第九話
ルンはある日熱帯魚屋の前を通った。
すると店の前に「産地直送」と書かれたのろしがあった。
「産地直送?」
ルンは気になり店に入ることにした。
そこでアロワナが欲しかったが予算の都合で金魚を一匹買った。
金魚は『金ちゃん』と名前をつけて店で飼うことにした。
金ちゃんはちょっと大きめのワイングラスで飼われた。
「へえ金魚飼ったんだあ」すっかり常連になって毎日来るようになった仲本が金ちゃんのグラスをつつきながら言った。
「そう。金ちゃんって言うの。」
ルンは笑顔で答えた。
「金ちゃんかあ。ねえ、でもこれ酸素足りてるの?」
斎藤は疑問に思いそう言った。斎藤も仲本と同じく毎日来るようになった常連だ。
「え?何、酸素って」
ルンは無知だった。
「これこのグラスで飼うんじゃあちょっと酸素送ってやらないと死んじゃうよ」
ルンは「エエー。」と金ちゃんに目をやると金ちゃんはすでに死にそうになっていた。
「今すぐ応急処置しよう」
斎藤は慌ててルンに言った。
「ストローとビニール袋っ」
と斎藤はルンに指示しルンは急いでストローとビニール袋を用意した。
斎藤はビニール袋に空気を入れてそれにストローを通し酸素を送った。
金ちゃんは一命をとりとめた
が次の日には死んでしまった。