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3章8話 新人君達は.....です!

いつまで毎日投稿が続くのやら……。

 地下室の一番広い部屋。

 地下室は機能見た限りでは五つの部屋があった。僕が錬金をしたのはその中でも一番に狭い部屋だ。これからあの部屋は錬金専用の部屋になると思う。


 一番広い部屋には何もない。

 これはセイラいわく倉庫として扱ってとの事だったけど、今、これ以上に活用出来る場面はないだろう。


「少しだけ預かっていて。準備があるから」


 僕は全員をミッチェルに預け床に丸を書いていく。丸の次にそれより大きな丸を書いていって四つめでその手を止める。書くものといってもインクはないので親指を少し噛んで流れる血で書いた。……ミッチェルは嫌な顔をしていたけど楽に終わらせるのならこれの方がいい。


 金髪の双子の少女を無視して大きなウサ耳の女の子と手もないままで頑張って歩いてきた男の子を寝転ばせた。顔が引きつっているから怖いのかな。でも悪いようにはしない。


「すぐに終わるから安心して」


 ウサ耳の目は怖いほどに鋭くなっていた。

 何があったのかは分からない。でも人族に恨みがあることは何となく分かる。小さな呪詛が聞こえているけど僕には効かないしね。


 その間にも魔法の構築は進んでいる。

 あともう少し足りないのはイメージだけだ。それもイフの手助けで楽になる。僕はただ出来上がった血の魔方陣に手をかざして唱えればいい。


「蘇生」


 聖魔法最強の魔法で教皇でさえも使えたのは数少ない魔法だ。全ての状態異常を取り除きありのままの姿に戻す。寿命以外で死んだものを生き返らせることの出来る強力過ぎる魔法。


 日本で有名だった某バトル漫画の緑の化け物のように、着々と腕や足が生えてくる。痛みは感じないのか二人とも不思議そうに治っていく体を見ていた。


 そりゃあね、これだけの魔法があれば狙われるよね。人目に見せられない力がまた一つだけ増えてしまった。協会で一番偉い教皇でさえ欠損は治せないから、もし僕がこんなことを出来ると知ったら脅してまで治させようとする人もいるだろう。


 僕には僕の生活がある。

 誰かを救ってまで自分を犠牲にする気はない。そんなのは日本でいいだけやったからね。やるとすれば気まぐれで助ける時ぐらいだ。今みたいに必要そうだから助けた気まぐれとか、ミッチェルの時みたいに何となく助けた気まぐれとかね。


 僕は聖人君主になるつもりもない。人に尽くしたから幸せな最後を得られる、そんなのは偽物だ。キリスト教徒の中には殉死した者で体の一部一部を国ごとに保管したりするくらいだ。崇められても自由になれないだけだしなる必要性もない。そうすれば僕の一番求めるハッピーエンドになるなら考えるけどさ。


 完全に治りきった二人は手をグーパーして感覚を感じ直していた。久しぶりの手足の感覚はどんな感じなんだろうね。僕達は五体満足でいたせいで無い時の不満は分からないから。


 感じるとしてもどこまで理解出来るのか。一日中、その状態だったとしても、生まれてこの方五体不満足の人とでは感じ方は違うはずだ。だから僕は感じられたとしても完全に分かったとは言わない。


