97.本物のプレゼント
雑貨を売っている場所は本当に色々と種類があって、
「凄いな!」
「そうだね。良い物が沢山ある」
私は迷いながら、アマダスは無邪気に雑貨を見ていく。
「パラン、アマダス。何か欲しい物があったら、買ってあげようか?」
「えっーと……あったらお願いするよ」
「うん」
しばらく歩きながら見ていると、ソフィアさんが横から優しく言葉をかけてきて、違う意味でドキッとしながらも流し、そろそろ選ばないとと思いアマダスを見る。
「あれは何じゃ?」
すると、静かに木櫛を指指して首を傾げてきたので、全然ありだなと思いながら説明をする。
「髪が絡まったりした時に、髪を梳いて整える物だよ。木櫛っていうの」
「木櫛……良いな!あれが良いぞ!」
私の説明を聞いたアマダスが笑顔を浮かべながらそう言ったので、私は頷いて、
「ソフィア、あそこ行こ」
「分かった」
私達は色々な木櫛が売っている場所へ。
「木櫛で欲しいのがあったの?私も丁度欲しいなって思ってたんだよね」
チラッと自分の綺麗な長い髪を見みながら言ったソフィアさんに、私は良かったと笑い、
「アマダス、どう?」
ソフィアさんへプレゼントする木櫛はどれが良いか、アマダスに視線を向けると、
「これじゃ!」
「うん。それにしよ」
ソフィアさんに似合いそうな木櫛をささっと見つけて、私が頷くとお金を渡して会計を済まし、可愛い模様の木櫛を受け取る。
そして、一緒にという視線を向けてきたので、私達はソフィアさんへプレゼントをする。
「ソフィア、どうぞ」
「どうぞ、じゃ!」
「良いの?」
「私達からのプレゼントだよ」
木櫛を受け取って一瞬固まったソフィアさんは、次いで物凄く嬉しそうに笑って、
「ありがとう。大事にするね」
大切にそうに木櫛で自分の髪を何度か梳くと、収納魔法に丁寧に仕舞って、
「私からも何かプレゼントしないとね」
そう言われ、私は少し渋る。
「別にそんな、色々としてくれたんだし……」
でもアマダスは違って、私の服を引っ張ると笑いながら口を開く。
「パラン、何か一緒のを貰わないか?」
「えっーと……うん。分かった」
「やったぞ!」
「ふふっ」
私は悩みながらも頷くと、アマダスが嬉しそうに木櫛を見始め、ソフィアさんも楽しそうに笑う。
それにまた借りが出来たなと思いながら、アマダスとソフィアさんの顔に、
「私は、これにするよ」
一度頷いた手前しっかり選ぶ。
「なら、我はこれじゃ!これで皆お揃いじゃな!」
そうして、少し遅れてアマダスもお揃いの可愛い模様の木櫛を選び、
「私からのプレゼントだよ、アマダス、パラン」
ソフィアさんがお金を払ってくれて、私達は木櫛を受け取る。
「ありがとじゃ!」
「ありがとう、ソフィア」
「うん……ねぇ、パラン。そんな顔しないで。二人にはすっごく感謝してるから、これは借りとかじゃなくて、恩返しだよ」
私がちょっと申し訳なくお礼を言ったからか、心の中をまるで分かっているかのようにソフィアさんは優しい言葉を言ってくれ、頭を撫でてくれる。
その感触に私は人に頭を撫でられて嬉しいからか、更に申し訳なくなったからか、色々な感情がごちゃ混ぜになって泣きそうになると、
「ふふっ。アマダスも特にパランも、自分が思ってる何倍も人に感謝されるような事してるから、胸張って」
飛びっきり優しい笑みできっとどこかで言われたかった言葉を言われ、私は涙を浮べて出来る限りの笑顔でお礼を言った。
「ソフィア、ありがとう」
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