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15話 過去の話

「えっと、まず優人さん達には雅が誰か、からですね。」

「そうだな。」

「雅は私が日本にいる時の幼なじみです。あと、去年数ヶ月だけの彼氏だった人です。」

「え!?ルリ、彼氏いたことあるのか!?」

「まあ、彼氏と言ってもあれは付き合ってたと言えるのか微妙な距離感でしたが。」

「ん?どういうことだ?」

「幼なじみですよ?しかも全く男として見てなかった。雅に告白された時も驚きしかなかったぐらいで。しかも雅から「とりあえず彼女として俺を見て、俺を一人の男として見れる様になるか考えてみてくれ。」と言われまして。」

「それでとりあえず付き合ってみたと?」

「はい。そうです。」

「ふ~ん。それで?実際、どうだったんだ?」

「変わらなかったですね。幼なじみであり、友達。そこから出なかったです。」

「確かに微妙な距離感だな。」

「はい。あ、話戻しますね。雅と微妙な距離感のまま付き合ってた頃、ある日の学校が休みの時に2人で出掛けたんです。普通に色々回って帰ろうかという時でした。魔岩に近付いた訳じゃなかった‥‥‥むしろ避けて歩いてたのに‥‥また化け物が出ました‥‥。」

「‥‥‥それで?」

「また熊だったから二人共、咄嗟に動けなくて‥‥‥そんな時に先程話した、昔母から聞いたことを思い出して‥‥でも使い方なんて分からないし‥‥どうしようと思ってる間も熊は近付いて来るしでパニックになって‥‥気が付いたら熊の化け物はいなくなってるのに隣の雅が怪我してて‥‥‥このままじゃ雅が死んじゃう‥‥何とかしなきゃ‥‥って無我夢中で雅に触れたら手から光が出てきて、傷がどんどん塞がっていって‥‥それ自体は良かったですが、私の手から出てる光の止め方がまた分からなくてどうしようと思っている内に気を失いました。」

「周囲に人はいなかったのか?」

「化け物に遭遇した時は私達だけでした。その後は気を失ったので分かりません。ただ、次に目を覚ました時は病院のベッドの上で。母が側にいてくれて、雅も別の病室で眠ってると、無事だと教えてくれました。その後、私の力の話は一切誰にもしたら駄目だと言われました。」

「え?俺達聞いて良かったのか?」

「はい。母が言ったのは「日本では」という意味だったと思いますので。」

「ああ。なるほどな。日本に怪我を治す力とか持ってるやついないからな。」

「はい。お医者様は知識と技術ですからね。」

「だな。」

「なあ、ルリ。」

「はい?」

「ルリは「自分の力は人を傷付ける」って言ってたよな?今の話しで雅を傷付けたのは自分だと思ってるってことか?」

「はい。日本は剣を持ち歩いたり出来ませんので雅は武器を持ってないですし、そもそも武道の心得もありません。だから雅が化け物を倒したとは思えないんです。なら私がパニックを起こしている時に力が暴走して、それに巻き込まれて化け物は消えて雅は怪我をした。と考えるのが自然かなと思います。」

「そういうことか‥‥‥。」

「そんなこともあって気まずくなったのと、やっぱり一人の男として見れなかったので雅とは別れました。」

「だから数ヶ月の微妙な彼氏か。」

「はい。えっと、私の力に関することとかは以上ですが、まだ何か話すべき事ってありますか?」

「ん?いや‥‥‥大丈夫だよな?ガリア。」

「ええ。ありがとうございます。」

「なら避難していた人達に会いに行きたいんですが、いいでしょうか?」

「ええ。構いませんよ。今ならまだ、城の中庭にいると思いますので、ご案内しますよ。」

「ありがとうございます!」

「リヒトさんも行かないか?」

「ああ。行こうかな。」

「あれ?優人さん、リヒトさんに敬語やめたんですか?」

「ああ。リヒトさんの希望でな。呼び方はこれで慣れてきちゃったからそのままだ。」

「へ~!」


そして中庭に向かって歩きながら。


「何ならルリもタメ口でいいぞ?」

「優人さんにですか?」

「おう。呼び捨てでもいいぞ?」

「優人?」

「お、おう。実際に言われると不思議な感じだが、悪くないな。」

「う~ん。どう思います?リヒトさん。」

「何で俺に聞くんだ‥‥俺にはすぐには無理だって言ったのに優人は迷う余地があるんだな。」

「それは優人さんがお兄ちゃんみたいだなって思ってるからですね。」

「「お兄ちゃん?」」

「はい。私からすると面倒見のいい優しいお兄ちゃんって感じだなって思います。魔王っぽくない優しい名前ですしね。」

「よく言われがちなやつ‥‥‥。」

「え?褒めてるつもりだったんですが‥‥?」

「だろうな。で、ルリ。リヒトさんからの呼び捨てタメ口希望、すぐに無理って何でだ?」

「むしろ優人さんはよくタメ口できますよね。」

「え?だって本人の希望だからな。」

「私には難しいんですよ。」

「何でだ?」

「優人さん。」

そこで一旦立ち止まり。


「ん?」

「この、リヒトさんの顔。こんな綺麗な顔を見て、いきなり呼び捨てタメ口出来ると思います?日本人に慣れてる私に外人をいきなり呼び捨てタメ口にしろと言ってるようなものですよ!?」

「た、確かにそうだな‥‥‥」

と、優人さんがまじまじとリヒトさんの顔を見るのでリヒトさんはたじろいでいた。


「いや、ルリ。ルリは俺のいとこだぞ?似てるんだぞ?」

「そんな訳ありません!私がリヒトさんのいとこだろうとその綺麗な顔に似てる筈ありません!」

「いや、確実に似てる。俺達の父親同士、母親同士が兄弟姉妹だからな。」

「うそ!?」

「うそついてどうする!?」

「‥‥‥リヒトさん、ルリ。中庭、行かないのか?」

「「は!」」

「行きます‥‥あ。結局どうしましょうか?優人さんに呼び捨てタメ口するかどうか。」

「ルリの思う通りでいいんじゃないか?」

「じゃあ、優人さんも保留で。」

「おう。いつでも変えていいからな。」

「はい。」


そして私達は再び中庭へと歩き出した。

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