第四話.彼に対して綾瀬雛は
「........これは...」
俺は、佐々木君からもらった手紙を読んで
しばし思考が停止していた・・・・・
そして・・・・
「おう、どうした相太?なにか考え事か?」
「ん?...あ、いやなんでもないぞ健司」
健司に話しかけられて意識が現実へと引き戻された
・・・危ない危ない、また時間そっちのけで
考え込むところだった・・・健司ナイス!
と、そこで三浦先生が来たので全員がぞろぞろと
自分の席に戻っていくので俺もみんなと
同じように自分の席に戻った・・・・
チラッと窓際の席にいる彼に目を向ける
彼は・・・寝たふりをやめて興味なさそうに
黒板のほうに顔を向けていた...
彼はいったい・・・・と考えていると不意に
彼の目線が動き廊下側の席にいるある女子生徒
を睨み付けていた・・・そこにいたのは
姫奈瀬 夜宵彼女は・・・この学校にいる
誰もが知っている・・・いやこの話はやめよう
とりあえず学年一の秀才と覚えていればいい
ただ今は彼だ、今の問題は・・・なぜ彼が
俺に対してこんな形でかかわってくるのか
そしてなぜ、彼はほとんど話したことがない
俺に何か問題が起こることを教えてくれるのか
なぜ彼は問題が起こるとわかるのか
聞きたいことが山ほどあるが俺と彼は
話したこともなければかかわったこともない
それなのにこんなことを聞くのはそれこそ
頭のおかしいやつだ、だから俺は思考する
彼からもらったこの手紙に書いてある
この先何らかのトラブルがあること
これはいったい何が起こるのかそれを
考えた方がいいだろう、多分これは
いま俺が受けている相談事に関連しているんだろう
ではいったいなんだ?やっぱり告白が
できないとか?・・・いや、違うな
それじゃあ大した問題にはならない
じゃあなんだ?いったいこの問題は・・・
と思考しているうちにホームルームが
終わっていて皆が一時限目の準備をしていた
「おいおいもうみんな準備してるぜ相太」
「あ、考え事してたよすぐ準備しないと」
そういって席を立つと同時に彼の席を見る
彼は・・・・もう席を立っていた後だったので
そこにはほかの人が座っていて友達と
談笑している最中だった
* *
放課後になり皆がおのおのの用事の準備を
している中、俺は彼の姿を探していた
だが彼はもう教室を出た後のようで
教室にはもういなかった
とりあえずクラスの人たちに彼の
行先やらを聞いてみるが反応は
『え?佐々木って誰?』
と皆彼のことを知らなかった
俺はいやいやクラスメイトだよ?と言うが
クラスのみんなは佐々木なんていたっけ?
と言うだけで俺は本当にこんなことが
あるのか、と思っていた
しかもいじめではなさそうで皆本当に
彼について知っているようではなかった
・・・・・彼を気にかけて気づいたが
彼はいつの間にかどこかに行っているようで
授業が終わり彼のほうをみるとすでに
どこかに行っていて休み時間でも
彼の姿を見ることはなかった
「これじゃあ好きな人を探す乙女のような
感じだな」
と自分の行動を省みてそう小さい声で
評価するとこの小声をどうやって聞き取ったのか
「おやおや~?もしかしてこっち側に来ましたか~?」
とこちらに声をかけながら近づいてくる
女子生徒がいた、肩ぐらいまで伸ばした黒髪と
学校では眼鏡にしているらしくそのおおぶちで
彼女の好きな色らしい紫のフレームの眼鏡が
特徴でたいていの人はかわいいと思うだろう
そう、容姿だけを見たらね
「あれ?おーい.....あれあれ~?もしかして
私のことわかんない?...しょうがないな~
渡辺君のためにもう一回自己紹介してあげる~
私の名前は~・・・・・」
「.....綾瀬 雛...だろ?」
「ぶー、正解は~ひっちゃんでした~」
「いや、正解も何もひっちゃんってあだ名じゃん」
「も~、前から言ってるじゃん私のこと
呼ぶときはひっちゃんって言ってってさ~」
「いや、ひn「ひっちゃん」....ひっちゃん」
「ん~、よろしい!それでそれで~?
誰探してたの~?」
「いや、探してたわけじゃ・・・」
「またまた~、キョロキョロしてたじゃん。
それで~?探してたのは男子~?男子だよね~」
もうわかったと思うが・・・彼女は腐女子
と呼ばれる生粋のBL好きだしかも彼女は
同人誌と呼ばれるものを自分で描いているようで
男子同士で会話していると必ずそこで
○○×○○~!と叫んで鼻血を垂らして
ハァハァ言いながらメモに何かを書く
そこに何が書かれているのかは・・・
誰にもわからない、だが最近は俺と健司
あともう一人が標的にされているようで
・・・男子生徒かあいつらと話していると
どこからかこちらを観察している
「ああ、そうだよひっちゃんの言うとうり
ちょっと探しているのは男子生徒だ」
「やっぱりっ!だれだれ~?」
「.......佐々木って言う男子生徒だ」
そういうと、ひっちゃんは俯きぶつぶつ
言いながら考え込んでいた
・・・・・やっぱりわからないか
そう考えているとひっちゃんはすぐに
顔をあげて
「佐々木君ってあのたいてい職員室に
呼ばれている男子生徒のこと?」
「!....うん、たいていかどうかは
わからないけど一週間に一回は必ず
三浦先生に呼び出されている男子生徒だよ」
知っていた・・・あの健司に話しても
知らないと言われた佐々木をひっちゃんは
しっていた・・・・そのことに驚いてしまい
俺は少し間を開けて話していた
「.........その佐々木君ってどこに
行ったのか分かる?」
「う~ん、そこまではね~......
あっ!ただ、あの姫奈瀬さんと一緒に
いたのはみたよ~」
そうひっちゃんに言われた俺は・・・
「マジですか.......」
と驚いた声で聴き返していた・・・