません。」

「ふふっ。謝らないで下さい。むしろ私も話せて嬉しいです。」

「え?怒らないのですか?本来不敬に当たることですのに。」

「私は育ちが皆さんと似てると思いますので、むしろ王族としての振る舞いに違和感があるぐらいです。」

「そうなんですか?」

「はい。ちなみにセピオライトでも似たような会話をしましたね。」

「あら、ではセピオライトでも城下に?」

「はい。」

「まあ!」

「そういうことですので、また来ることがあれば気軽に声掛けて下さいね。」

「よろしいんですか?」

「はい。」

「ありがとうございます!‥‥‥‥ルリ姫様。」

「はい?」

「私が申し上げていいかは分かりませんが、よろしいでしょうか?」

「はい。何でしょう?」

「ルリ姫様。是非とも王女様に戻って下さい。そしていつでも城下に遊びに来てください。心からお待ちしております!」

「!!‥‥‥心に止めておきます。」

「はい。お願い致します‥‥足止めしてしまい申し訳ありませんでした。」

「構いませんよ。嬉しかったです。では、失礼しますね。」

「はい。」



「ルリ。人気者だな。」

「うっ。そ、そうなのかな?」

「どう考えてもそうだろ。俺そっちのけでルリとだけ話してただろ?」

「ふふっ。リヒトと話すと咎められると思ったんじゃない?」

「あ。そっちか。別に咎めたりしないけどな‥‥。」

「だろうね。」


何かここまで王女に戻るのを望まれると拒否しにくいな‥‥‥。

私自身王女に戻って頑張ってみたい気持ちも出てきてるし‥‥‥。

ああ‥‥‥こうして外堀埋められるのか‥‥‥。


ルリの迷いはなかなか解消されない。

今日の2話目です。

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