漆 用語集=困ったらここへ!
《異能について》
★覇術
戦闘能力。戦人を目指す者のみが後天的に錬磨し習得する。一人に一つであり、一人一人のものが異なり、それぞれに名前がある。よく遺伝するが、同じ覇術が時期を同じくして存在することはない。発動するには「髄醒顕現『✕✕(名前)』」などと詠唱する。
※以下の段階がある。
◎鎧仗覇術
武器や甲冑を形成して武装する。たいてい特殊な能力は発現しない。覇玉(後述)へ念じる修行で体得するもので、覇術学校(後述)の卒業条件にして、軍への入隊条件である。各覇術の名は漢字二字。
◎超魂覇術
特殊な能力を限定的に発動する。使えれば十~百人に相当する戦力として数えられ、たいてい装束が変化する。心身、覇力(後述)を錬磨せし者が会得するもので、戦場実習生(後述)の選抜条件にして、武官への昇格条件である。各覇術の名は漢字四字。
◎髄醒覇術
能力の真髄を余さず具現化する。誰かが使うたび地図が新調されかねない奇跡の力であり、たいてい人外の姿へ変わる。数多の死線を淘汰し続け、心技体も覇力も文字通りの一騎当千へと昇華させた者のみが獲得するもので、将軍への昇格条件である。各覇術の名は漢字六字。
※以下の種類がある。
◎自然種
元素や物体を生み出し操る。規模も威力も大きい。
例……雷、風、海、鋼、血
◎強化種
肉体や武器へ効果を加える。接近戦になりやすい。
例……速力、剣圧、巨人、水晶、鎧
◎召喚種
幻獣や兵器を現し使役する。戦力の頭数が増える。
例……九頭龍、黄泉、鏡、恐竜、光線剣
◎世界種
法則や時空を創り支配する。攻略に適応力がいる。
例……宇宙、時、魂、幻、地獄
※覇術領域
世界種のほとんどに備わる有効範囲。霞や霧を広げ呑み込んだり、光らせたりした自他へ効力を及ぼす。範囲外へ逃れられれば支配できない。
※覇術学校
各国が国策として各地で運営する、覇術や軍事を教える学校。年齢や経歴を問われず入学できる。超魂覇術を習得した学生は、戦場実習生に選ばれ仮入隊することもある。
★覇力
覇術や覇能(後述)を生み出すエネルギー。覇玉へ念じて発生させる。覇術を使うには段階を上げるほど大きな覇力が必要となり、覇力が涸れれば使えなくなる。なお覇能を使うだけならあまり消費しない。
◎覇力甲
気体状の覇力を固体レベルに圧縮する高等戦技。武器に纏わすなどして打撃とともに叩き込んだり、衝撃を受ける部位へ固め鎧としたりして使う。上級武官であろうと使いこなせる者は稀有である。
◎覇力噴
凝縮した覇力を放出する衝撃波。足もとから逆噴射し、一跳びで断崖の上まで突っきるなどの使い方もできる。覇力甲に勝る高等戦技であり、将軍であろうと使いこなせる者は稀有である。
◎覇力威
覇力を噴火させる威圧。次元の違う力をもつ者がその覇気を魅せ、力の足りぬ者らに抗う気力を失わせ、無血をもって道を開けさせる至上たる威嚇である。
◎覇力眼
覇力を使うことで変容する瞳。主に視覚へ作用する覇能を使う者に現れる。
※以下のような種類がある。
・視力強化:縁取りを黒め、中を白め、中心を黒める
・覇術看破:山吹色へ変色し、七芒星が浮かび上がる
・千里眼視:中心を白め、空色、碧色、紫色に波打つ
・開眼者(後述)の紅真虹覇力眼:目全体が変わる。結膜を覇玉の色へ薄め、紅く染める角膜へ黒く瞳孔より紋章を広げる。紋様は個々人で異なる。
※開眼者
覇術の悟りを開きし者。髄醒覇術を心身へすり込ませなお修行を止めず、ただひたすらに高みを目指して至る。開眼者にとっての覇力は己の一身より発する人工物ではなく、己を包む世界に満ち満ちる自然エネルギーそのものであり、気力と命の続く限り覇術を行使できる。本気で覇力を使えば紅真虹覇力眼となる。
★覇玉
覇術や覇能を生成する宝玉。この世界では、誰もが自分の色の覇玉を握って生まれてくる。ビー玉ほどのサイズであり、たいていの者は覇玉瓶という専用の容器に入れ、首から下げるなどして携帯する。割られれば覇術が使えなくなるが、念じ続ければ再び結晶させられる。なお原則として、所持者が没すれば消滅する。
★覇能
超能力。誰にでも先天的に備わっている。一人に一つだが種類によって珍しさが異なり、例えば念話通信は十人に一人が有するのに対し、空中浮遊は十万人に一人しか有さない。またどれだけのレベルで使いこなせるかは術者により異なり、使い方によっては戦闘にも応用できる。
※以下のような種類がある。
・念話通信(テレパシーで通信する媒体となる)
・視力強化(遠見視力や動体視力を上げる)
