1.再会
レフィはなんとかミリーナの手から逃れると、どうしてここにいたのかを尋ねてみた。
するとミリーナからは驚きの答えが返ってきた。
「レフィ様が帰って来られることはお姉様から聞いたのですよ」
ミリーナの姉?
レフィは初めて聞くその名前に首をかしげる。
「レフィ、その女、どうしてお前が今日帰ってくるって知ったんだ?」
「わからないよ。でも、なんだか怪しいね。何か企んでいるのかも……」
小声でリルとやり取りをしてさらに疑惑を募らせていく。
しかし、それを気にした様子もなく、ミリーナは普通に話してくる。
「それでレフィ様は今までどちらに?」
「僕は依頼を受けて出かけてただけだよ」
「そうでしたか……。それならもうその依頼は終わられたのですね」
嬉しそうなミリーナ。
依頼達成がそんなに嬉しいのだろうか。
それとも、僕がこの王都に帰ってくるのが嬉しいのか?
不思議に思うレフィをよそにミリーナはポンと手を叩く。
「そうだ、レフィ様の帰宅祝いにうちでパーティでも開きませんか?」
その言葉にレフィはやや難色を示した。
前のパーティではレフィの親が暴れてろくにいることもできなかった。今回もそうなるのではないかと……。
それに気づいたミリーナはさらに言葉を続けた。
「だ、大丈夫ですよ。今回はそんなに人を呼びませんから……。レフィ様の知り合いだけにさせてもらいますので」
「わかりました。では、準備して行かせてもらいますね……」
気乗りはしないものの祝ってくれるのにあまり断りすぎるのも悪いかなと受けることにする。
◇
パーティの準備をしないと!と慌てて帰るミリーナを見送った後、レフィたちは家の中に入る。
そして、自室のベッドに倒れこむように上に乗る。
「ふぅ……、色々疲れたね……」
仰向けで天井を眺めながら言うとリルが苦笑する。
「まだ色々大変そうだけどな。怪しい動きがありそうだもんな」
「王女様の件……だね。なんで僕の動向を知ってるか……、その理由も含めて探る必要があるね」
「でも相手が王族……と言うことを考えると無理だけはするなよ」
リルが注意を促してくる。
確かに慎重に動かないといけないね。王女様が一人だけで動いてる……とは考えにくいもんね。
◇
夜になるとミリーナからパーティの誘いがくる。
数日後に開かれるのかと思ったら早速今日開かれるらしい。
流石に驚きを隠しきれなかった。
「では、レフィ様、一緒に行きましょう」
ミリーナに誘われてレフィたちは王城へと向かった。
◇
王城で通されたのは謁見の間……ではなく食堂だった。
そこにはすでにたくさんの料理が置かれ、国王様をはじめすでに数人が席についていた。
そして、その中にはレフィの兄たちの姿もあった。
どうしてこのメンバーで?
一瞬不思議に思うもののすぐに理由がはっきりとわかる。
「お待ちしておりました、レフィ様。この度は無事に依頼を果たされたと言うことでミリーナからお祝いをしたいと聞き、パーティを開かせていただきました。私はアーリア・リーゼンベルグ。このリーゼンベルグ王国の第一王女になります。以後お見知り置きを……」
アーリアが席を立ち、軽くスカートをつまみながら頭を下げてくるので、レフィ自身も会釈で返す。
それに続くようにレフィの兄たちも自己紹介をしていく。
「カイン・アールデルスだ」
「ユリウス・アールデルス……」
「僕はリューズ・アールデルスだよ」
聞かなくてもわかる。
長男のカイン、次男のユリウス、三男のリューズ……。
全員魔法の力に優れ、父から一目置かれ、国の魔法部隊でも重要な位に付いているエリートたちだ。
ただ、この場に来る理由がない。
彼らを見て国王も苦笑を浮かべている。
ただ一人、王女アーリアだけが満足そうに自己紹介を見ていた。




