8.山火事
リルのダイエットは順調に進んでいった。
まず、早朝に全力ダッシュをする。
もちろんサボらないようにレフィが見ている前で、だ。
最初はそれこそ一時間経たずに力尽きていたのだが、ずっと続けることで半日走れるようになっていた。
そして、今日もリルの背中に乗って、レフィはひとっ走りしていた。
「見ろ、レフィ。なんだか体が軽いぞ!」
「うんうん、だいぶ元の体型に戻ってきたもんね。でも、また太らないように注意しないとダメだよ」
「わ、わかった……。気をつける……」
リルは口を閉ざし、ばつが悪そうな表情を見せていた。
「それじゃあ、そろそろ町の方へ戻ろうかな……」
「ちょっと待て! ……この臭いは」
リルが何かを感じ取ったようだった。
「どうしたの? 何かトラブルでもあった?」
「あぁ、少し焦げた臭いがする。行っても良いか?」
「もちろんだよ! すぐに行こう!」
レフィが頷くとリルは全力で駆けだしてくれる。
◇
たどり着いた場所は何もない森のど真ん中だった。
山火事……にしては木が燃える原因になるものがない。
「と、とにかく火を消さないとね」
消火用ポーションを作り出す。
ただ、山火事レベルとなると小さなポーションでは追いつかない。
巨大なポーション瓶で消火ポーションを生み出す。
当然のことながらそんなもの持てないので、最初から蓋が開いた状態、少し傾いた状態で作り出す。
すると、巨大な瓶から大量のポーションが流れ出し、山を消火していった。
これで大きな火は消えたので、細かい残り火を手に持てるくらいの大きさのポーションで消していく。
「……これは人為的に付けられた火だな」
「うん、他に人が住んでいるようにも見えないもんね。でも、どうしてこんなところで?」
「あっちを見てみると良い。誰か倒れているぞ?」
さっきまで燃えていたときには気づかなかったが、消火した後の木陰に火傷をした人が倒れていた。
「おいっ、レフィ。不味いぞ、あのままだと……」
「うん、大丈夫! とりあえず火傷を治すよ」
レフィが新しいポーションを生み出すと、まずはそれを火傷をした人にかける。
すると、広範囲にわたって火傷を負っていた体が一瞬で綺麗に戻っていた。
「まだだよ。ここからポーションを……」
今度は本人の回復力を高めるポーションを……、これはゆっくりと飲ませていく。
すると、さっきまで虫の息だった人が、すやすやと心地よさそうに眠りについていた。
「ふぅ……、これでもう大丈夫だね。それにしても、どうしてこんなところで……」
「それはこいつが起きないことには分からないな」
レフィは治した人を見る。
さっきまでは必死すぎて禄に顔も見ていなかったが、整った顔立ちをした金髪の女性だった。
そして、着ていたものは燃えてしまったのだろう。今は全裸だったので、スタイルの良いその体を見て思わずレフィは顔を背けてしまった。
【重大発表】
幸せなポーションライフを……が書籍化することになりました。
こちら、詳細情報は活動報告にて書かせていただきます。
どうぞよろしくお願いします_( >▽< ๑_ )_