・空中浮遊(飛ぶ)
・亜空間袋(別空間を開閉し物を収納する)
・万能治癒(傷や病を治す)
・覇力感知(大きな覇術が出た場所を察知する)
・覇力引斥(小規模な引力と斥力を操る)
・覇力供給(他者へ自分の覇力を与える)
・感知妨害(覇力感知をジャミングする)
・防音結界(外部へ音を通さない結界を張る)
・千里眼視(付近から遠方まで順に俯瞰する)
・覇術看破(相手の覇術を見て正確に分析する)
《勢力について》
★八百万派
大和国にある派閥。民と喜びを犠牲とせずに国と誇りも生き残らせるという、民が平和で自由な世を志す。
朝廷と軍部から同胞を抹消され続け、もはや政を動かす力はないが、祖国をかつての桃源郷へと返り咲かせるため、革命を成し遂げんと水面下で暗躍する。
★高天原派
大和国にある派閥。民と喜びを犠牲としても国と誇りを生き残らせるという、民が強固で厳粛な世を志す。
朝廷と軍部を席巻し、奴隷制を厭わず富国強兵を促進する。八百万派や三神同盟(後述)の信奉する理想論へ対し、食うか食われるかの戦国時代にあって現実を見ぬ夢物語に過ぎぬ、頑として譲らぬ彼らに政を任せていては大切な国が滅亡してしまうと苦悩し、権謀術数を尽くし排斥してきた。
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高天原派の夢へ逆らう八百万派が、血塗られた大将軍・空柳義虎との合流を果たす時……大地も歴史も沸騰させる、天下分け目の大戦が吹き荒れる!
構成メンバーはそれぞれ序章・第伍話を参照。
★高句麗界
倍達国の北方を占める地域。三足烏を象徴とする。かつては世界初となる帝国を築き上げた高句麗国であったが、南方に興った開京国に併合され、南北それぞれに宰相を置く倍達国として生まれ変わった。
しかし民族や文化の相違が軋轢を生み、さらに易姓革命を企てる一派により、決起させて開戦の口実を作るため迫害される事態が続き、高句麗独立戦争へと踏み切った。
★開京界
倍達国の南方を占める地域。易姓革命を企てる一派がおり、高天原派や黄華国と密かに繋がっている。彼らは三神同盟を切り崩し、高句麗界に謀反させるなど謀略を巡らしながら、圧政を敷き、無力な賤民を奴隷さながらに酷使し続けている。
下位の武人も学がないとして差別されており、叛逆の火種がくすぶっている。
★三大神
以下の三国において、宰相として国家を一身に背負い、戦人として人類史における究極の進化を果たしたと目される三人の大将軍。一員である仙嶽雲海により提唱された。
・大和国より《海神》仙嶽雲海
・瑞穂国より《雷神》雷島片信
・倍達国より《風神》皇甫崇徳
※三神同盟
かつて三大神が筆頭となり、民が平和で自由な世をうち建てんと結成された三国による政治連盟。高天原派や開京界の策謀により雷神、風神が討ち死にし、海神も島流しとなったことで消滅している。
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雷神の心と覇術を継いだ《建御雷》空柳義虎、風神の血と覇術を継いだ《風の巫女》鳥居碧が世へ羽ばたき、海神との邂逅を果たす時……大地も歴史も沸騰させる、天下分け目の大戦が吹き荒れる!
★四天王
大和国において、八百万派が革命を起こすに際し、武威として掲げる「一騎当千万」たる四人の大将軍。八百万派を率いる天龍義海により提唱される。
・《海神》 仙嶽雲海 (女好きな暴れん坊爺さん)
・《恐竜王》大襟巻音華(エリマキトカゲの婆さん)
・《猛虎》 空柳義虎 (狂戦士を自称する主人公)
・《天照》 天龍卑弥呼(霊体化し生存する建国者)
★七虎隊
大和国において、空柳義虎が教え子たちと結成する「非秘密結社」へ属し、次世代を担っていく七人の武官。率いる空柳義虎により提唱される。
※構成メンバーは秘密である。
★八雷神
世界各国において、雷に関連した絶大なる覇術と戦力を誇る八人の大将軍。亡き《雷神》の覇術を受け継いだ空柳義虎により提唱される。
・大和国より《建御雷》空柳義虎:黄金色の雷
・黄華国より《雷帝》聞仲:黄の雷
・エジムト国より《偉大なる力》セト:蒼い雷
・マハラーマ国より《偉大なる帝》インドラ:紫の雷
・ヴァルハラ国より《偉大なる雷》トール:朱い雷
・オリンポス国より《天空神》ゼウス:翠の雷
・マヤテカ国より《雷雨神》トラロック:黒い雷
・ハロア国より《火山神》ペレ:橙の雷
★九重柱
