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第三話.彼と彼が話すとき物語は始まる

 

 「こんには佐伯さん、遅れちゃってごめんね」

 「いえ、大丈夫です。私が呼び出しちゃったわけですし」


 と笑顔で佐伯さんと話をしている俺ではあるが・・・

 実際、内心とても苦い顔をしてます。

 なぜなら、今から俺は佐伯さんの好きな人を聞かないと

 いけないのだ

 昨日、佐伯さんから相談をお願いされ、今日の放課後には

 バスケ部のエース、藤宮君から「佐伯さんが好き」と言われ

 だから相談に乗ってくれとお願いされる始末。結果によっては

 板挟みにもなりえるというこの状況である今、佐伯さんの

 好きな人を聞かないといけないのはとてもつらい

 本当にきつい。SAN値がやばい....俺のね。

 でもこれが俺の定めならば・・・と中二臭いことを考えて

 いると目的地に着いたらしい。そこは学校から30分

 のところにあるちょっとオシャンティな落ち着いた

 雰囲気のある喫茶店である。そこに入っていく佐伯さん

 俺は特に雰囲気に気圧されることなく佐伯さんの後に

 続いて店の中に入っていく・・・

   

           *        *


 「ここ、初めて入ったけど結構いい雰囲気だねっ」


 俺はその言葉にそうだねと相槌を打ちながら思考する

 ・・・彼女の好きな人とは誰だろう...正直に言って

 彼女がこんなことを相談してくるとは思っていなかった

 こんなゆったりした眼鏡っ娘美人は結構奥手でだいたい

 友達に伝えてから勇気をもらい、自分で伝えるものだと

 結構な偏見で見ていたが、案外違うものなんだと

 実感する。これは、考え方を改めないとな・・・

 そう、自分の世界に浸りこんでいると

 

 「・・・・君、・・・・・・渡辺君!聞こえてる?」

 「!・・・あ、ごめん。それで?」

 「もう、相談に乗ってもらうのは私だけどちゃんと

 話を聞いてね?」


 佐伯さんから小さい声ではあるが注意されて俺は

 一旦自分の世界に入るのをやめて佐伯さんに向き直る

 それを確認すると佐伯さんは好きな人について話し出した


 「それで、私の好きな人はね・・・・

 ・・・・・藤宮君なんだ。」

 「へ、へぇ~そうなんだ・・・」


 と驚きやら安心やらで、動揺してしまうがそれを

 悟られないように隠しながらできるだけ普通に

 返答する。・・・まじか~、よかった~

 ほんと、藤宮君じゃなかったら板挟みになってたし

 本当に良かった~・・・でも、こんな偶然って

 簡単に起こるもんかねぇ...もしかして俺って・・・

 主人公!?....確かに、その節は・・・ねえな!

 だって俺が主人公ならこんな相談役の枠に入ってないし

 普通にラブコメしてるしな!これでQ.E.D.

 またまた中二臭いことを考えるが、そこで俺が

 相談役であることを毎日のように実感しながら

 落ち込んでいると佐伯さんが


 「急に変顔してどうしたの?・・・私おかしなこと

 言っちゃった?」


 と心配6割、引き4割で俺を見ていたので俺は

 ああ、少し考え事をねといって納得してもらう

 そうだった今はこの相談事を解決しないといけないな

 さて・・・とまた思考を再開する

 話を整理しよう、まず佐伯さんは藤宮君が好き

 詳しく話を聞くとどうやら体育の時にけがをしたときに

 すぐに保健室に連れて行ってくれてしかもとても

 佐伯さんの身を心配してくれて、なんて優しい人なんだろう

 とその時から気になってはいたみたいだが藤宮君の

 恋愛に興味を持っていないという噂と藤宮君の

 態度が特に変わらないことで自信が持てずずっと

 一か月ほどもやもやしていたらしい、う~んこれは

 恋する乙女のような・・・うん、そんな感じですな

 それでと、藤宮君は・・・佐伯さんに一目惚れと

 ・・・・あれ?藤宮君その怪我の話ししてなくない?

 もしかして・・・・いいやつ属性も持ってるのかよ

 クソッ、勝てるところが思いつかねぇ...まあいいや

 で、二人とも体育祭の練習が始まる前には告白をしたいと

 考えているっとう~ん、体育祭って確か

 6月の中旬...ってもう一週間を

 過ぎてるじゃねえか!やばい早急にこの相談事を

 終わらせないと・・・と佐伯さんと話しながら

 考え込んで...を繰り返していると佐伯さんが

 

 「あ、もうこんな時間早く帰らないと。

 ごめんねこんな時間まで相談に乗ってもらって

 ありがとう!」


 といって席を立とうとする、俺は


 「あ、ここは俺が出すからちょっと待ってて」


 と言って俺も席を立つ、そして会計を済ませ

 佐伯さんと店を出る...外は人通りも放課後に比べて

 少なく、暗くなっていた佐伯さんは


 「本当に、こんな時間まで相談に乗ってもらって

 しかもお金まで出してもらってありがとう!」


 と言って頭を下げてくる俺は特に時間も気にして

 いなかったしお金だってそこまで高くなかったから

 

 「いや、俺だってこんな時間まで話してしまってごめん

 送って行こうか?」


 と言った、佐伯さんは「大丈夫、そこまで家は遠くないし

 人通りも多いから、それじゃあ学校でね!」と言って

 走って帰って行った・・・俺も帰るか、と思い時計を見る

 午後7時半か・・・結構話し込んでたんだなぁ

 とそう思いながら歩き出す・・・と不意に


 「こんな時間まで相談事か?『相談役』さん」


 声をかけられる、俺ははっと前を見るとそこには

 クラスで見かけたことのある男子生徒が・・・

 たしか名前は・・・・


 「え・・・と、佐々木君...でいいんだよね?」


 と彼の名前を言うと佐々木君は驚いた顔をして


 「名前を覚えてたなんてな、あんたすげえな

 まあ、話すこともないしすぐ忘れるか・・・じゃあな」


 と言って俺の横を通り過ぎていく・・・

 『相談役』・・・彼の最初に放った一言だけが

 ずっと耳に張り付いていた・・・・・・・・・


     *            *


 「おはよ~」


 そういって教室の中に入る、俺はとある席を

 見る、そこには寝た『フリ』をしている男子生徒が

 彼は俺を『相談役』とそう呼んだ、ただし俺はそこまで

 深く考えたことはなかった、これが俺の努力した結果の

 運命なんだと、俺もそこに不満もなく受け入れていた

 ただ、彼が俺のことを『相談役』と呼ぶのには何故か

 理由があるように感じてしまっていた

 そうこう考えていると、彼が立ち上がり俺のほうを見て

 近づいてくる、何を言われるのか・・・そう考え

 少し身構えるが彼は無言で皮肉めいた笑みを浮かべながら

 一切れの紙を俺に渡す、俺は戸惑いながらもそれを受け取ると

 彼は何事もなかったかのように席へ戻りまた

 寝た『フリ』をした、俺は状況が読めず何となしに

 その紙切れを開く、そこに書いてあったのは・・・・











 『運命の女神たちが人間の運命を決定するとき

    そこには憐憫もなければ公平感もない』

        (チャールズ・チャップリン)


 とか、有名な人でもそんなことを言うぐらいだ

 第三者視点からお前を見てるとこれからお前にとって

 キツイことがあるかもしんねえから

 気をつけろよ『相談役』



 追伸:この手紙を見てどう考えるかは

    お前次第だよ(笑)


          











少しずつ少しずつ、書いていけるよう

頑張りますので温かい目で見ていってください

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