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幸せなポーションライフを  作者: 空野進
1.3.パーティ
27/74

26.幽霊のボス

 レフィはカバンの中をあさり出す。


「ジャーン! 霧吹きだよー! これに幽霊浄化用のポーションを入れて吹けば広範囲に撒けるよね」


 にっこりと微笑むレフィ。

 ただ、リルは眉をひそめていた。


「それ、撒いてしまうとルルカも消えてしまうんじゃないか?」

「そ、それもそうだね。……うーん、それならポーションの効果対象は実体を持たない相手……に限定しよう。これなら大丈夫だね」


 なおも微笑むレフィに対して、リルは呆れ顔を浮かべていた。


 ◇


 レフィたちはゆっくりと館の中に入っていく。

 そこは王城と変わらないほど広い部屋。


「よし、早速この霧吹きを使ってみるよ!」


 部屋中に霧吹きでポーションを撒いてみる。

 すると悲鳴のような声が聞こえた。


「この部屋の幽霊はいなくなったよ」


 ルルカが教えてくれる。

 やっぱり自身が幽霊なだけあって、どこにいるかとかもわかるんだろうな。


「他の部屋も案内してくれる?」

「うん、任せておいて」


 ◇


 それからルルカの案内で部屋から部屋へと、片っ端から浄化して回った。


「これで全部回ったかな?」

「うーん、まだ強い力の幽霊がいるんだよね……。どこだろう?」

「でも、部屋は全部回ったよね?」


 首を傾げて再び城の中を見て回る。

 しかし、幽霊の姿はなかった。


「やっぱり居ないね」

「レフィ、ここの床が怪しいぞ」


 リルが前足でこんこんと床を叩いていた。

 何がおかしいのだろうか?


 レフィもその床の部分を軽く叩いてみる。


 すると明らかに違う音がなった。


「もしかしてここって?」


 よくみるとその床の部分は掴む部分があった。

 その床を持ち上げてみる。


 するとあっさり持ち上がり、その下に地下へと続く階段が現れた。


 そして、そこからとてつもない威圧を感じる。


「ここだよ、ここから強い力を感じるよ!」


 ルルカに言われるまでもなくレフィにもその力は十分すぎるほど感じられた。


「でも、幽霊なんだよね?」

「うん、そうだよ」

「それなら……」


 普通に幽霊浄化ポーションを流してみる。


「そ、それはいくらなんでも……」


 ルルカは眉をひそめる。

 でも危ないことはしたくないから、こうやって浄化されてもらった方がいいよね?


 すると突然幽霊の叫び声が聞こえてきた。

 そして、突然目の前に半透明の男性の幽霊が現れる。


「と、突然消そうとするやつがあるか! 普通はこうやって隠れている相手はボスと決まってるだろ!」


 幽霊なのに声を上げてくる。

 特別な幽霊なのだろうな。自分からボスとか言ってるし、ここの幽霊たちをまとめていた存在なのかもしれない。


「とにかく俺はこの辺りの幽霊をまとめあげてるんだ。それはつまり、俺の一声で幽霊たちを呼び寄せることもできるんだ! こいっ!」


 ……。

 静寂が場を襲うが、何も変化はなかった。


「ど、どうしてだ! なぜ誰もこない!」

「えっと、集めるのってこの周りにいる幽霊たち?」

「あぁ、そうだ! ここならいくらでも……」


 レフィは少し言いづらくて、鼻頭をかきながら伝える。


「えっと、全部浄化しちゃったよ……」

「はっ!?」


 驚きの声を上げる幽霊。

 再び沈黙が場を襲ったかと思うと、手を上げてくる。


「それじゃあ俺はこの辺で失礼するぞ!」


 地下の部屋に戻っていこうとするので、再び浄化ポーションをかけておく。


「ぎゃーーーー!!」


 悲鳴をあげてその場に倒れる幽霊。

 あれっ、浄化されない?


「い、いきなり後ろから攻撃するやつがあるか!?」


「えっ、だって、悪い幽霊なんでしょ?」

「うん、すごく悪い人……」


 ルルカははっきり言ってくる。


「そ、そんなことないぞ! ほらっ、俺は何も手を下していない。だから見逃してくれよ……」


 両手を挙げて無害をアピールしてくる。

 流石にここまでされると可哀想になってくる。


「本当にこの幽霊って恐ろしい幽霊なの?」


 不思議に思い、ルルカの方を向いて聞いてみる。

 その瞬間に幽霊は目を光らせ、レフィの方へ向かって飛びついてくる。


 しかし、その攻撃はリルが撒いた浄化ポーションで塞がれる。


「ぎゃーーーー!」


 再び悲鳴をあげる幽霊。


「レフィ、油断するな! こいつは間違いなく危ないやつだ!」

「う、うん……、そうみたいだね……。ありがとう」


 でも、どうして浄化ポーションが効かないんだろう?

 確かにこれは実体がある相手には効かない。

 だからルルカは平然としてる。でも、あの幽霊は……いや、もしかして。


 レフィは痛みのあまり転がりまわる幽霊に近づいていく。

 そして、軽く触れてみるとしっかり触ることができた。


 なるほど、半分実体があるって感じなのかな。


 レフィは頷くと今度はしっかり半分実体のある幽霊まで効く浄化ポーションを作り出す。


「ちょ、ちょっと待て! 俺はまだ浄化したく――ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」


 今度こそ消えてしまう幽霊のボス。

 これでよかったんだよね?


「もうこの周りには幽霊の気配はなくなったよ」


 ルルカの言葉にようやくレフィはホッと人心地つくことができた。

【次回予告】

「幽霊退治を達成し、一躍有名人となったレフィ。彼の元に様々な依頼が舞い込んでくる!!」

「全部浄化の依頼だけどね……。というか、リルはなんでそんなしゃべり方をしてるの?」

「そんなとき、ミクロマルク聖教国とかいう怪しいところから変なおじさんが現れる!!」

「怪しいって言ったら駄目だよ」

変なおじさん「あ、あなたこそ我が国の信仰の対象、聖女様に違いない!!」

「いや、僕は男なので絶対違いますよ。あと、変なおじさんであってたね」


次回、聖教国からの使者(੭ु˙꒳˙)੭ु⁾⁾次回の更新をお待ちください。夜頃を予定しております(こちらの更新予定は変更する場合があります)



朝の日間総合ランキング2位、ジャンル別2位でした。

ここまでくると1位を取ってみたくなりますね。

本当にありがとうございます。

たくさんの応援や評価、ありがとうございます。

出来るだけ更新で返せるように頑張ってまいります。

あとは私のモチベーション次第だと思ってください(੭ु˙꒳˙)੭ु⁾⁾


これからも応援をぜひよろしくおねがいします!!

また、本日は多数感想をいただいてありがとうございます。そちらからハッとなることとか次の話に繋がったりもしますのでありがたいです。


今みたいに執筆の調子が上がった時には複数回更新させていただきます。

作者のモチベーションによるところも大きいので告知はできませんが、より多くの話数を更新できるように頑張っていきます。


ついに文字数が50,000字を突破しました!!

1週間で……。

これには自分でも驚きでした。書きためもなくスタートした今作、これほどハイスピートで更新できているのは皆様のおかげです。本当にありがとうございます。


『面白かった!』

『更新頑張れ!』

『応援してるよ!』

『もっとたくさん書けるよ!』


と思った方は、広告下の評価欄からポイント評価してくれると励みになり、モチベーションにもつながりますので是非よろしくお願いします。

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