「……どうやったのですか?」

「……初めて見る魔法なの……」


 二人とも不思議そうに僕に聞いてきた。

 さて、どう話すか。さすがに教皇に出来ないことを出来るなんて言えないしな……。


「私に任せて貰えますか?」

「ミッチェルが? しっかりと話を出来る?」

「はい、お任せ下さい」


 何となく嫌な予感がするけど任せてみる。

 さすがに僕のマイナスになるような事はしないはずだからね。信者になるか、普通の人になるかはミッチェル次第。……後者になるように最大限の祈りを捧げるよ。


 それにしても双子の女の子を助けなかったことには何も言わなかったな。理由が分かっていたのかな。でも僕のミラージュ並に強烈な魔法だと思うんだけど。


「……なぜ我らは助けてくれないのですか」

「冗談も大概にしたほうがいいと思うよ。雑魚ならまだしも僕にはそれ、効かないから」

「ですよね! 知っています! ですがそれなら我らを買うのに忌避感を持つはずです!」

「多分、我らの種族を知っている。童貞の匂いがするからそっちの意味で買ったのだよ。それ以外に買う理由がない」

「あー、ないね。何となく買っただけだし。一応、種族の悪魔っていうところには惹かれたよ。でも言うことを聞かないのなら捨てるつもりだったし」

「鬼畜です!」

「鬼畜だよ!」


 さすが双子、反応は同じで言うことも同じか。少しすると二人の髪色が茶色に変わってポニーテールと短髪の子に変化した。うん、ここまで美形だとは知らなかった。


「鬼畜の旦那様はなぜ買ったのです? 虐めるためですか? ですが甘んじて受け止めるです」

「変態姉の言うことは放っておいていいんだ。我らがサキュバスなのは知っているんだよね?」

「知っている。何となく悪魔って何か知りたかったしね。そっちも僕のこと少しは分かるんじゃないの?」

「……人ではないことは分かるです。ですがそれだけで他にはかなり強いことだけしか分からないです」

「悪魔は強い人の下につくんだよ。もしくは面白そうに感じるか、それだけで悪魔は簡単に靡くんだよ」


 見た目は同い年なのに体から発せられる色気はその比じゃない。……って、絶対になにかしているだろ。


「変なことをしたら殺すよ。興味で買っただけだし別に不必要なら捨てればいい。ただキチンと仲間として働くなら迎え入れるけど」

「うー、買った理由が分からないんだよ」

「ウルルはまだ悩んでいるのですか。我はもう決めているのです」

「うるさい! イルルのせいで買われることを了承したんだから、考えていることは同じだよ!」

「我らはついていくのです。不必要ならどうぞお捨てになっていいです。……我は一目見て惚れたのです! 悪魔の中でもその年でそれだけの力を持つ存在はいなかったのです! 愛してもらうために買われたのです!」

「我は……イルルが買われたいからと納得したのだよ。でも今の魔法を見て考えを変えた。我にもご寵愛を頂きたいのだよ。強い人の遺伝子は欲しいのだよ」


 なんという悪魔的発想。

 ならあれか、強ければ不細工でもいいと。悪魔からすれば見た目はどうでもいいと、そういうことなのだな。


 いや、でもさ。そんな抱いてーみたいな目で見られても僕、そんなことする気ないんですけど。


「いや、抱かないから」

「なぜです! 我はこう見えても異界でモテていたのです! 体ですか! 貧相な体がいけないのですか! それならこれはどうですか!」

「おっ、おう……」


 イルル、茶髪のポニーテールで姉の方がギャーギャー騒ぎながら胸をさすっていた。いや、それだけならいいんだけどさ。何で体をちっちゃくさせたのかな。


 どこのエロ漫画だよ……。

 見た目は小学生で胸が大きいって。


「……これでもないのですか」

「ごめん、元の方が好きかな。というか僕の言うことを聞くのなら抱かないけど、幸せにはするつもりだよ」

「幸せに……ですが! 騙されません!」


 黒い尻尾をバタつかせて顔を赤くしたイルルに説得力はない。なんだ……チョロインじゃないのか?


 試しに妹のウルルを抱き寄せてみるとイルルと同じ反応をしていた。あっ、顔を俯かせている。……何となく扱い方は分かったよ。


 逆にウルルを抱き寄せたらイルルの顔が悪魔みたくなった。いや、悪魔だけどさ。なんか恐怖を煽るくらいに怖い顔をしていた。嫉妬かねぇ。


「……あの、ギドさん終わりました」

「ああ、ありがとう」


 イルルに怖い顔をするのはやめて、と言っている最中にミッチェルが戻ってきた。イルルを説得するのは簡単で僕はその顔嫌いだなって言ったら「もうしない」と半泣きで言っていた。うん、かーいーかーいー。


「二人を入れてもよろしいですか?」

「いいよ、こっちの二人も何とかなりそうだから」

「チッ……では入れます」


 今、舌打ちしませんでした!?

 いや僕にじゃないのは分かるよ? でも二人に対して殺気を送っていましたよね! そんなに嫌だったんですか?


