98.女の子の好きな話
「パラン」
お礼を言うと優しい笑みのままソフィアさんが私に手を出してきて、迷う事なくその手を握ると、柔らかくて私よりも大きな手で握り返してくれ、
「ふふっ、お昼ご飯食べに行こ。ここら辺で美味しいお店、私知ってるから」
私の手の感触に嬉しそうに笑い、ソフィアさんが次の予定を言ってくれる。
「昼ご飯か?パラン、行くぞ!」
それに横からアマダスが入ってきて、私の手を握ってはしゃぐと、ソフィアさんは私に視線を戻しまた見てきたので、
「行こう」
私もしっかりと頷き言うと、私を真ん中に三人一緒に歩き始め、
「ソフィア、どんなお店に行くんじゃ?」
「肉の鍋が食べれるお店だよ」
「おっ!楽しみじゃな!」
私を挟んで会話が始まり、右手のアマダスと左手のソフィアさんに、私は生まれて初めて両手が塞がって嬉しいやら幸せやらを感じて無言で二人の会話を聞く。
「うん。お肉いっぱい食べれるから。期待してて」
「そんな事言われると凄くお腹が空いてきたぞ。ソフィア、まだ着かんのか?」
「もうちょっと」
待ち遠しそうなアマダスに、ソフィアさんも幸せそうに言葉を返して、数分私達は歩き続けた。
◆
「いらっしゃいませー」
外観も内装も綺麗で、看板にはしっかりとメニューが書かれたお店に入り、私達は空いている席に座る。
「美味しそうな匂いがするな!」
「でしょ?私のお気に入りのお店。これがメニューだよ」
私の隣にいるアマダスはそわそわしながらお店の中を見渡して、向かいにいるソフィアさんがメニューを渡してくれる。
「ありがとう」
「パラン、見せてくれ!」
「うん。一緒に見よ」
私にぎゅっと寄って来てメニューを覗き込むアマダスにドキドキしながらも、どんな鍋があるのか見てみると、
「大体、野菜とお肉が一緒になってて、味は決まってるみたい」
メニューの数はそこそこあり量も選べて、どれも美味しそう。
「パランは何するんじゃ?」
「そうだね……この甘辛鍋の普通にしようかな」
「おっ、良いな!なら我は火鍋の大盛りにするぞ!」
私とアマダスが少し迷った後注文する物を決めて、ソフィアさんは最初から決まっているのかメニューを見る事なく仕舞い、店員さんを呼ぶ。
「ご注文は?」
「もつ鍋の大盛りと甘辛鍋普通。あと、火鍋大盛り」
「かしこまりました」
ささっと店員さんに注文を通したソフィアさんは、こちらに向き直ると、
「アマダスとパランっていつから付き合ってるの?」
いきなりびっくりする様な話題を振られて私が固まると同時に、
「昨日じゃ!」
ソフィアさんもビックリする様な、でも本当の事をアマダスが言うと、
「本当なの?どっちから告白したの?」
落ち着きをなくして初めて見る乙女のソフィアさんが楽しそうに質問し始めて惚気話が始まる。
「我じゃ」
「いいね。アマダスはパランのどこが好きなの?」
「全部じゃな」
「なら、パランは?アマダスのどこが好き?」
「えっと、その……全部」
いきなり振られて私は恥ずかしがりながらもちゃんと答えると、アマダスは嬉しそうに笑って手をテーブルの下でさらにぎゅっと握り私にくっ付き、ソフィアさんは乙女な顔で感想を溢した。
「凄いラブラブだね」
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