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第七話

ブルーの看板には『cafe&bar blue tent』と書かれていた。


夜19時にオープンするブルーテント。


まもなく19時を回る。


ルンはカウンターの椅子に腰掛けタバコを吸った。


自分をお客さんだと外の人に勘違いさせる作戦の一つだった。


言わばサクラってやつだ。



タバコを吸い終え、お客を待つ。


10分がルンには一時間のように感じられた。


しばらくするとお客がきた。


第一号のお客様だ。


ルンは「いらっしゃいませ。」と笑顔で出迎えた。


お客は微笑み返してこう言った。


「まだできたばっかりですか?このお店。」


そしてルンが返事をする前に続けて言った。


「素敵な名前ですね。ブルーテントって。」


その言葉に思わずルンは笑った。


「今日が本当の意味でオープンなんですが。それから店の名前の意味ご存じですか?」


ルンが笑いながら言うのでお客は焦ったが


「いや。意味はわからない。ブルーテントっていい響きだなって。」


と照れながら言った。


「こじきの家ですよ。ほら

公園とかに青いテントはってるじゃないですか?」


二人は笑った。


笑い話にはなが咲いて気づくと二時間経っていた。


「あのさ、僕一回帰るけど、また来るから。今日。お会計一回してもらっていいかな?」


ルンは 「三千円です。」と言った。


「あれ、意外に安いんだね。僕今日給料前でお金なくて、一回家にとりに行ってくるよ。」


お勘定に名刺を添えてお客は帰った。


名前は『斎藤俊』と書かれていた。


斎藤は「お客さんまだ来ないといいな。」と舌を出して言って出ていった。

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