81.もっと一つに
「パ、パラン、良いのか?」
私が今まで体を見られるのを嫌がっていたからか、アマダスは先程の言葉を確認するように聞いてくる。
そんなアマダスに私は小さく頷き、少し近寄る。
「ふ、拭くぞ」
するとアマダスは緊張したように一言言って、首から優しく拭いてくれる。
私はそれが気持ち良くって、目を瞑りながら上を向いているとすぐに拭き終わり、腕と胸、お腹とアマダスは手際よく次々に拭いてくれた。
「……アマダス……脇、拭いて」
そして、アマダスがお腹を拭き終わったタイミングで、私は両腕をあげてお願いし、脇、背中、最後に太ももを拭いてもらい、
「ありがと……」
アマダスを見ながらそう言うと、
「き、気にするな!」
なんかうずうずしながら私から視線を逸して、タオルを机の上に置く。
そんなアマダスを私は不思議に思いながらも、一緒に寝ようとベットの端に寄り、
「アマダス、おいで……」
手招きして呼ぶと何故か首を横に振って、アマダスは床を指差す。
「わ、我はここで寝るぞ」
「ダメだよ……体、痛くなるよ」
そんなアマダスに私はダメと言うけど、
「今日は、パラン一人で使うのじゃ。我の事は気にするな」
珍しく頑なに私の言う事を聞いてくれないので、言い方を変えて、私の隣を指差し、
「なら、ここに座って……私が寝るまで、話そ」
そう言ってみるとアマダスは渋々、
「まあ、それなら良いぞ」
ベットに座ってくれ、私の方を向いてくれたので、
「そ、それで何の……パ、パランっ!」
私はそのまま抱きしめて、一緒にベットに寝る。
「アマダス……冷たくて、気持ち良い」
「や、やめてくれ……そんなに絡まんでくれ……」
私がぎゅっと抱きしめて、すりすりしながら足を絡めると、いつもなら喜ぶはずなのにアマダスはか弱い声でやんわり拒否してきたので、
「……嫌なの?」
抱きしめたまま耳元で聞いてみると、
「そ、そんな事はないが……その……変になりそうで……」
なんだか不思議な事を言ってきて、
「……変って、どんな感じに?」
気になって聞いてみると、アマダスは私をぎゅっと抱きしめてきて、恥ずかしそうに言ってくる。
「パ、パランと……その、もっと一つに……なりたいんじゃ」
その言葉に私は笑って、
「なら朝まで、ずっと……ハグしとこ」
優しくアマダスにそう言い、更に体をくっ付て私は目を閉じた。
◆
「ふふぅ〜、相変わらず仲が良いですねぇ〜」
「パラン、起きてくれ!ラトが来ておるぞ!」
朝、アマダスの声とラトの声が聞こえて目を覚まし、アマダスを抱きしめていることに気が付いて、
「ごめんね、アマダス」
私は謝りながら、服がはだけているアマダスを離して起き上がる。
「調子はどうですかぁ〜?」
ラトの言葉に私は体を少しだけ動かして、
「だいぶ楽になりました。熱も、あんまりないと思います」
正直に伝えると、
「それは良かったですぅ〜。……はい、あーん」
ラトは優しい笑みを浮かべて頷き、机の上にある赤い果実を一つ取り私に食べさせてくれる。
それから三口程で食べ終えて、
「あ、ありがとうございます」
「ふふぅ〜、良いですよぉ〜。ではぁ〜、また明日の朝に来ますねぇ〜。何かあったらぁ〜、冒険協会まで来てくださいねぇ〜」
私のお礼に頭を撫でて返してくれ、ラトは部屋を出ていった。
それと同時、ぐぅ〜とアマダスのお腹から可愛い音がして、
「何か買いに行く?」
「じゃ、じゃが……パラン、そのっ!」
だいぶ元気になったので、ベットから降りながらアマダスに聞き……ふと、自分が下着姿である事に気が付いて、
「う、後ろ、向いてくれる?」
私は顔を真っ赤にして、アマダスに小さくお願いした。
この作品、今日でなんと一周年です!
あんまり展開に悩む事もなかったですし、書いてて凄く楽しいので、ここまで結構短かったなー、と思っております。
アマダスとパランもイチャイチャするようになりましたし、色々と出てくる人も増えました。
今後はこの作品もっともっと賑やかになっていくことでしょう!
そう考えると楽しみですね!
まだまだ小説書くの下手っぴですけど、これからももっと頑張りますのでぜひ!応援よろしくお願いします!
では!
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