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89.お姉さん

 

「パラン、あーんじゃ!」


「……お肉が凄い柔らかくて美味しいよ。アマダスもあーん」


「……おっ!すっごく美味しいな!」


 お互いに食べさせ合って、アマダスはいつも通り、勢い良く口に放り込む。


 それにしても、この赤くて辛そうな料理って何なんだろう。


 私は気になって、試しに一口好奇心で食べてみる。


「んっ……辛っ。でも、美味しい」


 辛くて舌がヒリヒリするけど凄く美味しくて感想を溢すと、横からアマダスがさっと一口食べ、


「これも美味いな!」


 美味しそうにパクパク食べ出した。それを見て、辛い料理も平気だなんてアマダスって本当に強い子だなと思っていると、


「見ない顔だね。君達」


 いきなり隣のテーブルに座った、冒険者の格好をしている年上の綺麗なお姉さんに話しかけられて、


「こ、こんにちは。リーン王国からちょっと用事で……」


 無視するのは流石に失礼かなと思い、無意識にアマダスの手を握りながらなんとか言葉を返すと、


「そうなんだ。新人かと思ったのに。残念」


 ちょっと唇を尖らせていきなり大きなお肉に齧り付き出したので、謎めいているというかなんかちょっと怖い人だなと視線を戻そうとすると、


「何が残念なんじゃ?」


 アマダスが不思議そうにお姉さんに話しかけて、それに反応してお姉さんはお肉を飲み込んだ後、私達にまた向き直る。


「アトヤ王国の女の子達って、みんな魔法使いに憧れて魔法局に行っちゃうから、少ないの。冒険者になる女の子。だから、仲間が増えたって思ったんだけど、違ったから」


「そうなのか……じゃが、ラトとミラーナがおるじゃろ?」


 お姉さんの話を聞いてアマダスがふと、あの二人の名前を出すと、


「そうだけど、あの二人はレベルが違うから」


 どこか悲しそうにそう言って、視線を下に向ける。


 そんなお姉さんにどうしたらと、何か慰めた方が良いのかなと考えていると、


「なら、お主。我らと友達にならんか?」


 唐突にアマダスが手を差し出してそう言い、そんな考え微塵もなかったとアマダスに感心していると、


「本当に、良いの?」


 お姉さんが確認するように首を傾げて聞いてきたので、


「もちろんじゃ!」


「は、はい」


 私も言葉を返し、アマダスと同じ様に手を差し出す。そんな二つの手を冒険者のお姉さんは優しく握って、


「やった。私達、今からずっと友達。私の名前は、ソフィア。よろしくね」


 すごく嬉しそうに笑い、自己紹介をしてきたので私達も笑って名前を言う。


「我はアマダスじゃ!よろしくな、ソフィア」


「私はパランです。よろしくお願いします」


「アマダスちゃんとパランちゃん……覚えた。一生忘れない」


 私達の名前を呼んでしっかりと目を合わせてきた後、ソフィアさんは私達の方に椅子だけで寄ってきて、


「ねぇ、なんでアトヤ王国に来たの?」


 先程とは違い優しい雰囲気で話しかけてくれたので、


「リーン王国でぬいぐるみを拾って……」


 アマダス、ソフィア、私でアトヤ王国に来た理由を話しながら楽しくご飯を食べた。

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