大和国において、破竹の勢いをもって領土を拡大し最盛期を誇った時代に、国威として活躍した九人の超級武官。束ねた仙嶽雲海により提唱された。
・《海神》仙嶽雲海 (八百万派)
・《氷神》夷傑信露 (故人)
・《恐竜王》大襟巻音華 (八百万派)
・《閻魔》富陸毅臣 (高天原派)
・《火之迦具土》焔剛獅獣(高天原派)
・《九尾》九鬼鎮子 (高天原派)
・《雪鬼》夷傑晩露 (八百万派)
・《犬神》犬泉八星 (故人)
・《禍神》宍戸隠呪 (故人)
★十大神
大和国において、国を統べる富陸毅臣が黄泉の覇術を使い呼び出す、かつて討ち取った十人の超級武官。十人のうち半数以上を知る者はほぼいない。扱う富陸毅臣により提唱された。
・《天神》仙嶽真雲 (天龍卑弥呼の夫)
・《雷神》雷島片信 (空柳義虎の救世主)
・《風神》皇甫崇徳 (鳥居碧の祖父)
・《氷神》夷傑信露 (夷傑銀露の曾祖父)
・《火神》炎火臆母 (炎火きららの父)
・《水神》湖塚礎霙 (湖塚理霰 の父)
・《禍神》宍戸隠呪 (嶺森樹呪の母)
・《犬神》犬泉八星 (蒼泉咲の祖父)
・《鬼神》源為朝
・《龍神》項羽
★五大帝王
列強諸国において、自ら戦場を駆け大将軍まで上り詰め、強大なる大帝国を築き上げた五人の皇帝。一員であるインドラにより提唱された。
・マハラーマ国より 《偉大なる帝》インドラ
・ヴァルハラ国より 《戦争神》オーディン
・オリンポス国より 《天空神》ゼウス
・バッビニア国より 《英雄王》ギルガメシュ
・キャメロット国より《円卓王》アーサー
★五龍神将
黄華国において、世界第一位の超大国たる武威を担い立つ五人の大将軍。一員であった《龍神》項羽が富陸毅臣に討たれ、同じく《托塔李天王》李精が空柳義虎に討たれており、こうして欠員が出た場合、号するに足る者がいれば加えられる。初代皇帝により提唱された。
・《炎帝》崇愛鎧剣
・《雷帝》聞仲
・《太公望》姜子牙
・《鎮国武成王》黄飛虎
・《神龍》呂布
《階級について》
武官の席次を高い順に列挙する。なお大将軍と将軍はまとめて超級武官という別称で呼ぶこともある。万国共通である完全武功制(後述)により、各階級へ昇格するのに必要な持ち点や、その階級にある武将を討ち取れば何点入るか、などが定められている。
★大将軍
◎率いる軍隊の規模:一〇万人以上
◎昇格基準:一〇万点、髄醒覇術の習得
◎首級の配点:五万点
※大和国における正装:漆黒色の束帯に赤い羽織
★将軍
◎率いる軍隊の規模:一万~一〇万人
◎昇格基準:一万点、髄醒覇術の習得
◎首級の配点:三五〇〇点
※大和国における正装:漆黒色の束帯に赤い陣羽織
★上級武官
◎率いる軍隊の規模:一〇〇〇~一万人
◎昇格基準:一〇〇〇点、超魂覇術の習得
◎首級の配点:二五〇点
※大和国における正装:漆黒色の束帯
★中級武官
◎率いる軍隊の規模:一〇〇~一〇〇〇人
◎昇格基準:一〇〇点、超魂覇術の習得
◎首級の配点:五〇点
※大和国における正装:赤紫色の束帯
★初級武官
◎率いる軍隊の規模:一〇~一〇〇人
◎昇格基準:一〇点、超魂覇術の習得
◎首級の配点:一〇点
※大和国における正装:深緑色の束帯
★兵長
◎率いる軍隊の規模:五~一〇〇人
◎昇格基準:五点、鎧仗覇術の習得
◎首級の配点:一点
★兵士
◎入隊基準:鎧仗覇術の習得
※完全武功制
武官の昇格における唯一絶対なる法規であり、各国に大々的な専門部署が設けられている。初級武官の首級一人分を一〇点とする基準をもって、討った敵将、取った城地、勝った戦闘といった多様な武功を点数化し、各人の持ち点へ加算していく。よって出自や人格、過程は問われない。
★国王/皇帝
王子/皇子の頃より戦場へ出て武勲を挙げ、将軍位などを有する帝王も多い。基本的には、ある地域において一桁代ほどの民族を治める国主を国王、その国家を王国と呼び、領土を拡大し続け数多の民族を統べる国主を皇帝、その国家を帝国と呼ぶ。なお国や地域によって君主の呼称は様々あるが、王国時代から受け継ぐ呼称を帝国時代となっても使い続ける例も多い。
・大和国 ……天皇
・瑞穂国 ……大王
・高句麗国 ……大王
・エジムト国 ……王
・マハラーマ国……大王
★宰相
万国共通で、大将軍の爵位をもつ者のみが就任することが慣例となっている。帝王に権力を集中させないことを目的とするが、逆用して君主を傀儡化し独裁体制を敷く者もいる。なお国や地域によって呼称は様々である。
・大和国 ……大納言
・黄華国 ……大都督
・倍達国 ……大模達
・高句麗国 ……莫離支