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さくら駆ける夏  作者: 桜坂ゆかり
第二章 居候開始
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ブログ立ち上げ

「あれからずっと考えてたんだけど」

 部屋に入ると、涼君が言う。

 そんなに真剣に考えてくれてるんだ。

「ネットを使って情報を集めるのはどうかな」

 それは考えたこともあるけど怖くて、と私は答えた。

「別に個人情報をさらす必要はないと思うんだ」

 涼君は力強く言う。

「本当のご両親なら、ちょっとした情報からでも、すぐさくらちゃんのことが分かるはずだから」

 たしかに、それはそうかも。

「俺がブログを立ち上げようと思うんだ。そこでも情報を集めるようにしたほうがいいんじゃないかな」

「涼君って、行動力があって、何だかすごく頼もしいね」

 私は思ったままの感想を言うと、彼は嬉しそうに笑った。

 笑う表情が、美優さんによく似てるなぁ。

「一応、部活でキャプテンやってるから」

「サッカー部?」

「うん。あのボールを見て気づいたんだね。あさって練習日だし、見にきてよ」

「でも、部外者は入れないんじゃ?」

「外からでもグラウンドがみえるからさ。ちょうど明日は紅白戦の日だし、その試合だけでも。そのあとすぐ解散となるから、一緒に帰ろう」

「うん。それじゃ、見に行くね」

 誘われて嬉しかったんだけど、ふと気づいたことがあった。

 涼君はサッカー部のキャプテンで、かっこいいから、きっとモテモテだと思うし、誘われた女子は私以外に何人もいるんじゃないかなってことを。

 でも、私も少なくとも嫌われてはいないということは、間違いないと思った。

 なんか、涼君のことばっかり考えてる自分がいる……。

 だめだめ。

 こんなんじゃ、両親探しがはかどらないし。




「そうそう。さっきはありがとね。圭輔さんはあのときはまだ、私の事情を知らなかったから、ああ言われたと思うんだけど、フォローしてくれたんだよね。ありがとう、嬉しかった」

 涼君は真顔になって、ちょっと頬が赤くなったようにみえたけど、すぐ屈託のない笑顔に戻って言った。

「いえいえ、気にしないで」

 そして、言葉を続けた。

「それじゃ、これからブログを立ち上げよう」

 横で画面を見つめる私と相談しながら、涼君はブログを開設してくれた。


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