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宇宙戦記  作者: ダチョ太郎
帝国アカデミー編
4/4

第三話 2年後

「悪い!ジークそっち行った!」

「オッケー。任せろ!」


銃の引き金をひいて敵兵を倒す。

何も難しいことじゃあない。


数は2人か...。

余裕だが調子こいていると殺られる。

あくまでここは戦場だ。

銃の引き金をひき2人を即座に処理する。

片方は今ので仕留められたがもう片方は避けた。

恐ろしく反射神経がいい。

相手も撃ってくる。

すかさず遮蔽物に身を隠して俺も応戦する。

なかなか仕留められない...

銃声が響き敵兵が倒れる。


「大丈夫か?ジーク」

「ああ助かったぜイワン。敵兵はさっきので全員か?」

「ああ。他の奴らは退却して行ったよ」


それは良かった。

なんせもうほとんど弾がない。


「今回ので何人死んだ?」

「分からねぇ。だが少なくとも片手では収まりきらない」

「そうか...」


今回も結構死んだな。


「それよりジーク。お前は大丈夫なのか?」

「何がだ?」

「いやさっき撃たれてただろ」

「大丈夫、かすり傷だ」


ボディーアーマーのおかげでダメージを軽減できた。


「大したことはない」


今日も少なくない人数が死んだ。

明日も同じ人数死ぬとするとここももって数日といったところか。


「なあイワン」

「どうしたジーク?」

「俺らって一応学生だよな」

「ああそうだぞ。オレらは学生だ。勉強が本文のな。」


はぁ〜。

ため息がでるぜ。

今やってるのは戦争だ。

勉強では無い。


「愚痴は本部に戻ってからにしようぜ。敵兵はいないとはいえここが危険であることには変わりない」

「分かったよ」


本部には負傷した兵士で溢れていた。

だがそれも見慣れた光景だ。


「戦いも激化してるな...」


当然だ。

この星は帝国、共和同盟、両者ともに欲しがっている。

その理由はここが相手の国に攻め込もための足がかりとして最高の立地だからだ。

そして今その最高の立地を巡って争っているわけだ。


「ジーク、今日お前見張りだろ。今のうちに寝とけよ。時間になったら起こしてやるから」

「じゃあお言葉に甘えて」


体を横にして目を瞑る。

戦いの疲れもあってすぐに眠ることが出来た。



―――



「…起きろ、起きろジーク」


イワンの声で目が覚める。


「なんだよ...」

「なんだよってなんだよ。見張りの時間だぞ」

「そうだったな。じゃあ行くわ」


寝起きのせいで体が重い。

まぶたを擦りながら見張りの場所に向かう。


「夜は冷えるな...」


寒いので見張り場所に毛布を持って向かう。

見張り場所は階段を登ってすぐの場所だ。


「ジャック...交代だ」

「分かった。寝たらだめだぞジーク」

「ああ分かってる」


毛布にくるまりながら寝ないと言っても説得力はないだろうが寝ないぞ俺は。


「寝に行かないのか?」


ジャックは部屋に戻るそぶりを見せない。


「ジークがちゃんと見張りをしてるか確認しないといけないだろ。前1回寝たことあるし」

「あの時のことは勘弁してくれって。ほら今回は枕持ってきてないだろ」


前寝たのは100パーセント枕のせいなんだ。

それからは枕を持ってきていない。


「枕がないからと言って油断はできない。布団は持ってきてるからね」

「ふ、布団ぐらいいいだろ」


そんなしょうもない言い合いをしている俺の目の端に何か映る。


「おい敵が来てるぞ」

「おいジーク話をそらす...」


ジャックも外を見て事態を察したようだ。


「敵襲だ!正確な数は不明!」


マイクを通して基地内の味方に伝える。

夜のせいで敵兵の数が分からない。

ただ少なくない。

間違いなく今日この場で俺達を潰しに来ている。


「ジャックでるぞ」

「ああ、分かった」


慌てて階段を駆け下りて銃を取りボディアーマーを着て基地外に飛び出す。

早く敵に気づいたおかげでさほど接近されていない。


もう既に交戦は始まっていた。

こちらは数でかなり不利な状況だが何とか耐えているといったところか。

少しのほころびで全滅するかもしれない危うさがある。


「遅いぞ!ジーク、ジャック」


イワンはもう既に戦っていた。


「お前が速いんだよ!」


近くにいる敵兵を片っ端から撃っていく。

敵が撃った弾が頬を掠めて冷や汗をかく。

ここまではいつも通りだ。


「戦車が来るぞ!」


ドオオオオーンとものすごい音がして森の木々がへし折れ岩は木っ端微塵になる。

戦車の砲撃によるものだろう。

デタラメな威力だ。


「うちにはないのか戦車は!」

「前の戦闘で壊されたのが最後だろ!乗ってたのはお前だぞジーク!」

「イワンも乗ってただろ!」


クソ!

今持ってる弾じゃ戦車の装甲を貫けない。


「撃つな弾の無駄だ!」

「じゃあどうすればいいんだ」

「前掘った落とし穴に落とす」


悪ふざけで作ったものだが1度落ちたら戦車の巨体じゃ上がって来れないだろう。


「それよりもうほとんど味方が残ってないよ。みんな撤退して行った」

「なッ!」


俺らをおいて逃げやがったのか。

戦いに集中しすぎて気づかなかった...。


「3人しかいないならもう無理だ!オレらも撤退するぞ!」


はたして撤退できるのか?

ていうか撤退したところで奴らは引く気はない。

基地を占領されて俺らの負けだ。


「基地には戻らない」

「何言ってる。撤退しないと死ぬぞ!」

「撤退しても死ぬ。森の奥に逃げるぞ!入り組んだ森の中なら敵をまけるはずだ」


そう言って俺はボディアーマーを脱ぎ捨てる。


「お前らも脱げ。速く走るんならこれは邪魔だ」

「撃たれたらどうするんだよ!」

「知るか!どっちにしろ最新の銃は防げないんだ。腹括って走るしかないだろ」


弾切れの銃を捨て俺は森の奥に向けて走り出す。


「お前らも速く逃げろ!」

「ちょっと待てよ!」


2人も慌ててついてくる。


「今更だけどこれって敵前逃亡とかにならないよな?」

「真っ先に逃げ出した奴が何言ってやがる...」


言い訳でも考えとくか...。


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