88.日常
ダンジョンの六層を攻略して、私達は素材集めをしながら戻って行く。
「ここはいっぱい魔物がおって、やっぱり面白いな!」
魔物の多さにアマダスは機嫌良く笑い、あっという間にダンジョンから外へ。
「お昼過ぎぐらいかな?冒険者協会にさっき集めた素材を売って、ご飯でも食べよっか」
「おう!ご飯じゃ!」
私の言葉を聞いて大きく頷いたアマダスと手をぎゅっと繋いで、冒険者協会へと向かう。
その道すがら、
「なぁ、パラン。ダンジョンの中で魔法使いを見んかったが、何をしておるんじゃ?」
アマダスが考えるようにそんな事を聞いて来たので、説明を返す。
「魔法使いはあんまりダンジョンに向いてないからだよ。魔法の調整間違えちゃったら崩れるし、消し飛ばしちゃうから素材が集まらないの」
「そうなのか、じゃからパランは我に魔法はあまり使うなって言うんじゃな!」
「うん。崩れたら岩に押し潰されて死んじゃうかもだからね」
説明に納得したアマダスはふとまた気になったように、
「崩れたダンジョンは戻らぬのか?」
首を傾げて聞いてきて、私は笑って答える。
「そんな事ないよ。半日ぐらいしたら勝手に治ってるの」
「不思議じゃな!」
「そうだね」
実際に崩れたらダンジョンが治る所を見た事はないけど、リーン王国にいた時数ヶ月に一回ぐらいはそんな事があってダンジョンに潜れなかった。そんな事を懐かしく思っていると、
「パラン、何を考えておるんじゃ?」
アマダスがちょっと拗ねた様に聞いてきて、
「昔、何回か崩れちゃって潜れなかったなって」
正直に答えると、
「そうか。なら、良いぞ!」
何故かアマダスは嬉しそうにそう言って、私は不思議に思いながらも、仲良く冒険者協会へと歩いて行った。
◆
「どうぞ、素材の売却分です」
「ありがとうございます」
ギルド職員がナールではないのでちょっと緊張しながらも、私はお金を受け取り、
「アマダス、ご飯食べよっか。好きな物頼んで良いからね」
「おう!」
冒険者協会の中で、椅子とテーブルが沢山置かれたご飯を売っている方へ。
「いらっしゃいませー」
「アマダス決まった?」
「おう!我はこれとこれとこれじゃ!」
「なら、私はプリンで」
「かしこまりました。お持ち帰りで?」
「いえ」
「では、少々お待ち下さい」
注文を済ませて少し受付から離れると、アマダスが心配した様に声をかけてくる。
「パランは一つだけで良かったのか?」
その言葉に私は確かにもう少しだけ食べたいなと今更思って、
「アマダスからちょっとずつ貰おうかな。くれる?」
「もちろんじゃ!」
「ありがとう」
私がお願いしてみるとアマダスは頷いてくれ、お互いに笑顔で手を繋いだまま料理を待つ。
「お待たせしました。銀貨四枚です」
「どうぞ」
「ありがとうございます」
少しして注文した料理が来たのでお金を渡して受け取り、
「パラン、ここに座るぞ!」
アマダスが選んでくれたテーブルへ。
「これは魔物の唐揚げで、これは、小角シシと薬草の煮込み。これは?」
「分からん!」
テーブルの上に置かれた初めて見る赤色の料理に私はちょっと戸惑いながらも、
「ま、まあ、食べよっか」
「おう!」
私達は手を合わせて美味しそうな料理を食べ始めた。
前の話から大分時間が経って申し訳ないです。
どうにか復活出来ればと思ってはいますが、どうなるか分からないので、出来る限り頑張ります。
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