85.スマーラ王国
スマーラ王国。二年前、パランがリーン王国に難民としてやって来る前までいた生まれ故郷。
その国は国民全員に『邪紋』、別名【奴隷の証】を生まれた時から付けられ、強制的に労働を強いる、世界の中でも問題視されていた国だった。
そんな国に、生まれた時からいたパランも例外なく、気が付けばよく分からない人に命令されては朝から晩まで働き、それが毎日終わりなく続いていた。
おまけに働く事以外に、国民は役割がないので、言葉は喋れるけれど文字は書けず、誕生日、ひいては親まで分からずじまい。
そんな中でも、パランは黙々とやれと言われた事をやり続け……二年と少し前、スマーラ王国建国五十周年の年に周りの国から遠く離れた国まで何十カ国もの国々から、精鋭の冒険者や魔法使い等が集まり連合軍を創ると、スマーラ王国に宣戦布告し、攻め込んだ。
もちろん勝敗は最初から分かっていて、スマーラ王国は連合軍に一ヶ月程で負け、国民は解放され、国はなくなった。
ただ、ここで一つ問題が起こった。国王を含めて上流貴族達が悉く消え、本来裁かれるべき人間が誰一人いなくなったのだ。
そしてニ年が経った今も、誰一人として見つかっていない。
◆
時間は夕方から夜になり、窓の外は賑やかな光が灯り、空には星が瞬き、月がこちらを見下し輝いている。
そんな時間まで私の話を最後まで黙って聞いてくれたアマダスは、瞳に悲しさと怒りを込めて押し黙る。
それがなんだか気まずくって、なんとかならないかと追加で説明をする。
「あっ、あとね、『邪紋』には強さが四段階あって下から、『下級』『中級』『上級』『最上級』ってなってるんだ。模様以外何がどう違うのかはあんまり分かってないんだけど、強くなるに連れて強い魔法でも消せなくなるんだ」
「……パランは、何なんじゃ?」
「わ、私は、『最上級』だよ」
私の答えにアマダスは無表情のまま、また私から視線を外して静かになる。
そうして三十秒、一分と時間が経つに連れて、私は言わなければ良かったと後悔し始めて、段々と嫌われてしまったのではないかと目に涙が浮かんで来てしまい、
「……私の事……嫌いになった?」
ニ分程経った頃、私は俯いて黙ったままのアマダスに思わず聞いてしまう。
するとアマダスの気配が一瞬、怒りに染まり次いで、私の両頬を優しく両手で挟んで顔を上に上げてくると、いつもの優しく可愛い笑みを浮かべたアマダスがいて、
「パラン。我は、パランがずっと好きじゃ。死ぬまでいや、死んでもな。じゃから、嫌いになる事なんてないぞ。パラン……んっ♡」
「んっ♡」
私に甘くて優しい言葉をかけてくれると、唇にキスをして優しくベットに押し倒してくる。
そして、私の口の中に小さくて温かい舌が入ってきて……私はアマダスをぎゅっと強く抱きしめて、舌を思いっ切り入れ返した。
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