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20話 耐えられなかった沈黙

そして沖に出た頃になって。


この静けさ、いつもなら何ともないのだが今は二人共耐えられなかった。


ルリ『呼び捨てタメ口‥‥は、恥ずかしい!ここから出ちゃいたい!風に当たりたい!』


リヒト『か、可愛いかったし自分で言ったことだけど、いたたまれない!嬉しいけどすごい照れる!顔が熱い‥‥風に当たりたい!』


ーそれぞれの心の声でした。ー


そして沈黙を破ったのはルリだった。


「あの、リヒト‥‥。」

「な、何だ?」

「甲板、行くんでしょ?」

「あ。そうだったな。もう平気なのか?」

「は、うん。平気。」

「じゃあ行ってみるか。」

「うん!」


ルリ『良かった。提案に乗ってくれた!風に当たれる!』


リヒト『ありがとうルリ!素晴らしい提案だ!風に当たれる!』


ー再びそれぞれの心の声でした。ー


そして甲板に出てくると。


「わっ!風気持ちいい~!それに見渡す限りの海、綺麗~!」


ルリはさっき恐がっていたのが嘘の様にはしゃいでいた。


「お。さっきの嬢ちゃんじゃねぇか。もう恐くないのか?」

「あ!先程の!はい。もう大丈夫です!甲板に出ると風が気持ちいいですね!」

「だろ?それも醍醐味の一つだ。海も綺麗だしな。」

「はい!見渡す限りの海、すごい綺麗です!揺れて酔いそうですけど。」

「「あ。」」

「嬢ちゃん、船乗るの初めてだよな?」

「はい。」

「なら尚更酔うかもな。兄ちゃん、気をつけてやれよ。」

「ええ。勿論。」

「あ。船首にも行っていいぞ。」

「船首?」

「その先の先端のところだ。」

「いいんですか!?」

「おう。落っこちるなよ。」

「はーい!」


と言うや否やルリは船首に早速向かって行った。


「ほら、兄ちゃん。追いかけて嬢ちゃんが落っこちないように見張っとけよ。」

「分かってますよ。」


そしてすぐにリヒトもルリに追いつくと。


「あ。見てみて!すごい綺麗だよ!海。」

「お。本当だ!」


二人して船首の先から海を見下ろしていた。

そしてこの時、無意識に近付いていたことに二人は海に夢中で気付いていなかった。


「すごいね!」


とルリが顔を上げてリヒトの方を向いた瞬間、真横にいたリヒトも顔を上げてルリの方を向いた。


「ああ!」

「「!!!」」


目の前にお互いの顔。

あと数センチで触れる距離。


すると、リヒトが。

「なあ、ルリ。」

「な、何?」

「前は嫌じゃなかった言ってたからいいよな?」

「え?」


次の瞬間リヒトはその数センチの距離を詰めた。

ルリにキスをしたのだ。

数秒後、離したリヒトが。


「謝らないからな。さっきからルリが可愛すぎて我慢の限界だったんだ。」

「ふぇっ!?」

「嫌だったか?」


ふるふる


恥ずかしくなったルリはうつむいて両手で顔を隠していたが、首を横に降った。それを見て安心したリヒトは。


「なら、俺のこと好きか?」

「‥‥‥‥‥。」


コクン


ルリは顔を隠したまま少し黙っていたが、やがて頷いた。


「‥‥‥本当か?」


コクン


「えっと、顔見たいんだが。」


ふるふる


「何でだ?」

「‥‥‥‥今、絶対顔真っ赤だから。」

「余計見たくなった。」

「え!?」


リヒトはルリの両手を顔から離した後、両手でルリの顔を挟んで、無理矢理上向かせて自分と目線を合わせた。


「はは!本当に真っ赤だな。」

「むぅ‥‥‥‥リヒトこそ‥‥‥赤いよ。」

「だろうな。」

「は、恥ずかしいんだけど‥‥‥。」

「俺は嬉しさが勝ってるが。」

「嬉しい‥‥‥の?」

「そりゃ勿論嬉しいさ。ルリが俺を見てくれてるんだからな。」

「おい。嬢ちゃん、兄ちゃん。そういうことは船室でしてくれないか?」

「「!!!‥‥‥すみません。」」


そして大人しく船室に戻った二人。


「‥‥‥風に当たる前より顔が熱い‥‥‥。」

「俺のせいか?」

「うん。」

「即答!?」

「どう考えてもそうでしょ!」

「確かにな。でもさっきも言ったが謝らないからな。今も嬉しくてしょうがないんだ。なあ、ルリ。どこを好きになってくれたか聞いていいか?」

「え!?そんな恥ずかしいことこの上ないことを言えと!?」

「ああ。聞きたい。」

「ぐっ‥‥‥今以外言える気がしないから言うかな‥‥。」

「本当か!?」

「う‥‥‥うん。えっと‥‥」


ルリの羞恥心との戦いが始まった。

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― 新着の感想 ―
[一言] ルリ…可愛いです。(´∀`*)ウフフ
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