第八話
「確かに不思議ですね」
初めて店に来た仲本とルンは大笑いしながら話していた。
「そう思うでしょう?なぜ人間は肉をミンチにしたりしときながら、またハンバーグのようにつないで塊にして料理するのかって」
どうしょうもない不思議を二人は話題にしては笑った。
「それなら私、アイスで太るのが不思議。アイスは水分でしょう?って」
仲本は笑いながら後ろでドアが開いたのが気になって振り向いた。
するとさっきお金を取りに行った斎藤が現れた。
「お、斎藤さん。再登場!」
ルンはダジャレを言ったが誰も気づかなかった。
「お店閉まってなくてよかったよ」
そう斎藤が席につこうとすると
ルンは言った。
「残念ながら、もう11時だから閉店です。」
仲本は「もう閉店?」と驚いた。
「はい。今日は楽しかったです」ルンは二人にそう言った。
斎藤は「また来るよ。」と言って
店を出た。
仲本は「このあと飲みに行こうよ」とルンを誘ったがルンは断った。
「ごめんなさい。私これだけは守らないとって言うことがあって。そういう理由で店の閉店時間も短いんです」
仲本は何の理由か気になったが聞くのは野暮だと思ったのか聞かずに店を出ていった。