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霊獣憑依者の日常生活  作者: リヴェ
14/20

12;決着・悠輝

今日は一挙三話予定です。とりあえずの決着の形まで!まずは悠輝サイドから。それではどうぞ!

 〔体調が万全じゃなかったことを考えると全身型の憑依は体への負担が大きい!早めに終わらせろ!〕「わかってる!!」遠距離攻撃も可能な雄一に対して強化された速さと力で肉薄する悠輝。距離を開けてしまえば昼間のように不可視の風が飛んでくることはわかっていたからだ。腕だけでなく脚も変化した今では雄一の速さにも対抗できていた。「ふぅん、案外早いじゃん。でもその強化はいつまで続くのかな?かなり無理してるんじゃないの?」雄一もからかうように言うが内心焦ってもいた。風や攻撃が当たろうとも悠輝が怯まず攻撃を止めないからだ。傷が幾ら増えようとも前進を止めない悠輝には野生の獣たちを統べる百獣の王たる威圧感があった。「まずはその邪魔な羽をもらう!!」「〔双雷撃ソウライゲキ!!〕」雄一の目前にまで迫った悠輝が猛烈な勢いで突貫、その勢いのままに稲妻を纏わせ鋭さを増した両腕の爪で雄一の羽を根元から抉り取った。

「ぐぅぅ!!よくも、よくもこの僕に傷を負わせたなぁ!!もう謝っても許さないからなぁ!」「謝っても許さないのこっちのセリフだ!!」大きな傷を負ったことにより雄一はここに来て油断や慢心を捨てたようだった。羽は失ったが風を操る力と持ち前の速さを生かして悠輝を翻弄する戦いに切り替えてきた。

「ははは、これでいくらお前が力が強かろうが当たらなければまるで意味がない!!」凄まじい速さで移動しながら雄一が叫ぶ。煽るような物言いをしながら雄一は冷静に次の攻撃を考えていた。(この速さで翻弄しながらあいつの後ろを取る、背後からの強襲で首を取る!!)加速したままに悠輝の回り、渾身の一撃を悠輝に浴びせる。(殺った!!)「悠輝君ッ!!」翠の悲痛な叫びが響く。

 ドスッ!「・・・何ぃ?」「君ならそうしてくると思ってた。」〔お前がやりそうなことはお見通しなんだよ!!〕攻撃したはずの雄一の腹部に悠輝から生えた尻尾がめり込んでいた。憑依によって生えた尻尾は稲妻を纏わせることによって盾にも矛にもなるのだ。完全に意識の外からの攻撃にその場でたたらを踏む雄一。雷撃を纏った尻尾の一撃により自慢の速さも機能しなくなっていた。

 雄一から少し距離を取った悠輝が獣が狙いを定めるかの様に両腕も地面について四つ足で構えた。その姿は人の身体でありながら獣のようでもあった。「この一撃で、終わりにする!!君への怒りも、自分への不甲斐なさにも!!行くぞ白虎!!」よく響く声で悠輝が告げる。〔見せてやろうぜ悠輝!俺たちの覚悟を!俺たちの力を!!〕「こいつら如きにこの僕がぁぁ!!」「〔獣王白雷牙ジュウオウビャクライガァァ!!〕」

地面が爆散する程の勢いで駆け出した悠輝がすべての力をその牙に集約させ、眩い閃光とともに雄一を貫いた。閃光が駆け抜けた後には気絶した雄一と地面に二筋の黒焦げた線が残るだけだった。


 「これでこっちは片付いたかな?後は堅悟の方だけど・・・俺が加勢しなくても大丈夫だな。」〔あぁ、あれだけ堅悟とゲンのこと怒らせたんだ。相手の方に同情するぜ・・・〕「そうだな。痛つつ・・・流石に全身憑依は堪えるな・・・」〔万全とは言い難い状態での憑依だったからな、よく続いたもんだよ。〕「それじゃ、俺はちょっと休むわ・・・」気絶した雄一とまだ戦っている堅悟たちを確認してから、今回の自分の出番はもう終わり、とでもいうようにその場に崩れ落ちた。「悠輝君っ!?」今度こそ大切な人を守りきれた、満足そうな表情を浮かべながら・・・

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