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サンダリル興国史  作者: 大九
0章プロローグ
2/17

プロローグ~留学~

2012年1月6日、プロローグを差し替えました。これが0章になります。ムンズ攻略編1話2話は差し替える予定はありません。次は3話を投稿します。


2012年4月28日、文字数の削減により、プロローグを二つに分けました。

「ふざけるな!!」

「いや、だからね、ハンムリルはいい所だし、学問も栄えているし、食べ物もおいしいし、何より芙雪ちゃんもいるじゃないか!婚約者同士もっと仲良くなってもいいんだと私は思うんだよ!」

「それが、一番嫌なんじゃないか。誰が好き好んで芙雪のいるところに行かなくちゃいけないんだよ!ってか、婚約解消してくれよ。」

「またまた〜。そんなにラブラブなとこ、見せつけなくてもいいんだよ。」

「誰がラブラブだ!?」

朝から続く親子喧嘩は昼過ぎになった今も続いている。この喧嘩が始まった時こそ、大勢の人が心配し止めようとしていたが この位長くなると、もはや誰も見ている者はいない。ここは、サンダール王国の首都サンダ。そこの中心にあるサンダール宮殿の謁見の間である。早朝より、呼び出されたマルクはこの寅の月に上級教育院を卒業する。その後は、サンダール陸軍士官学校に進学する予定であった。既に、先月行われた入学試験では、王子という身分を抜きにして素晴らしい成績で合格していた。

「とにかく、留学は確定なの。陸軍士官学校の合格も取り消しておいたからなんの心配もなく行ってきなさい。あっ、それと向こうでは芙雪ちゃんと一緒に住むことになるからね。」

「本当に勘弁してくれよ。この際、留学でもなんでもしてやる。でも、お願いだからハンムリルだけはやめてくれ。芙雪の所にだけは行きたくねぇ。」



一方、そんなやりとりをしているころハンムリル王国の王城では、

「お父様、マルクが我がハンムリルに留学に来るって本当ですの?しかも、私と同じ大教院に通うって?」

慌てて走ってきた少女に向かい、玉座に座る男が言った。

「ああ、本当だとも芙雪よ。婚約者殿と一緒に通えてうれしいだろう。」

王の言葉に少女、この国の第一王女である芙雪はつられて答えた。

「ええ、とっても!ってそんなことありませんわ。べ、別に私はマルクの事なんてなんにも思っていませんわ。婚約にしたって本当はもっと格好良くって、爽やかな殿方とが良かったのに。」

「では、婚約を解消するか」

王が意地悪そうに言うと

「え?あっ、ちょっ、ちょっと待って下さい。確かに、マルクは私には不似合いですけど、もしこの婚約を破棄してしまったら、マルクは一生独身になってしまいます。そんなことになっては、私も少し心が咎めますからそのままにしてもいいですわ。ええ、もう本当にしょうがなくですわ。」

(はぁ〜。我が娘ながらどうしてここまでひねてしまったのだろう)

心の中でため息をつく王であったが顔には出さない。

「マルク君には、今造らせているお前の別邸でお前と一緒に暮らすことになるからそのつもりでな。」

王の発言に、芙雪が顔を真っ赤にする。

「え?えっ?ええ~。そっ、そんな。まだそんなの早いですわ。で、でもこれを機にマルクとずっと一緒にいられる。はっ!そういえば、沙織から聞いたことがありましたわ。男はみんな野獣だって。で、でもそんな。マルクがそんなには。で、でもマルクも男ですし、私はどうしたらいいのでしょう?……って何を考えているの、私は!」

妄想モードに入ってしまった娘にため息をつきながら王は言った。

「お前の用はそれだけか?それならもう戻ってなさい。」

王の言葉に我に返った芙雪はさらに顔を真っ赤にして慌てて出て行った。

娘が出て行くのを見ると王は横に控えている宰相に言った。

「例の計画は進んでいるな?最大の懸案であった芙雪とマルク君の相性は問題無さそうだしの。」

宰相は笑みをこらえながら言った。

「万事、つつがなく進んでおります。姫様とマルク殿下がここまでお似合いになるとは私も予想しておりませんでした。しかし良いのですか?姫様に本当の事をお伝えしなくても。」

その言葉に王は難しい顔をしながら言う。

「あれには、まだ早い。恐らく向こうもまだ話してはいないであろう。」

「帝国の動きも気になりますし。」

「そうだな。しかし、帝国もまだしばらくは動かんだろう。17年前の様なことにはならんはずだ。それに次に手を出すならサンダール王国のはずだしな。」

納得顔で宰相は言う。

「それで、マルク様を我が国へ?」

「そうだ。一時しのぎにしかならんがの。とにかくどちらにせよまだ数年の猶予がある。その間にあの2人の仲を強固なものにするぞ。もう十分な気もするがな。」

「御意。マルク殿下はともかく、姫様はもう大丈夫でしょう。そして、姫様があれであればマルク殿下はもう逃れられませんな。」

宰相の言葉に、自分の娘ながら頭の痛い王であった。

1月16日、分かりにくいところを少々加筆しました。

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