表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/14

第一話

「またかよっ。」


そう呟いて僕は店の看板を見上げた。


この店、オープンしてから何回か足を運んでるのにも関わらず、一度も営業してたことがない。


営業時間は午後19時から午後23時。


定休日は日曜日。


そんな情報を知って何度か訪ねたが、店の灯りがついていることもシャッターが開いてることも一度もない。


僕はその店の前で、覚えたてのタバコに火をつけた。


店の前に街路樹が植わってる。


この木は少し小さいけど、ハナミズキという木なことは知っていた。


花が咲いてる。ハナミズキの開花シーズンは確か4月の終わりだった気がする。今は4月の頭だからやはり温暖化の原因とかでこの花の生態系もズレが生じているんだろうな。


そんなことを考えながら僕はタバコを地面に捨て、火を足で揉み消そうとした。


「ポイ捨てはダメだよ。」そうにっこりと笑って老人は僕の吸っていたタバコをほうきで吐き、持っていたちり取りに入れた。


「あ、スミマセン。」僕が慌てて謝ると老人はまたにっこりとして「この店ならもう閉店したよ。」と言った。


「え?もうやってないんですか?」


「ああ、先週閉店したよ。私もこの店の常連だったんだけどね。とても楽しい店だったよ。」老人はまたにこりと笑った。

「オープンしてから約一年間、たまにこうして来たんですが本当に営業してたんですか?」


僕はその老人なら何か知っていると思い聞いた。


「やってたよ。」


そして老人はこう言った。


「聞きたいかい?どんなお店だったか。」


僕は「はいっ。」と言って老人の話を聞くことにした。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