3.カインの暴走
翌朝、レフィ達は何もなかったかのようにこの町で依頼の募集を行っていた。
すると、前綺麗にしたばかりなのにもう下水が汚くなったからとそこら中からの依頼が舞い込んできて、別の依頼を探す暇すらもらえなかった。
その場所まで向かい、浄化ポーションを垂らす……。
それだけの仕事をしているときにカインがやってくる。
「そんな雑用みたいな仕事をしているのか……。そんなものは俺の部下にやらせるからお前はもっと役に立つ仕事をしたら良いだろう?」
「……いえ、これは僕が頼まれてしていることですからあなたには関係ありません」
カインが話しかけてくる間もレフィは浄化ポーションを撒き続けていた。
あっ……、ちょっと多く撒きすぎたかも……。まぁ水が綺麗になる分には良いよね……。
そして、今日の分を撒き終わり、家に戻ろうとするとカインが肩を掴んでくる。
「俺の話を聞け!!」
「聞く必要があるのですか? 僕たちはもう無関係ですよね?」
「そ、それはそうだが、お前の件は俺が取り計らってやる。また、アールデルスに戻れるように……。だから――」
「いえ、お断りします。では、僕は次の用事がありますので――」
それだけ言うとレフィは家へと戻っていった。
一人残されたカインは顔を真っ赤にして、怒りのあまり肩を震わせていた。
そして、レフィの去って行く先を眺めていると近づいてきたユリウスがカインの肩を叩く。
「失敗したようだな」
「あぁ、どうやらレフィはアールデルスには帰りたくないようだな」
「本来なら諸手を挙げて歓迎したいところだが、今回はやつの名声が必要だからな。俺が何か手を打つか?」
ユリウスが目を光らせいた。
「いや、やめておけ。いくら妨害魔法レベル10の能力を持つお前でもあのレフィに勝てる未来が見えん」
「やっかいだな、EXレベルは――」
◇
「ふぅ……、本当にこの町にいるとお兄さん達の誘いが激しそうだね。どうにか断る方法はないかな?」
「お前の親やこの前のやつみたいにぶっ飛ばしたら良いんじゃないのか?」
「それはさすがに駄目だよ。だって、今は何も悪いことしてないわけだし……」
とりあえずまずはミリーナを頼ってみるのがいいかもしれないな。
「とりあえず王城に行ってくるよ。ただ、何かに気配を探られているみたいだからちょっと新しいポーションを使っていくね。偽装ポーションと完全気配消しポーション。これ二つを使えば僕の気配がわからなくなると思うからね」
まずは偽装ポーションを家の中の……適当なところに振りかける。
「!? れ、レフィが二人!? いや、レフィの気配だけか……」
リルが驚きのあまり目を大きく見開く。
ただ、すぐに理由を理解して落ち着きを取り戻していた。
「そういうことだよ。それでその後にこっちも飲んで……」
今度はレフィは完全気配消しポーションを飲み干す。
するとレフィの気配がふっと消えていく。
「それじゃあ少し行ってくるね。リルは留守番を頼むよ……」
「あぁ、気をつけていってくると良い」
◇
次にレフィは王城へとやってきた。
するとちょうど良いタイミングでミリーナが王城から出てくるタイミングだった。
「あっ、レフィ様! こんなところで出会えるなんて……」
「ちょうどよかったです。僕もミリーナ様を探していたのですよ。少しお話よろしいですか?」
「はいっ、もちろんですよ! ではどこに行きましょうか?」
レフィは周りを見渡して、近くにある喫茶店を指さしていた。




