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86.あなたに愛の告白を

 朝、目を覚ました私とアマダスが魔法で綺麗にした服を着ていると、扉が軽くノックされて、


「入っても良いですかぁ〜?」


 扉の奥からラトの楽しそうな声が響いた。私は少し焦りながらも、服を着終わったアマダスを見て、言葉を返す。


「だ、大丈夫です」


 するとすぐにガチャと扉が開き、笑みを浮かべたラトが入って来た。


「だいぶ元気になったみたいですねぇ〜。本当にぃ〜、大事にならなくて良かったですぅ〜……はい、あ〜ん」


 ラトは安心したような優しい目で私を見てから、机の上に置いてある最後の赤い実を私の口に運んでくれ、ぱっぱっとまた三口程で私が食べ終わると、今度は少し控え目になって聞いてくる。


「これでもう大丈夫ですぅ〜……ところで一つ質問しても良いですかぁ〜?」


 私はそれに少し不穏な空気を感じて、質問を断ろうとした時、


「いいぞ!」


 アマダスがちゃっかり頷いて、ラトは乙女みたいな声で両頬を両手で挟んで聞いてくる。


「前も言ったと思うんですけどぉ〜、お二人ってぇ〜、まだ付き合ってないんですかぁ〜?それとももう付き合ってたりぃ〜?」


「ラト、付き合うって何じゃ?」


「恋人同士になるってことですよぉ〜!お互いに愛し合ってる関係を言うんですぅ〜!」


 ゆるいラトがいつもより興奮していて、私は私で恥ずかしさで視線を彷徨わせながら、なんて言葉を言おうか迷っていると、


「パラン。我はパランの事が好きじゃ!愛しておる!パランは我の事、嫌いか?」


 いきなりアマダスが、私の顔をしっかりと見据えながら近付き、答えが一つしかない今更の質問を私にしてくる。


 アマダスと二人っきりなら、恥ずかしさはあまりないけど誰か人がいると急に言葉にするのが恥ずかしくなる。


 でも私はそんな些細な事で、嘘を付きたくはないので、前を向いていつもの言葉を返す。


「私も、アマダス事、大好きだよ……愛してる」


「良いです、すごく良いですねぇ〜、アマダスちゃん、名前を呼んであげて付き合って下さいって言うんですぅ〜」


「わ、分かったぞ。なぁ、パラン。我と付き合ってくれんか?」


 ラトはアマダスに言葉だけしか伝えていないはずなのに、言葉と共に私に可愛い顔で手を差し出してきて……私は心臓が破裂しそうになる。


 ずるいな……もう私、握る以外に何も出来ないよ……


「こ、こんな私で良ければ……よろしくお願いします」


「きゃー、告白を見れるなんてぇ〜、私ここで死んでも悔いありません〜、きゃーーー!!!」


 ラトが乙女心全開になり壊れると同時、私がアマダスの手をぎゅっと握ると、その手にアマダスがキスをしてきて、とびっきり可愛い顔で笑い少しだけ頬を染めながら、暖かくて小さい体で私に抱きついてきた。


「大好きじゃ、パラン」


 その瞬間扉が勢い良く開いて、


「最高ね、アマダス、パラン」


 ミラーナさんが鼻息荒く顔を出した。


「ミ、ミラーナさん?」


 私が驚きながら名前を呼ぶと、お茶目に笑って、


「最初から最後まで聞かせてもらったわ。二人共、末永くお幸せにね。本当、今日来て良かった」


 恥ずかしさが倍になる爆弾を落とされ、幸せを祈られた。

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