05;異変の兆候
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「ここ最近休みの生徒が多いな、季節外れの風邪でも流行ってるのか?」悠輝たちのクラスの4分の1、1クラス40人であるからだいたい10人くらい欠席していた。季節の移り変わりや、毎年罹患者が多いインフルエンザの季節ならまだわかるが季節は春。気候も穏やかであり、寒暖差で体調を崩す生徒が多いとは考えにくかった。蒼夜や間島先輩から聞いたところでは他のクラスも欠席の生徒が増えているとのこと。ただ、悠輝たちのクラスほどではないらしい。〔感染源はもしかするとこのクラスか?〕「俺達は体調悪くなってないし、翠や紫、間島先輩も大丈夫みたいだけど・・・」「いずれにせよこの状況が続くようであれば何かしらが起きているということなのだろう、少し調べないといけんな。もしこれが妖異や怪異の仕業であるなら出所と原因を突き止めななければなるまい。」
翌日、悠輝たち憑依者4人は示し合わせて学園を欠席することにした。徐々に休みの生徒が増え始め、早急に事態の解決を図る方がよいと考えたからだ。 一番感知力に長けた蒼夜・アオのペアに何かしら変化を探ってもらっている途中である。〔やっぱり前に一度感じた嫌な気配かも!中心は学校でそこから街のあちこちに嫌な気配が分散しているからどれが根元なのかわかんないよ~・・・〕「僕たちが場所を絞り込めないとなるとその何かしらは随分と慎重なんですね。狡猾、とも言えますが。」「地道に手分けして手掛かりを探すしか手がないのですか?」蒼夜たちが見つけられないとなると四人で地道に動くしかない、それは非常に面倒なことであり、あまり時間をかければ学園の生徒だけでなく、街にも被害が出る可能性がある。悠輝たちとしてもそれはなるべく避けたいことだった。
ひとまず今日のところは四人と四体で別れて原因の調査をする、ということでその場は解散した。もし何か見つければすぐに連絡をするということで、四人は方々へ散っていく。
(俺は何か見落としている・・・? 気づいた時には体調を崩した生徒が増えていた、あまりにも穏やかすぎる日常に腑抜けていたか・・・?編入初日のアオの異変をそのままにしていたのが良くなかったか?)四人のまとめ約である堅悟は足早に歩きながらもこれまでの自分の行動を悔やんでいた。「編入初日・・・正午頃の学園・・・」ぶつぶつと独り言を言いながら頭の中はなかなかまとまらない。今はまだ翠や花蓮に影響は出ていないが、いつ症状が出てもおかしくないのだ。堅悟にとってそれは許せないことだった。
〔堅悟、少し落ち着いたらどうじゃ?普段のヌシのように冷静になって考えれば何か見えてくるかもしれんぞ。〕「あぁ、わかってはいるんだが・・・」ゲンに諭され、ちょうど近くにあった公園のベンチに座り、一息つく。(編入初日の正午・・・俺や悠輝は学園の案内が終わった頃、蒼夜と美鶴はすぐに下宿先に帰ったと言っていた。俺たちを狙って、という線は考えにくい。他には・・・。・・・そういえば!!)
その夜、ひっそりと堅悟は霊獣・ゲンの力を使って学園に侵入し、ある物を探していた。職員室で見つけたそれはおおよそ堅悟の予想を裏付けるものであった。目的の物を首尾よく見つけ、足早に学園を去る堅悟のスマホに突然の着信が入った。『間島 花蓮』 発信者は花蓮であった。「はい、岩島です。」「堅悟君!?花蓮が急に・・・」堅悟にとって一番避けたいことが現実になってしまう、花蓮にも例の症状が出始めているようだった。「すぐに向かいます。」それだけ伝えて堅悟は駆け出した。
翌日、堅悟とゲンに連絡が付かなくなった・・・
「さぁて、そろそろいい感じになってきたかなぁ。最初は力の使い方に戸惑ったけど、慣れてみると案外簡単じゃないか、この力で君を振り向かせてみせるよ!待っていてくれ。雪園さん!」