8話 昔の私1
昔のことを思い出してみる。
普通なら絶対しないが、今は気分がいいのでどんなことも平気に思える。
あれは私が中学2年の時一一
バシャンと、トイレに水の音が響く。
「ちょっと、やりすぎじゃないw?」
「臭かったから洗ってあげたのよw]
そうしゃべっている彼女の手には、バケツがあった。
その彼女たちの前には、びしょ濡れの女の子が座り込んでいた。
言葉を発している、彼女たちではない。
私は一一
びしょ濡れの、女の子のほうだ。
そう。私は中学校の頃、いじめられていたのだ。
今じゃ考えられないでしょう?この完璧な私がいじめられっ子だなんて。
でも中学の頃の私は、今とはまるっきり違っていたの。
太っていて、ブスで、内気。頭も悪かったし、運動もできない。
まるで似ていることがなかったの!ホント、人生の汚点の時期だったの。
.....なんでこんなことするんだろう。私、何か悪いことした?
私は、ただただ無表情で相手を見つめている。
「.....なんなの、その目。.....バカにしてんのかよ⁉」
どすっと鈍い音がして、私のおなかに痛みが走った。
「いっ.....!」
私はおなかを抑えてせきこむ。
「はあー。こいつのこと蹴ったら足痛くなっちゃったー。」
.....じゃあ最初から殴るなよ。
「そろそろ帰ろー。じゃあ、また遊ぼうねw]
リーダー格の奴が私にそう言って帰っていった。
.....これが遊びだと思うなら、お前らもやられてみろよ。
心の中で悪態をつきながらなんとか立ち上がる。
おなかの痛みはまだ引いていない。制服もびちゃびちゃだ。
毎日毎日、悪口言われたり、殴られたり。もーやだ。なんで私がこんなことになってんの。私、何もしてないのに.....。
そう思うと、自然と涙が出てきた。
もうこんな日々辞めたい。いじめっ子だけじゃなく、男からも馬鹿にされるし.....。ブスだとか言われてさ.....。
.....じゃあブスじゃなきゃいいのか。
ふと、そう考えた。
そうだよ。みんなブスって言うんだから、それが原因だったらいじめ、なくなるんじゃない?
考えれば考えるほどそういう気がしてきた。
昔はお人形さん見たいって言われてたんだから、いけるんじゃない.....?
やってやろうじゃん.....。
8話書きました!今回重めですね。
衝撃の愛ちゃんの過去.....。2に続きます!
思ったよりも長くなりました。