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幸せなポーションライフを  作者: 空野進
2.2.貴族の治療
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3.農作

 レフィは貴族より町の中の家を譲り受けた。

 しばらくはここでのんびり過ごしていこう。


「王都にある家はどうするんだ?」

「また戻るときに使えばいいよね。それに少し気になるところもあるし……」


 さすがにミシャのあの症状は自然となるようなものじゃないと思う。それならこれをおこした人物がまたくるはずだ。

 いつまでもそんな人を放っておいてはのんびり過ごせないし早めに解決したいな。

 レフィは貴族の館を眺めながらそんなことを考えていた。


「それに何もなかったらのんびりできるもんね」

「……お前の能力を考えたらすぐに慌ただしくなりそうだけどな」


 リルが苦言を呈してくるが、それを聞くことなくレフィはもらった家へと向かっていった。


 ◇


「うん、王都の家とは違ってそのまま普通に住めそうだね」

「元は誰かが住んでいたところらしいからな」


 そんなことを貴族が言っていた気がする。


「それで今日は何をするんだ?」

「町を見て回ろうか。せっかくだし」


 リルに提案すると早速町の中を見て回る。


 王都とは違い、田畑がメインの町というだけあって店と呼べるものがほとんどない。

 買い物はどこでするのだろうか?

 レフィが首をかしげていると畑を耕している男性が声をかけてくる。


「どうしたんだい? なにかさがしものかい?」

「あの……、この町ってお店とかはないのですか?」

「店? それならこの道をまっすぐ行った先にあるユーリばーさんのところがそうじゃないかな。行ってみるといいよ」


 男性が指差して教えてくれる。


「ありがとうございます。早速行ってみますね」


 男性に頭を下げると道を進んでいく。


「それにしてもこの畑で作ってるものってなんだろうね」

「この匂いだと芋じゃないか?」


 リルがクンクンと匂いを嗅いで答えてくれる。


「でもあまり元気がないようだな。土地が弱ってるのか?」

「そんなところまでわかるの?」

「あぁ、これでも神狼だからな」


 リルが嬉しそうに鼻を鳴らしてみせる。


「それなら肥料か何かをあげた方がいいんだね」


 レフィはポーションを作り出していたが、それを慌ててリルが止めていた。


「待て待て! また騒動になるぞ! この町ではのんびりしたいんだろう?」

「あっ、そうだったね……」

「全く……。お前はもう少し自分の力が特別なのを理解した方がいいぞ」


 リルに怒られて少しだけ落ち込むレフィ。


「とりあえずこのポーションはどうしよう……」

「その辺に流すなよ。さすがに前みたいに訳がわからないものが復活するとかは避けたい」

「復活ポーションじゃないから大丈夫だと思うけど……」

「それじゃあそのポーションはなんて言うんだ?」

「肥料ポーションだよ。土を元気にして、作物が育ちやすくなるんだよ」


 嬉しそうにレフィが答える。


「どのくらい育ちやすくなるんだ?」

「えっと……。すごく元気になるよ?」


 その解答を聞いてリルはあきれた様子を見せる。


「期間が曖昧だな。もしかして、それを撒いたら一日で作物が育つ……なんてことはないよな?」

「大丈夫だよ。一日ではないから……一週間くらいはかかると思うよ」

「それでも早すぎるぞ!」

「わかったよ……。それじゃあこのポーションは自分で何か育てるときに使うよ」

「そうしてくれ……。とりあえず本当に必要なとき以外はあまりポーションを作らないでくれ……。そのうち金ができるポーションとか作ってしまいそうで怖い」

「さ、さすがにお金は作れないと……」


 ポンッ


「思う……よ」


 レフィの手の中には一つのポーション。

 それをみて固まったように笑みを浮かべていた。

 一方、リルの表情は真顔でそのままレフィに近づいていく。


「リル、怖い、怖いよ!」

「なんでこう厄介なものばかりを……! もっと便利なものを作ってくれ……」

「た、例えば?」


 たどたどしい口調で聞き返すとリルは真剣に悩んでいる様子だった。


「……肉がいつでも食えるようになるポーションとか?」

「それ、もうポーションの領域を超えてるよね!?」


 ポンッ。

 思わず突っ込んでしまうレフィ。ただ、そんな彼の思いとは裏腹にポーションはあっさり出来上がってしまう。


「こ、これがあればいつでも肉が食えるのか……」

「さすがにどんな効果のポーションかわからないから使ったらダメだよ!」


 今度はレフィがリルを注意する。

 ただ、諦めきれない様子で残念そうにレフィの手にあるポーションを眺めていた。


「ちょっとだけ……。一滴だけだから……」

「ダメ。さっき危ないものは作るなと言ったのはリルだよ!」

「そ、それは危ないものじゃないから……」

「とにかくダメ! それよりも早くお店にいこう」


 リルを置いて、レフィはさっさとお店を目指してすすんでいく。


「あっ、ま、待ってくれ! この格好だと追いつかない……」


 必死に追いかけてくるリル。

 仕方なくレフィはもう一度リルのところに戻り、肩の上に乗せると、再びお店へ向かって歩いて行った。

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