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幸せなポーションライフを  作者: 空野進
2.2.貴族の治療
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8.兄弟対決

「あいつって誰のことだろう?」

「話の内容から察するにお前のことじゃないのか」

「……やっぱりそうなんだ。でもこれでトリス兄さんが犯人ということがわかったね。どうしようかな……」


 今すぐ捕まえた方がいい気もするが、とぼけられる可能性もあるな。


「今は泳がせた方がよくないか? 証拠もないのならしらばっくれられたら終わりだぞ?」


 確かにリルの言うことも一理ある。


「そのときは暴露ポーションを使わないといけないね」

「いや、それも飲んでくれないかもしれないぞ?」


 トリス兄さんは人一倍警戒心が高かった。

 そう考えるとポーションの対策を何か考えていてもおかしくないだろう。


「わかったよ。それじゃあこのまま透明化ポーションで追いかけることにするね」

「それが良いだろう」


 レフィ達は更にトリスの後を追いかける。


 すると今度は貴族の館へと向かっていく。


 もしかするとミシャにまた何かをするつもりなのだろうか?

 さすがに何度もこれ以上何かさせるわけにはいかない。

 手を出そうとした瞬間に抑えるつもりで考えていた。


 ◇


「よくぞ来てくれた。トリス殿、今日はどうかされましたか?」

「いえ、近くを通りましたのでご挨拶に寄せていただいただけになります。それで旅の噂でこちらのお嬢様がご病気になられたと聞きましたが御容体はいかがでしょうか?」

「幸いなことに最近になって治りました。心配してくださってありがとうございます」

「……いえ、それならよかったです」


 トリスは眉をひそめていた。

 そして……。


「よろしければ本当に完治しているか私が診させていただきましょうか? こう見えてもいろんな魔法が使えますので」

「おぉ、それはありがたい。ぜひお願いできますか?」


 貴族は大げさに喜んでいる。

 ただ、レフィにはそれが演技だと言うことがわかっていた。


 何をしたのかはわからないが、さっきからちらちらとレフィの方を見てくる。

 おそらく居場所を知っているのだろう。


 この場でレフィがここにいることを気づいていないのはトリスだけだった。


 そして、貴族がミシャを連れてくる。

 ミシャも事情を聞いているのか、トリスを前にしても特に騒ぐことなくおとなしくしている。


「では、少し調べさせて貰うからな。ジッとしているんだぞ」


 トリスが手に何かの魔法を発動させる。

 先ほどの会話だと回復魔法とか感知魔法とかに聞こえるが、実際に使っているのは呪術魔法。


「おいっ、レフィ。このまま放っておいて良いのか? あの子、また呪いにかかるぞ?」

「うん、でも大丈夫だよ」


 レフィは絶対の自信の元、返事をする。

 その瞬間にトリスが呪術魔法を発動させるが、あっさりミシャの前にある目に見えない透明な壁に弾かれてしまった。


 その際に衝突音が部屋に響いていた。


「……もしかして、今のはバリアポーションか?」

「うん。しかも、なにかしらの攻撃だけを通さない特別製だよ。それに弾かれたと言うことは本当にミシャに何かしようとした……ということだね」


 レフィは困惑して周りを探っている貴族に合図をする。

 ただ、透明で目には見えないのでその手に空になったポーションを手渡した。

 でも、瓶には×を大きく書いておく。これで貴族も気づいてくれるはずだ。


 そんなレフィの目論見通り、貴族は空き瓶を見た瞬間にニヤリと微笑んだ。そして、大声を上げる。


「くせ者だ!! 捕まえろ!!」


 ◇


 その後、トリスはすぐに捉えられていた。

 しかし、彼は平然とした様子を見せていた。


「くくくっ」


 トリスは冷めた目で嘲笑を浮かべていた。


「なぜ笑う?」

「どうして俺が捕まっているんだ? 俺は何もしていないぞ?」


 それを聞いてレフィはやっぱり……という気持ちを持たされた。

 リルが懸念していたのもこのことだろう。


「そんな嘘でだまされるはずないだろう。私が何もせずにされるがままだったと思ったのか?」

「何のことだ? 俺はお嬢様の容体を調べようと……」

「いえ、今のは攻撃性の魔法でした。それだけを防ぐポーションを捲いておきましたから――」


 レフィは効果無効ポーションを飲み、トリス達の前に姿を現す。


「やはりそこにおったか……」


 レフィの想像通り、貴族はその居場所を把握していたようだ。

 どうやって気づいたのかはあとで教えて貰おう。


 それよりも今はトリスだ。


 彼の方に視線を向けるとトリスはまるで憎しみにも似た目つきをレフィに送ってきていた。


「レフィ……、貴様、よくもヌケヌケと姿を現せたな」

「……何のことですか?」

「とぼけるな! お前が……、お前のせいでアールデルスの名が地に落ちた。この恨み……」

「僕には関係ないですよね?」

「関係ないはずあるか!! お前はレフィ・アールデルスだろ!!」


 怒鳴り散らしてくる。

 ただ、それとは別に攻撃の魔法を準備しているのをレフィは見逃さなかった。


 レフィは魔法無効化ポーションを投げつけたあとに答える。


「人違いじゃありませんか? 僕はただのレフィで家名なんてありませんから……」

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