 でも、そんなことすら可愛く思えている僕は末期なのかもしれない。二人を体から剥がしてミッチェルを後ろから抱き締める。


「ふっ、二人とも! おゆるふしがぁ、ゴホン、出ましたにょ!」


 噛みまくりですね。

 やっぱりこっちの方が可愛いや。


「失礼します」

「失礼するの」


 息を合わせたように声が重なる。

 中に入ってきた男の子は黒スーツを、ウサ耳はメイド服を着ていた。この屋敷に置かれていた備え付けの道具だね。初日に見せてもらっていた。


 男の子の方はロイスより少し年上かな。

 銀髪でロイスより短い髪型。ロイスはカワイイ系の女の子っぽさがある顔立ちだけど、こっちは男らしいイケメンだ。


 ウサ耳は長い銀髪の垂れ目で何よりもアキより少し小さい胸が印象的だ。メイド服のせいで余計に胸が強調されている。……あの、すいません。胸を見ていたのは謝るので自分の胸をさするのはやめてくれませんか? ミッチェルの胸は小さくてもいいんだよ?


「ミッチェルは今のままがいいんだ」

「……分かりました」


 少し不服そうだけど仕方ないよ。

 やっぱり大きい旨は見ちゃうって。


「自己紹介をお願いします」

「はい、俺はエルドと言います。人族でギド様には最大限の忠誠を捧げます。どうかお側に置いてください。死ねと言われれば死にましょう」


 はい、アウト!

 やっぱり後者にならなかったか……。となればウサ耳もだよね……。


「キャロなの。語尾は変えられないので許して欲しいの。兎族の族長の娘で人族が嫌いなの。でも主様は大好きだからお側に置いて欲しいの」


 うん、言っていることは普通だ。

 でも騙されないよ。マップではキャロも信者マークだし。信者じゃないのは悪魔っ子だけだ。……この二人だけは何とか死守しなくちゃ。


「どれだけギド様がすごいお方なのか、ミッチェル様に聞かせてもらいました。俺はそのようなお方に買われてとても嬉しいです。どうか、ギド様のお好きなように扱いください」

「キャロは人族が嫌いだったの。でも助けてくれたこと、ミッチェル様から教えて貰ったことでここにいる人は信用しようと考えているの。特に主様はカッコイイし救ってくれたことが何より嬉しかったの。主様以外に抱かれること以外ならなんでもやるの」


 二人とも戦うことは嫌がっていないね。

 後さ、僕のこと好きな子を他の人に抱かせたりしないから。僕ってどれだけ鬼畜だと思われているのかな……。


「大丈夫だよ。そこのイルルとウルルだけは奴隷紋で縛っておくけど、二人は解放する。それで僕の弟と一緒に名前を売って欲しいんだ。それが僕の望み」

「いえ、この奴隷という証がギド様との一番の繋がりです。どうか、バレないような奴隷紋を付けておいてはくれないでしょうか」

「キャロも同様なの。主様との繋がりが一番に大切なことなの。これさえあれば何でも出来る気がするの」


 なるほど、いや、まぁ、あったら僕の庇護下にあるから経験値上昇位は受けられるんじゃないかな。イフならそれくらいは出来そう。


【魔法の適正が上がりますね。それと魔法面での上昇率が高くなります】


 十分じゃないですか。

 ってか、それを僕が欲しい。


「なら分かったよ。ちょっと待ってね」


 さて、どうしようかな。

 もしそうするのならスキルポイントがかなり必要になる。とすればいい方法は……イルルとウルルのステータスはロイス並だから要らないとしても、二人の強化の時に一緒にやればいいか。


 全員で合わせてやればいいからロイスもいた方がいいね。それなら今日は顔合わせで明日から訓練でも始めるか。次いでに僕の奴隷術もレベルをあげよう。よかった、奴隷を買った時に手に入れられて。


「そういえばそちらの二人は?」

「キャロと同じ境遇だった二人もいないのよ」

「ああ、あそこの二人がその人達だよ。悪魔だけど二人の仲間になる。仲良くしてね」

「我はイルル」

「我はウルル」

「それはそれは、怪我が治って良かったです。いい主に買われましたね」

「ミッチェル様が言うには主様はキャロ達を奴隷として扱わないようなの。少し不服ですが頑張って楽しく生きていくの」


 なんだかんだいって四人は簡単に意気投合していた。でもさ、その理由が僕を守るためって言うのはヤバいと思う。なに? 共通言語、世界を繋ぐ言葉かな? 僕は?

不動のメインヒロイン、ミッチェル。

ミッチェル優遇ですが全員にスポットライトは当てるつもりです。早く戦闘会を描きたいぃぃぃ(願望)



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