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第37話 古びた剣

すいません、個人の都合で半年以上更新とめてました。


やっと動いた手が、書きたくて堪らないといってはおりますが、少な目の文字数です。

生暖かい目で見守ってやってください。


負傷したエディンを連れて幌馬車を走らせる。


しばらく街道を進むも、特に奇襲はなく何ごともなく城下町まで到着した。


城下町には一目見て活気が溢れているのが分かった。それに城下町には亜人も同時に溢れかえっていた。


「ここがオーロの東の玄関口、リバーイーストだ。今日より1週間の間五ヵ国協定会議にて本国は盛大な催事を執り行うこととなったのですこし様変わりしているがね」


「ここが、あのオーロの街.....あの、失礼ですが本当に?」


「とても紛争していた国とは思えない」


「そうだ、ここが偽りの無い本当のオーロだ。この街ではそれが全て体現している。本国ではここいらは貧困と疲弊が重なり、蓄積した膿だといわれている。


しかし私はそうは思わん。見てみろ、この栄えぶりを」


エディンの指す先には先ほど負傷した兵士達が丁度白い石造りの建物に搬送される最中だった。


負傷した兵士はいいが、死亡した兵士はその骸を弔う者は居ない。


それが命のやり取りをする戦場ならなおさらだ。


しかし、この旧アルミニオ領に属するこの土地では、領民の意思で協会にて一時保護した後外の霊園に葬るそうだ。


「これほど環境の良い戦争地帯など、見たことありません」


エレネが感嘆の声を上げる。というのも、戦争地帯にあって果樹が生え、井戸がいたるところに点在しているからだ。


「無論、争いが無いわけではない。しかし争いは自治区民に任せている。


 ここに住まう全ての民がアルミニオの民なのだ。皆が意識し、助け合い生活している。


 それが元アルミニオ、現オーロ帝国リバー自治区なのだ」


エディンが帰ってきたことを見つけた二人の白衣を着た娘が寄って来た


「エディン様お帰りなさい!!」


「エディン様!!!お怪我されてるじゃありませんか!?」


二人を皮切りに次々とエディンの周りには人だかりが出来ていた。ほぼ女性であるから、エディンは相当な苦労者であろう。


「この程度は大丈夫だ。それよりも、プルーヴォの使者が見えている。丁重にお出迎えするのだ」


エディンがそういうと、はっとしたようにエレネ達の周りに人が集まってきた


その中で一際元気の良い犬耳の女の子が声を掛けてきた


「ようこそ、アルミニオへ!!!歓迎いたします!!」


そういうとエレネ達の手を引き、近くの白い建物に運ばれていった


その様子を遠くからエディンが見守る


「彼女らが、我らの国を清める清流となればよいが....」


エディンはそう言いながらオーロ本土のほうを見やる


「同じ王女でも、貴様とは明らかに違う。


 ―彼女らは水だ―


 どんな者でも同じように恵みを与える。


 貴様ら、本土の奴らには分かるまい。」


一際拳を握り締め、夜の帳が下りた闇を睨みつける。


実はエディンはアルミニオ陥落の際に国を空けていた


理由はそれまで同盟だった旧オーロ帝国の重臣から来た依頼によるものだ。


エディンはオーロ域における屈指の実力者で1人で1個師団レベルはある。


それを鼻に掛ける事も無く、ただひたすらアルミニオの発展に貢献してきた。


それも全ては愛する故郷と女王陛下の為、粉骨砕身の意気でここまで剣を磨いて来たからによる。


アルミニオ陥落に際し、時のオーロ重臣達はアルミニオの勇者エディンを危険視していた。


アルミニオは統合前のオーロの中で最大の国土を誇り、国民の為の為政者も数多く居た。


そのアルミニオを落すのは一筋縄ではいかない。


そこで一計を案じた。


勇者エディンが不在のアルミニオに虚言を流し、混乱に乗じて一気に畳み掛けるというシンプルなものだ。


それがこの一枚岩の国には見事に通じた。


エディンには秘匿任務だと言い、国外へ朝早くに連れ出し、居なくなったところでオーロお得意の陸軍による奇襲作戦だ。


アルミニオが危険に晒されたときにはすでにエディンはアクロ国境まで来ており、すぐに引き返そうとも一緒についてきた護衛官がなかなか強く手こずる。


護衛官を全員討ち取る頃には王宮が陥落しており、敵の手中に王が居る以上エディンは抵抗するすべを持たなかった


「....すまぬ、エディンよ」


処刑される間際、あの王の言葉を今でも忘れない。


王には一人娘が居たが、辛くも国外へ留学しており、陥落の際の何を逃れた。


名はカテリーナ・フセーヴォロドヴナ・ボリシャコヴァ。


アルミニオ王家の中で比較的王から遠い血縁となるが、アルミニオ襲撃時安全圏に居たのはカテリーナのみである。


アルミニオ最後の生き残りであるカテリーナを、エディンは私財を投げ打ち全力で擁護した。


その甲斐あってか現在カテリーナはレナータと名乗り、アクロ国内にかくまわれている。


今回のオーロ対プルーヴォの構図もこれが原因なのだが、鋼兵の出現により戦況が大きく一遍してしまった。


「あとは"デンサヂャルデーノの悪魔"殿にお任せしよう。


 我らアルミニオに恐怖は無い。あるのは今は亡きアルミニオ国王の志と我らの意思だけだ」


エディンは背中の剣の紋章を深く見つめる


「我らの戦は始まった。彼女らが我らにとって"冷や水"とならなければ良いが」


そして、エディンはエレネ達が入った建物へと歩んでいった


「......」


「あら、エディン様今日は随分と酷いですわね、手当ては?」


エディンが白い建物に近づくとネコ耳でビッカビカの金髪を後ろで纏めた巨乳のメイド風な女性が声を掛けてきた


「イネスか。悪いが手当てを頼む。あと治療術師も呼んでくれ」


「まぁまぁ、それは大怪我じゃありません?」


イネスと呼ばれた女性はやさしくエディンを治療室まで招きいれ、ぽやんとしながらも後ろに指示を飛ばしエディンの治療に当たる。


「今回は何をされたんです?」


エディンの腕についた包帯を外しながら、イネスはやれやれといった感じで問いただす


「何、ちょいと本土のやつとやりあっただけさ」


「!?」


たちまち場の空気が凍りつく


「そ、それでよくご無事で」


若干震えながらも、イネスは淡々とエディンの腕の治療を続けた


「....イネス」


「聞きたくありません。私は、何人もそういう人を見てきました」


イネスの手は震え、碧眼の瞳には恐怖が映っていた


「すまない。


 しかし、これが最後のチャンスだ。今しかない。


 だから俺は行くよ」


「っ!」


イネスはエディンに抱きつき、静かに涙を流した


「....この戦が終わったら、迎えに来てもいいかな?


 君のレモンパイの味が忘れられなくてね」


イネスはコクンと頭を振り、さらに強くエディンを抱きしめる


「....死なないでください」


イネスは弱弱しくエディンを見つめ返す


「任せろ。必ずや、この国に光を取り戻してみせる!!」


エディンはそういうと、自分の唇に彼女の唇を重ねた


「っ!!!!」


突然の状況に最初は理解できないといった状況だったが、イネスもキスを仕返した


「おっ!!....んぐ」


この空間を二人の甘い空気で満たしていった。


「エディン様...」


「イネス.....」


呼ばれてやってきた治療術師が呼ぶまで、二人はいつまでもいちゃついていた

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