あいつが…あいつがっ‼︎幼馴染のファーストキスの相手⁉︎
今日は、めっちゃいい天気だ。
しかし、オレは天気に左右されることもなく、休日はゲームざんまいだ。
平日は、いつも勉強勉強なので、この日ばかりは、羽を伸ばす。
パサパサパラ〜ンと羽のびのびだ。
ゲームは、やっぱりおもしれーよ‼︎
「ギャハハハ‼︎レアアイテムゲットだぜ‼︎」
…
「おい、そこ静かにしたまえなさいな」
…なんですって⁉︎
意味わかんねー言葉つかいやがって。
「おい、そこの人こそお黙りよ」
…
「いやさ、紀…あんた急にいっつも大声出すじゃん?あれ、うるさいんだよ。びっくりするし。黙っておやりよ。ここ、わたしの部屋だからね。」
…なにをおっしゃっているのか?こちらの小娘さんは…
「なぁ、紗樹…ここは、オレの部屋だぞ?」
「なにいってんの…紀の部屋は、もうわたしの部屋同然‼︎」
…
「うわぁ…独占欲強すぎ」
「はぁ?今なんて?」
この、独占欲強い生き物は…オレの幼馴染です。
…
「ひとりごとです。てか、オレのひとりごとに参加する場合は、参加費いただきますからね?」
「そんなの、払うわけない。あ、てかさ紀…知ってる?」
「なにを?今日が晴れのこと?」
「そんなこと、わたしにだってわかるわ‼︎そうじゃなくて、紀…キスしたことある?」
「あるけど」
⁉︎
目を見開く紗樹。
紗樹よ…
そんなに目を見開いたら…花粉ウェルカムやんけ。
なにしてんだよ…
てか、キス…って…
いきなりなんて質問してきたんだよ…
「えっ⁉︎紀…キスしたことあるんだ⁉︎じゃあ…知ってるんだ?」
…
「なにを?」
「それは、もちろん…くちびるの感触」
…
「あー…」
「だれ⁉︎相手…だれよ⁇まさか、幼稚園のころ、鳥かごのまえでチュ〜したとでも⁉︎あの、ぴー太とぴー子の前で⁉︎みせびらかし魔なの⁉︎紀…わたしが粘土コネコネしていた時に…そんなことしてたの⁉︎」
…
「いや…そもそもオレたちの幼稚園って、鳥飼ってなかったじゃん」
…
「あ、たしかにそうかも。わたしの妄想幼稚園の中でしか飼っていなかったわね」
…
妄想幼稚園…?
なんだよ…それ…
「てか、紗樹粘土遊び好きだったよなぁ。オレは、苦手だったなぁ。手が汚れるし…におい落ちないし…」
…
「な、なんてこというのよ⁈わたしが汚いの平気人間みたいじゃないのっ‼︎てか、話…かえないでよ‼︎だれとキスしたっていうの⁈」
「…てかさ、紗樹は?キス…したことねーの?」
「それは…あるけど」
⁉︎
あるのかい‼︎
「だれと?」
「色白の…」
「黒岩⁉︎まさか…いつのまに…あいつと…」
「黒岩くん、色白じゃないけど?なんなら黒岩くんって、めっちゃ日焼けしてる人だよね?」
「あぁ、そうだった。てっきり慌てて脳内はパニックでバグ起こしたわ。」
「えっ?なんで…?なんで慌てるの?」
…
ウグッ
まずって口走ってしまった…
バカやろう…
オレの口‼︎
「いや…紗樹のくせに生意気だなって思って…」
…
「生意気?それをいうなら、紀のほうが生意気‼︎生意気生意気生意気‼︎」
…
「なに…なにかの呪文かなんかですか?」
「だれと…したのよ。」
「オレは…そのー…待って。なら、紗樹から教えてよ」
「だから…わたしは、色白のアイツよ」
…色白のアイツ?
だれだよ?
「しっ…しらす」
⁈
「しらす?だれ…だっけ?」
「だから…白くてちっこい…」
…
「えっ⁈ぶは、アイツ⁉︎あのちっこい魚⁉︎ギャハハぎぎょぎょ魚ぎょ…っ、しらすって…やば…腹痛すぎっくくくくっ、ちっさ‼︎しらすって…めっちゃちっさ‼︎怯んだか⁈しらすって…くくくく…」
思わず笑ってしまった。
「もう、教えたし。次…紀のばん」
…
「オレは…アイツだ」
「え?だれ?」
…
「…ししゃも」
…
「え?し…ししゃも⁈紀…ししゃもって…あの魚?魚のししゃもがファーストキスの相手なのっ⁈パリッパリッじゃない‼︎人のこと言えなくない⁉︎魚じゃん‼︎紀もファーストキス…魚じゃない。しかも、パリッパリッだよっ⁉︎」
くくくと笑う、紗樹。
「オレたち…魚がファーストキスとか、ヤバいな」
「うん。……ねぇ、試しにキスしてみる?いや、やっぱりキスは、好きな人どうしでしなきゃだよね」
「好き、好きだよーー…だからしよう‼︎キスってやつを‼︎人間同士のファーストキスってやつを‼︎」
…
「え…ヤダよ。好きって言ったのって、ただキスしたいだけじゃない。ほぼ棒読みだったし…」
「そんなことないよ。実は、ずっと好きだったよ。粘土こねくりまわしてる頃から」
…
「いや…言い方…」
「えっ?ダメ?なら、粘土コネコネの方がよかった?」
…
「そうじゃないよ。全然好きが伝わってこないってこと!」
「じゃあ、どうすればいい?粘土買ってくる?」
…
「もうさ、粘土ネタおしまい‼︎」
