3回目のニュース
真実の愛〜〜警察官ストーカー物語。
ボクこそが、陽子に、『真実の愛』を与える。
陽子の体が欲しい、などという、動物の欲求とは、次元が違うのだ。ボクが繋がるのは、そう、陽子の魂。
陽子はまだ、人間のレベルが幼くて、『真実の愛』に気づくまでに、至ってない。
だけど、そんなことは問題ないこと。
ボクと繋がれば、陽子のレベルは、ボクと同じところまで上がれる。
陽子。
さあ今日こそ、魂で繋がろう。
ボクは、陽子には内緒で作った合い鍵を使って、陽子のマンションに踏み込んだ。
陽子は、荷造りをしながら、レベルの低い言葉をボクに浴びせる。
「アナタから離れたいから、故郷に帰る!アナタのしていることは、立派な犯罪よ!警官がストーカーだなんて、最悪!」
陽子の罵声は、心地よい小鳥の囀りだ。
魂のレベルの低いものが、レベルの高いものに遭遇したとき、誰でも反発するものなのだ。
それまでのアイデンティティを否定される訳だから、それが普通の反応。
でも大丈夫だよ、陽子。
ボクと一つになったときに、次元の高い新しいアイデンティティに気づくことになるんだよ。
「アナタ、勝手に合い鍵作って、なんどもここに来てるけど、それも犯罪だってこと、アナタ警官なんだから、分かるわよね?今日限りでアタシと関わらないって約束してくれるなら、訴えないわ。だけど、プレゼントのヴィトンのバッグとかは、返さないわよ、慰謝料なんだから!」
なんだ?今の言葉は?
レベルの度合いが、低すぎやしないか?
いくらボクでも、そこまで低いと、救えないかもしれない。
陽子。
ボクが救えないなら、誰も君を救えないよ。
そんなレベルのまんまで生きていても、不幸なだけさ、悲劇なだけさ。
悲劇の幕引きは、ボクがしてあげよう。
それも「真実の愛」の、ひとつだから。
心配しないで、陽子。
君を独りぼっちには、決してしないから。
君と共に、ボクも旅をするよ。
あっちの世界で、繋がりあおう。
陽子、こんなにも愛しているよ。
ボクは、拳銃を取り出した。。。