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真実を知るもの達

完全な蛇足!だが、本当の真実はここにあった。

「失礼します。」

 時刻は夕方五時半過ぎ。静かな部屋にひとりの男が現れた。部屋の中には天井までの届く本棚が壁に沿って並べられており、様々な会社の社史や業界の専門書などが並んでいる。夕日を遮る為ブラインドがさげられているが、そのサイズは大きなガラス窓がある事を物語っていた。窓際に置かれた一枚板の大きな机と革張りのチェアーには、白髪をオールバックに整えた初老の男性が腰をかけている。

「丹波君、遅かったじゃないか。」

 初老の男性は部屋に入ってきた丹波に声をかけ、デスクの前に置かれた応接セットのソファーに座るよう促した。

「田岡社長、勘弁してくださいよ。法務部でもかなりがんばったんですから。」

 丹波はそう言ってソファーに座る。

田岡社長もソファーに移動し、座りながら髪を整える。

「いや、すまないね。」

 シガーケースから煙草サイズの葉巻を取り出し、応接用のライターで火を付けた。

「君もどうだね?」

「いえ、葉巻は性に合わないもので。」

 田岡社長はそうか、といってシガーケースをテーブルに置いた。それと共に丹波はポケットからセブンスターを取り出し火を付ける。

「さて、首尾はどうだい?」

 田岡社長は紫煙をくゆらせて質問する。

「ええ、谷村氏は完全に不起訴で警察の方からも立件はしないと言う言質は取れました。既にグループ内からロシアへの出向の手筈も整っています。渡航も問題無いでしょう。」

 丹波の言葉に瞬き一つせず、田岡社長は耳を傾ける。

「それと、一年ほど前から調査していた谷村氏の循環取引未遂も火は消しました。伝票上のやりとりが終わったばかりで、販売先からの手形のサイトが長かった事が幸いしました。取引が谷村氏スタートがだったので、こちらで製品を急遽用意して最終納入に委託加工と言う形で話をつけましたよ。」

 丹波そう言って煙をフーッと天井に向かい吹く。

「あと、営業部の中橋君・・・男性の方ですね。例の取り調べの時に中橋君にも話を聞きましたが、完全に谷村氏の暴走です。以前自分が担当していたということもあったのでしょう。中橋君の顧客に入力したデタラメな見積に関しても、あの見積もりを元に循環取引を持ちかけるつもりだったようです。これには中橋さん・・・例の女の子ですね、彼女を取られたという私怨が強かったみたいですが。」

 田岡社長はなるほど、といって立ち上がる。窓際まで歩き、ブラインドの隙間から外を覗いた。

「これで問題は無い。株主、投資家に情報が漏れないようにだけ注意して行かなければな・・・丹波君、見てみたまえ。」

 その言葉に丹波は煙草を灰皿に押し付け、窓際へ向かう。

「どうしたんですか?・・・ほう」

 窓からは一組の男女が手をつなぎ歩いているのが見えた。

「中橋君達、今回の件でくっついたんですかね?」

 丹波は田岡社長に尋ねた。

「さぁ・・・な。まぁ、多少のことは多めに見よう。真実も教えられない上、私は自社の社員を危険な目に合わせてしまった。浜中君を含めてだがね。」

 田岡社長は手に持った葉巻を咥え、自分の机の椅子にゆっくりと腰掛ける。

「彼らには、彼らの真実がある筈だ。私は社員の幸せを願うばかりだよ。まだ若いんだ、余計な事は知らなくていいんだよ。」

 葉巻の煙が夕日に照らされ、白いもやとなって移る中、田岡社長はそういったのだった。

 

くぅ~疲れましたw これにて完結です!

実は(以下略



最後まで読んでいただき、ありがとうございます。もうね、矛盾を生み出さないようになるべく頑張ったんですよ。まぁ、処女作なんでおかしなところあっても優しさでスルーしてください。

あと、中橋君の名前とカナエの具体的な容姿は、あえて書いておりません。理由は秘密。

大阪のサラリーマン、ここまで適当ではありませんが、浜中部長みたいな人は本当にいますよ。

でも会社の決まりとか法律とか、社会に出ていても分からないんで、警察の対応含め全部想像です。フィクションです。異世界モノと同じ目で見てください。

  

最後まで読んでくださった方がいらっしゃいましたら、本当にありがとうございます。リアルで会ったらジュースおごります。150円までだけど。

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