「えぇー…じゃあ、どうすんのー?折り紙も好きだったよね⁉︎折り紙買ってくる?」
「ダーメ。幼稚園ネタは、もうおしまい‼︎」
「そんな…ひどいよ。紗樹は、このボクとチュッチュッしたくないんだね?そもそも紗樹は、ボクのこと…これっぽっちもひと粒も好きなんて言ってないもんね。ただ、キスしたことある?って質問しかしてないもんね?でも、してみる?って言ってきたの紗樹だからね?なんなら、幼稚園ネタも最初に引っ張ってきたのも紗樹だからね?ひどいでしゅね」
…
「急に、ボクとかさ…赤ちゃん言葉やめてよ…」
…
「じゃあ…どうすりゃいいんだよ。キスしてーよ‼︎オレ告白までしちゃってんだよ⁉︎バカかよ、オレは⁉︎」
…
「バカ…なんじゃん?」
なんてことを…
「オイ、オレはけっこう頭いい大学合格してんだぞ?そんなやつに、バカとは…さてはキサマがバカか⁉︎」
…
「紀…は、さ…大学行ったらもうあんまりこっちには、帰らない…の?」
「え?あーまぁな」
「そっか。もう合格してるのに、勉強してるってことは、やっぱり勉強が好きなんだね」
…
「ああ、好きだよ。大好きだよ。」
紗樹が。
でも、そんなこと…こっぱずかしくて言えないけどね。
…
「そのトーンで、わたしも好きって言って欲しかった。」
「え…」
紗樹、オレのこと…好きなの?かな⁇
…
ぎょっ‼︎魚ぎょ魚ぎょぎょ魚ぎょ魚ぎょ‼︎
紗樹⁈
「おい、泣くなよ…どうしていきなり…そんな…」
…
「いきなりじゃないよ…ずっと…ずっと心で泣いてたよ?紀が遠くの大学行くって知った時から…」
「なんで?…オレの部屋…なら、好きに使っていいぞ。これからは、のびのび使えよ」
…
「…それじゃ、意味ないよ。紀がいるからここにいつもいたんじゃん。」
「でも…オレのこと好きなのに、キスしたんだ?しらすと。」
「紀だってキスしたじゃん。ししゃもと。」
「あれは、練習だ。紗樹とのキスの練習だ」
…
「え…ヤダ。わたしとししゃもじゃ、全然違うからね?」
「どんなふうに?」
「それは…その…」
チュ♡
「おお‼︎おおぉ…違うわ。全然ししゃもみたいに、チクチクしねーな」
「あたりまえじゃない。でも、これは…最初で最後のキスだから。じゃ、向こうでも頑張ってね。」
「え?そんな寂しいこというなよ」
「だって、遠いんだよ?めっちゃ遠いじゃん‼︎隣じゃないんだよ?スープも冷めるよ?」
「隣…だろ。隣の県じゃんか」
「歩いて一分じゃないんだよ⁉︎」
「まぁ、電車でいっぽんだけど…」
「てかさ、紀は平気なんでしょ。ほんとはわたしと離れ離れでも」
「いや…そもそもオレは、紗樹がオレのこと好きなんて思ってもなかったから…」
「なんでよ?わたし中学のころ告白したじゃない」
「へ?されてないけど…」
「したよ‼︎スルーされたけど」
⁉︎
なんてこと…
オレは、なんてことをしでかしていたんだ⁉︎
「それって…もしかして、オレが寝てる時とかに言ったんじゃ…」
「ううん、がっつり目‼︎あいてたよ‼︎」
…
オレは…どういう経緯でそんなこと…
「それって…好きって言ったの…?」
「うん、そうだよ。わたし海藻好き。ワカメと紀も好きって」
…それは…その…
「わかんねーよ‼︎なんで海藻のくくりにオレが入ってると思うんだよ⁉︎」
「だって…恥ずかしくって。でもイントネーション違うからわかるでしょ⁉︎」
…わからん‼︎
「紗樹って、しょっちゅうイントネーションへんだから、だからなおさらわかんなかったわ…。でも、ほんとに告白してくれてたんなら、速攻でオッケーだしてたよ‼︎今ごろ毎日イチャイチャだったじゃん‼︎なんなら、魚キスも回避できてたかもじゃん‼︎」
「そうだね。でも…もう離れ離れだよ?」
「ううん。そんなことねーよ。」
「えっ?どうして…」
「心がもう繋がってる」
チュ〜♡
「紀…」
「オレさ、紗樹がさみしいって言ったら、ふっ飛んできて抱きしめるよ」
「え…紀がふっ飛んできたら、わたしもふっ飛んじゃうよね?」
「なら、二人でふっ飛ぼうよ」
「うん♡」
こうして、オレたちの遠距離がはじまる。
「さみしいときは、わたし…浮気しちゃうかもよ?どうする?」
「うーん…しらすとなら、許す‼︎」
「おけ。じゃあ、いっぱいしらすストックしておく」
「そんな必要ないよ」
「なんで?」
「だって、さみしくないくらいいつでも帰ってくるし、連絡するしオレのぬくもりを忘れさせない」
チュ〜〜〜♡♡♡
数ヶ月後、遠距離がはじまった。
しかし遠距離でも、全く問題なかった。
だって、いつでも連絡できるし…なによりも心が繋がっているのが大きい。
近くにいたときよりも、心が近いのです♡
(おやすみー大好きだよ♡)
(おやすみ♡わたしも大好き♡)
大好き祭りで、いつも携帯をみてニヤけてしまいます‼︎
おしまい♡




