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第12話 戦の果てに

あれ、今回も短いですね...


敵軍大将を倒した後は、周りに残っている残党兵を気で索敵する。


「...周囲に誰も居ないな。


 それにしても、あの隊長は"見えて"いたな。


 この牛魔とか言う魔物も弱くは無いはずだが、"見えなかった"...」


敵が居ない事を確認し、鋼兵は刀を鞘に納め、辺りを見回した


すでにオーロ帝国牛魔軍の姿は無く、すぐ後ろにはミーネの隊が迫っていた。


「鋼兵様、ご無事で!!」


駆け寄ってくるミーネは疲弊した様子はあるものの傷や暴行された様子はなかった


「あぁ。


 そっちは?」


「はい、私達が応戦していたところなにやら鋼兵様の助太刀と申す一団が現れました。


 その方々は信じられぬほどの武勇を誇り、牛魔軍相手に一歩も引かぬ戦いぶりでございました!


 鋼兵様、あの方々とはどういった間柄なのです?」


いかにも信じられないといった感じでミーネは驚いていた


「昔、俺と共に戦場を駆け抜けた親友達だ。


 世界を超えて助けてくれる、良き仲間だ。


 俺は盟友を信じ、盟友達も俺を信じている。


 今回のような非道の輩からミーネ達を守るため、協力してもらった」



鋼兵は一瞬遠い目をし、過去に思いを馳せた


あの血なまぐさい修行場に在ってなお、剣の輝きを衰えることなく戦い、


泥水をすすり、木の根をかじる生活すら共にした仲である。


もっとも、鋼兵が修行場に選んだのが過去にさかのぼり、彼らと同じ時代であったのが理由ではあるが。


「あいつらは本気を出したら俺もなかなかに手こずる。


 今回のような防衛戦には彼らの協力なくしては成しえない。


 何より、ミーネたちの安全と勝利が最大の課題だったからな。


 それに今回の戦を通じて分かったものが多くあると思う。


 次の戦に反映できるようよく考えて次につなげてくれ」


「そう、だったんですか...


 てっきり、私達は鋼兵様に信用していただけていないのかと...その...戦力的に」


言っているうちにミーネはうつむいてしまい、声も小さくなっていった


「そうじゃない。


 相手が誰かわからぬままバカ正直に真正面から戦うのはバカのやることだ。


 相手が別働隊でここに攻め込むのは知っていたし、相手からここが丸見えを承知で受けてくれたのはうれしかった。


 おかげでもっとも被害を抑え、それぞれができることをして相手を退けることができた。


 これに何か不満があるか?」


「いいえ、鋼兵様が私達を思ってしてくれているのでしたら嬉しく思います!


 次はもっとお役に立てるようにもっとレベルを上げますね」


そういっていたずらっ子のように笑うミーネにはどきっとする。


それをごまかすように他の兵士に向き直った


「さて、約束通り捕虜および死者、未帰還者は無し。


 大手を振って帰るぞ!」


『はい!』


その場に居た千人近くが一斉に勝ちどきを上げた!!


背後には医療班とスクツの姿が見えていた。





これこそ、後の世に伝わるデンサヂャルデーノ平原の戦いである。


過去1000年の歴史の中でエルフのような魔法に特化した種族が牛魔のような強力な軍勢を打ち破った前例は無い。


このとき、戦果報告では千人と一人のエルフの軍勢が倍数以上の牛魔兵を討伐したとあるが、


後にオノ・コウヘイなる人物の影響力がすさまじいと、五カ国協定時に明らかとなる。



そして、この平原での敗戦を機に"大陸最強"を誇るオーロ軍が辺境の小国であるプルーヴォ王国と、


総力を挙げて戦争を始めようと考えているなど誰も知る由も無い。


そして牛魔軍の腹心がひそかに自国へ逃れるのを鋼兵は気配察知能力で気づいていたが、


あえてそれを追討しなかった


これはオーロ帝国への宣戦布告である。


この間違った戦争を終わらせる、これが鋼兵の目下の目標だった。


このように可憐な少女達を戦争へ向かわせる無能な大人に腹が立った。


今回は運よく被害が無かったものの、一歩間違えば大変なことになっていたに違いない。


俺は腰の村正を握り締め、王城へと戻っていった。


皇女にこの戦争で抱いた思いを直訴するために。

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