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第十話
「それがその金ちゃんの墓じゃよ」
老人は持ってたホウキの先で差した。
差した先にはアイスの棒が刺さった金ちゃんの墓があった。
「はあ…」竹中は黙って老人の話を聞き続けていた。
「で、何で営業時間がたった四時間なんですか?ぼく店通る度にやってなかったんですよ。」
老人は「ルンは病気だったんじゃよ。」と言ってホウキで、もうホコリ一つない地面をはいた。
「病気…。何の病気ですか?」
「それが名前を忘れてしまった。なんて言ったかのう
?とにかく睡眠をとらなきゃ治らない病気とかでなあ。」
「なるほど。」竹中は納得した。
「で、店に人は入ってたんですか?」続けて聞くと
「ああ。入ってたよ。こんな日もあった」と老人はまた語りだした。