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しるし(詩集)

鼠色の夜空に

作者: さゆみ


黒にならない鼠色の夜空を見上げる

それでも月も星もくっきり輝いていた

瞼を開けば足音も立てずやって来た12月の君

声を出さず笑った


<ありきたりだな。また夜空を見上げて詩を書こうだなんて>


「仕方ないよ。足下見てても光り物は滅多に見つけられない」


冬の夜空は始まったばかり

見えない多忙に薄れる希望

急かされる気持ち襲う不安

冷えきった風景が気持ちに刺しこむ


この夜空の下でたくさんの想いが巡っている

たくさんの現実が重なりあってすれ違う

出会いとか別れとか幸せも苦しみも

喜びも悲しみも貧困も病魔も絶望も

社会は決して平等では成り立たないから

それでも皆必死に生きている


冬の夜空は始まったばかり

鼠色の空はきっとあたたかさのせいだ

ここはまだあたたか過ぎるから

真っ暗にはなれないのだろう


強くならなくてはいけないだろう

しっかりとした意思を持ち前へ進むべきだろう

でも今はただ優しくありたいんだ

人に物にまわりに優しくだけありたい

鼠色の空を見上げて

12月の君に微笑んでみる







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― 新着の感想 ―
[良い点] 人に物にまわりに優しくだけありたい この気持ち、失ってほしくないですね。 うまく導きましたね。 [一言] ねずみ色のはずが、今は外灯や広告で明るくなってしまいましたね。 風情がなくなって…
[一言] 読ませて頂きました(^^) とても素敵だなぁと思います 読んでいて、優しい気持ちを貰いました 「この夜空の下でたくさんの想いが巡っている たくさんの現実が重なりあってすれ違う」 ここが特…
2013/12/04 17:04 退会済み
管理
[一言] お久しぶりの更新がうれしかったです。 この季節特有の静寂感を感じますね。 ネオンでキラキラして妙にはしゃぐ中、追われている感じが。 >社会は決して平等では成り立たないから >それでも皆必死…
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