94.湯船の中
「「……ぷはぁ♡」」
しばらくの間キスをしてどちらからともなく口を離すと、いきなりアマダスが私の胸に飛び込み抱きしめてきて、
「パラン、大好きじゃ!」
私の胸に顔を擦り付けて甘えてくる。その行動に私はくすぐったさを我慢しながら、アマダスの頭を優しく撫でてあげ、
「私もだよ、アマダス」
どこか恥ずかしさが吹っ切れて、私もアマダスをぎゅっと抱きしめた。
◆
「わー、アマダスもパランも可愛い」
お風呂から出てアマダスの魔法で体を乾かした後、違う服に着替えてソフィアさんの所に戻ると私達をキラキラした目で見てきて褒めてくれる。
「じゃろ!パランが選んでくれた服じゃからな!」
「あ、ありがと」
褒め言葉にアマダスは自慢げに、褒められ慣れていない私はきまり悪く言葉を返すと、
「次は私が入ってくるから、ゆっくりしてて」
優しく笑いながらそう言われ、またアマダスと二人っきりに。
「パラン、何かするか?」
「そうだね……取り敢えず座ろうよ」
やる事は全く思い浮かばないけど、立ったままというのも疲れるのでふかふかのソファーに私は腰を下ろす。
すると、アマダスが私の太ももを枕にして寝っ転がり、
「パラン。お風呂、また入ろうな」
にこにこしながら楽しそうに言われたので、
「うん。良いよ」
私は頷いて、そこからなんやかんやでアマダスと仲良く会話が続く。
「ただいま……凄いイチャついてるね」
そうこうしているとソフィアさんがお風呂から戻ってきて、
「おかえりじゃ!」
アマダスが上機嫌に出迎える。
「幸せそうな顔……ねぇ、二人共。私の部屋でお話しよ」
「分かった、アマダス行こ」
「おう!」
ソフィアさんの言葉に手を繋いで付いて行き二階へ。
「ここが私の部屋」
「おー、本がいっぱいじゃな」
階段を上がってすぐ、壁はなくてその階丸々が一部屋の、大きなベットに大きな本棚がある部屋にアマダスが感想を溢すと、
「あの本達、凄く昔の物で何が書いてるのか時々分からないの」
ソフィアさんがそんな不思議な事を言って、なんとなく興味が湧いたので、
「見てもいい?」
「好きに見て良いよ」
許可をもらって見てみる事に。そこには確かに変な文字と読める文字が所々混じり合っていて、本当に何が書いてあるのか分からないなと思い、元の位置に戻そうとすると、
「我も見たいぞ」
アマダスがひょっこりと顔を出してきて、貸してあげる。
するとアマダスは明らかに文字を目で追って、驚いた表情になるけど、
「全然分からんな!」
アマダスは表情を一瞬で変えて笑って口を開き、本を元に戻した。
それに私は首を傾げるけど、まるで今の一瞬は、何事もなかったようにアマダスはソフィアさんと会話を始める。
「ソフィア、この本は誰のなんじゃ?」
「何個も前の先祖さんから受け継いでて、今の持ち主は仕事でいないお父さんだよ」
「そうなのか。お母さんはおらんのか?」
「お母さんもお父さんと一緒で仕事。たぶん半年は帰って来ないよ」
「寂しくないのか?」
「うん、慣れっこだから。二人共、ベットにおいでよ」
そうして気付けば私は気にするのを忘れて二人の会話に入り、深夜になるまで会話をしていた。
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